税理士になるには何年かかる？資格取得の流れや合格するためのポイントを解説

これから税理士資格取得を目指す皆さんは、資格取得にはどれほどの時間がかかり、どのようなステップが必要なのか、気になる方も多いでしょう。
もちろん試験なので、「これをすれば必ず合格できる」「何年で合格できる」というものではありませんが、キャリアの将来設計をするにあたり、目安として把握しておく必要はあります。

本記事では、税理士試験合格までの年数や資格取得の流れ、試験合格のポイントなどを詳しく解説していきます。


【目次】
■税理士試験合格には何年かかるのか
　・税理士試験合格には5年程度見ておく必要がある
　・税理士試験合格に時間がかかる理由

■税理士資格を取得するまでのステップ
　・1. 税理士試験の受験資格を得る
　・2. 税理士試験に合格する
　・3. 2年以上の実務経験を積む
　・4. 税理士として登録手続きを行う

■税理士試験に合格するために押さえておきたいポイント
　・独学と予備校通学の違いを理解する
　・自分に合った科目を戦略的に選ぶ
　・学習時間を十分に確保し、計画的に取り組む
　・「ながら学習」を活用して仕事や家庭との両立を目指す

■税理士資格の取得は長期目線で考えよう

税理士試験合格には5年程度見ておく必要がある
税理士になるための試験合格には、通常少なくとも5年の期間が必要と言われています。
税理士試験が1年に1回の開催であること、合格のためには5科目必要であることから、多くの受験者が1年に1科目ずつ合格を目指すためです。
順調に毎年1科目合格できたとしても、5科目の合格には単純に5年がかかります。

税理士試験を受け始める前に大学院を修了して試験免除の資格を得ているなどの場合は、試験を受ける年数を短縮できる場合もありますが、大学院の卒業にも2年かかり、そこから3科目合格は必要となるため、やはり5年程度はかかります。
各科目の合格は永年有効なため、実際には5年以上の年数をかけ学習を続ける受験者が多いです。


税理士試験合格に時間がかかる理由
税理士試験合格に時間がかかる主な理由の一つは、試験の難しさです。
税理士試験は会計と税法で合計11科目に分かれており、それぞれが高度な内容を扱っています。

特に税法科目は暗記すべき内容が膨大で難解なため、一つの科目を合格するだけでも多くの時間と労力が必要とされます。また、税法は毎年法改正もあるため、最新情報を取り入れた試験勉強が必要です。
資格取得のためには必須合格とされている科目もあり、何年も同じ科目を受験している人がいることや、求められる得点率が高いことも特徴です。

税理士試験勉強にかかる時間やそれぞれの科目のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
▶税理士試験合格に必要な勉強時間とは？科目選択のコツや勉強法を解説


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1. 税理士試験の受験資格を得る
税理士試験の受験資格を得るためには、大学等で法律学や経済学の関連科目を履修する、特定の資格に合格する、会計事務所等での実務経験を積むことなど、いずれかの条件を満たすことが求められます。

大学を出ていない、所定の科目を履修せず卒業している場合は、2年以上会計事務所で補助業務に従事すれば、実務経験と同時に受験資格を得ることが可能です。
また、日商簿記検定1級や全経簿記検定上級に合格すると、学歴にかかわらず受験資格を得られます。


2. 税理士試験に合格する
税理士試験は、会計学と税法からなる11科目で構成されており、税理士登録のためには所定の科目を含む5科目の合格が必要です。
各科目は必修科目や選択必須科目、選択科目に分類され、歴年単位で科目合格が認められます。一度に全科目を合格する必要がないことから、長期的に少しずつ合格を目指すことが可能です。

独学ではモチベーションの維持が難しい方は、予備校を利用する選択肢もあります。また、税理士試験には免除制度も用意されており、自分の特性やライフスタイルに合う形で試験準備を進めることができます。

▶税理士予備校を目的別に徹底比較！おすすめ選び方ガイド
▶税理士の大学院の科目免除制度とは？おすすめの選び方も紹介


3. 2年以上の実務経験を積む
税理士試験に合格しても、すぐに税理士になれるわけではありません。
資格登録のためには、会計や税務に関する業務で2年以上の実務経験が求められます。

実務経験は税務官公署や会社での租税関連の事務、または賃借対照表や損益計算書を使用する会計関連の事務である必要があります。ただし、どの業務が実務経験に該当するかの判断は、税理士会の調査により個別に行われます。

