「扶養内勤務」6つの壁について再確認!
2024年10月、最低賃金が上がったり扶養控除の適用範囲が変わったりしたことで、働き方を変えた方もいると思います。年々最低賃金が上がる中、扶養限度額についてはたびたび議論がされ、今回の選挙でも焦点が当たりましたね。
よく「〇〇の壁」とまとめられる扶養内勤務について、実はいくらで何が変わるのか、きちんと把握出来ていない・・・ということはありませんか?
今回は扶養内勤務と関連する6つの壁についてまとめてみます。
よく「〇〇の壁」とまとめられる扶養内勤務について、実はいくらで何が変わるのか、きちんと把握出来ていない・・・ということはありませんか?
今回は扶養内勤務と関連する6つの壁についてまとめてみます。
■そもそも壁とは何なのか?
扶養内勤務についてよく使用される「壁」とは何を指すのでしょうか?ざっくりいうと、税金や保険料の徴収が発生する給与ラインのことです。
日本の税金は、基本的には収入の多い人ほど多く徴収する「累進課税」という制度を採用しており、逆に言えば収入が低い人からは徴収していません。「この収入を超えると税金が発生する」という給与所得の上限を「壁」と表現しています。
また、扶養内勤務を希望される方は、多くの場合、配偶者がいてそちらの収入が主な生計となっているでしょう。扶養内で働く配偶者が家族にいる場合、主たる生計者は自身の給与から「配偶者特別控除」という所得控除を受けることが出来ます。
控除があるということは課税所得が減り、その分税率が下がって手取りが増え、世帯収入が増えるのです。
一方、健康保険や厚生年金といった社会保険は、稼いだ収入だけではなく、所属している会社の規模や1週間あたりの勤務時間でも加入が必要かどうか変わります。
収入が条件を満たしていても、その他の条件に当てはまらなければ加入義務はありませんが、収入のラインを「壁」と呼んでいます。
「壁」は税金関係と社会保険関係で分かれており、下記の6段階になっています。
・100万の壁(住民税が発生/税金の壁)
・103万の壁(所得税が発生/税金の壁)
・106万の壁(社会保険加入可能性がある/保険の壁)
・130万の壁(社会保険加入/保険の壁)
・150万の壁(配偶者特別控除額が減る/税金の壁)
・201万の壁(配偶者特別控除がなくなる/税金の壁)
それぞれチェックしていきましょう。
日本の税金は、基本的には収入の多い人ほど多く徴収する「累進課税」という制度を採用しており、逆に言えば収入が低い人からは徴収していません。「この収入を超えると税金が発生する」という給与所得の上限を「壁」と表現しています。
また、扶養内勤務を希望される方は、多くの場合、配偶者がいてそちらの収入が主な生計となっているでしょう。扶養内で働く配偶者が家族にいる場合、主たる生計者は自身の給与から「配偶者特別控除」という所得控除を受けることが出来ます。
控除があるということは課税所得が減り、その分税率が下がって手取りが増え、世帯収入が増えるのです。
一方、健康保険や厚生年金といった社会保険は、稼いだ収入だけではなく、所属している会社の規模や1週間あたりの勤務時間でも加入が必要かどうか変わります。
収入が条件を満たしていても、その他の条件に当てはまらなければ加入義務はありませんが、収入のラインを「壁」と呼んでいます。
「壁」は税金関係と社会保険関係で分かれており、下記の6段階になっています。
・100万の壁(住民税が発生/税金の壁)
・103万の壁(所得税が発生/税金の壁)
・106万の壁(社会保険加入可能性がある/保険の壁)
・130万の壁(社会保険加入/保険の壁)
・150万の壁(配偶者特別控除額が減る/税金の壁)
・201万の壁(配偶者特別控除がなくなる/税金の壁)
それぞれチェックしていきましょう。
■税金の壁
税金に関連する「壁」は4つあります。
・100万の壁
住民税が発生するラインです。
住民税の課税基準は自治体により少しずつ異なりますが、93万円~100万円の間にあるため、まとめて「100万の壁」とされています。お住まいの自治体の課税基準が93万円だった場合、93万円を超えたところから住民税が課税されますので、まずはお住まいの自治体の基準を調べておきましょう。
課税されるといっても、住民税は課税所得のうちの10%の金額となるため、100万円を少し超えた程度であれば年間で数千円から1万円程度(これも自治体によって差があります)、月に均すと数百円です。さほど手取りに大きな影響はないでしょう。
・103万の壁
所得税が発生するラインです。