実務経験は、試験を受ける前後を問わずに認められるため、試験勉強と並行して経験を積むことをお勧めします。フルタイムの正社員だと勉強時間の確保が不安だという場合は、パート・アルバイトとして時短勤務をしながら、通学や自習を進めると良いでしょう。

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4. 税理士として登録手続きを行う
試験に合格し、必要な実務経験を経て、税理士になるための最終ステップは、税理士としての登録手続きです。
この手続きには、日本税理士会連合会へ合格証明書類と実務経験証明書などの書類を提出し、登録料を納付することが含まれます。

また、登録手続きの際には、税理士会に入会することが求められます。
登録に当たっては準備する書類や費用が多数ありますので、事前に必要なものをチェックしておきましょう。
▶税理士登録に必要な書類や費用は？流れや期間を初心者向けに解説


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独学と予備校通学の違いを理解する
税理士試験の学習を進める際は、独学と予備校通学の違いを理解しておくことが重要です。

独学は自分のペースで進められるため、時間管理がしやすいとされています。経済的な負担を抑えたい方には魅力的ですが、教材が不足しがちなため、情報収集に時間がかかるデメリットもあります。
予備校に通う場合は、体系的な学習環境と質問の機会が得られ、モチベーションを維持しやすいという利点があります。一方、多額の費用がかかることに加え、通学時間が拘束されることがデメリットです。

最適な選択は、自分の生活環境や学習スタイルのニーズに応じて模索してみてください。どちらの方法でも試験への情熱と戦略的な計画があれば、税理士試験の合格に近づけます。

▶税理士予備校を目的別に徹底比較！おすすめ選び方ガイド
▶税理士試験の独学合格は難しい？合格のポイントや勉強法を紹介


自分に合った科目を戦略的に選ぶ
税理士試験では、必須科目の勉強と合わせ、自分に適した科目の選択が合格の鍵を握ります。
例えば、必須科目である財務諸表論と簿記論は関連性が高く、組み合わせることで効率的に学習できます。税法科目も同様に、法人税と事業税、所得税と住民税のように、理解を深められる組み合わせもあります。

また、興味や得意分野、将来目指す税理士像をイメージすることで、モチベーションを保つことができますし、長期的な学習計画を立てやすくなります。

▶税理士資格取得のための科目選択法：あなたに最適なプランは？


学習時間を十分に確保し、計画的に取り組む
試験合格に向けて効率的に学習時間を確保するには、計画的なアプローチが不可欠です。
まず、全体の目標を設定し、そのために必要な科目ごとの学習時間を把握します。例えば、法人税法や所得税法は600時間、簿記論は450時間などが目安となります。

一週間の学習時間を具体的に設定し、日々の小さな目標に落とし込むことも有効です。例えば、簿記論を1年でクリアするには、最低限週13時間、1日2時間程度の学習が求められます。
1年間という長期間に及ぶ勉強では、途中で疲れてしまうこともあるでしょうから、勉強時間はあくまで目安として、集中している時にどんどん進め、逆に疲れている時は思い切って休むことも重要です。

さらに、モチベーションを維持するうえで自身の生活リズムを見直し、集中しやすい時間を確保できる体制にシフトすることも一案です。
朝型、夜型、スキマ型など、自分に向いているやり方で良いですが、税理士試験は朝9時から始まりますので、可能であれば朝型で勉強を進めると、本番もいつもと同じペースで臨むことが出来るでしょう。


「ながら学習」を活用して仕事や家庭との両立を目指す
仕事や家庭と両立しながら税理士試験を目指すには、限られた時間を最大限に活用することが重要です。日々のスキマ時間はもちろん、日常の活動時間を勉強時間に変える工夫が求められます。

例えば、音声教材を繰り返し聞くことで知識を吸収する「耳学」を取り入れると、学習を効率的に進められます。通勤時間や家事の時間、食事時間なども勉強に充てられるためです。
スマホで勉強できるアプリや動画視聴なども充実しているので、テキストを使って机に向かう以外の時間で使いやすものを探してみると良いでしょう。



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税理士への道は短くはありませんが、しっかり計画を立てて取り組むことで成功に近づけます。働きながら勉強する場合は、時間管理を重視しながら科目選択や免除制度の活用も戦略的に行う必要があるでしょう。

税理士は専門性が高く、年齢にかかわらず働き続けられる職業です。
試験の受験にも年齢制限はありませんので、「今から勉強しても…」と思っている方も、あきらめず是非一歩踏み出してみませんか？

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