先述の通り、所得税は所得に応じた累進課税になっており、基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)後の所得が194万5千円までは5%です。
そのため、例えば105万円では課税所得は2万円の5%で千円ほどと、こちらもほとんど手取りに影響しない思って良いでしょう。
・150万の壁
配偶者特別控除の金額が段階的に減っていくラインです。
ここまで稼いでいると、本人にも住民税と所得税で毎月数千円の徴収が発生しているうえに、150万を超えた時点で満額(38万円)から2万円、それ以降は段階的に5万円ずつ控除額が減っていき、その分配偶者の手取りに影響していきます。
どれくらい手取りが減るかは配偶者自身の年収も関係してきますが、「今までより長く働いているのに世帯収入が増えない」という状況が起こる場合もありますので、勤務シフトの増加や時給UPを打診されたときは、しっかりシミュレーションしておくと良いでしょう。
・201万の壁
配偶者特別控除がゼロになるラインです。
先述の通り、年収が150万円を超えたところから段階的に減っていき、年収201万円を超えるともともと38万円あった控除が完全にゼロになります。
・100万の壁
住民税が発生するラインです。
住民税の課税基準は自治体により少しずつ異なりますが、93万円~100万円の間にあるため、まとめて「100万の壁」とされています。お住まいの自治体の課税基準が93万円だった場合、93万円を超えたところから住民税が課税されますので、まずはお住まいの自治体の基準を調べておきましょう。
課税されるといっても、住民税は課税所得のうちの10%の金額となるため、100万円を少し超えた程度であれば年間で数千円から1万円程度(これも自治体によって差があります)、月に均すと数百円です。さほど手取りに大きな影響はないでしょう。
・103万の壁
所得税が発生するラインです。
先述の通り、所得税は所得に応じた累進課税になっており、基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)後の所得が194万5千円までは5%です。
そのため、例えば105万円では課税所得は2万円の5%で千円ほどと、こちらもほとんど手取りに影響しない思って良いでしょう。
・150万の壁
配偶者特別控除の金額が段階的に減っていくラインです。
ここまで稼いでいると、本人にも住民税と所得税で毎月数千円の徴収が発生しているうえに、150万を超えた時点で満額(38万円)から2万円、それ以降は段階的に5万円ずつ控除額が減っていき、その分配偶者の手取りに影響していきます。
どれくらい手取りが減るかは配偶者自身の年収も関係してきますが、「今までより長く働いているのに世帯収入が増えない」という状況が起こる場合もありますので、勤務シフトの増加や時給UPを打診されたときは、しっかりシミュレーションしておくと良いでしょう。
・201万の壁
配偶者特別控除がゼロになるラインです。
先述の通り、年収が150万円を超えたところから段階的に減っていき、年収201万円を超えるともともと38万円あった控除が完全にゼロになります。
■社会保険の壁
社会保険に関する壁は2つあります。
・106万の壁
社会保険に加入する可能性があるラインです。
「可能性がある」というのは、社会保険は給与以外に加入条件が設定されているためで、その条件は以下になります。
・週の所定労働時間が20時間以上
・賃金が月額8万8千円以上
・2か月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
・勤務先の企業の従業員数が51名以上
このうち、「賃金が月額8万8千円以上」、つまり12か月で105万6千円となるため、106万の壁と言われています。ですが、例えば勤務先の社員数が10名しかいない、週の勤務時間が15時間など、その他の社会保険に加入条件に当てはまらない場合があるため、「可能性がある」とされるラインです。
企業の規模が条件を満たしている場合、現在の最低賃金を鑑みると、週20時間以上働いている人は高確率で既定の月給を超えるでしょう。社会保険料は住民税や所得税のような控除額もなく、単純に年収そのものに一律の割合を計算して徴収されるため、月給が8万8千円の場合は約1万2千円が健康保険と厚生年金で徴収されることになります。
100万の壁、103万の壁も超えているので住民税と所得税も発生しており、合わせると合計1万3千円程度、実に給与の15%が毎月手取りから減る計算です。
健康保険や厚生年金は将来的に恩恵があるとはいえ、毎月引かれる金額としてはかなり大きくなりますので、このラインに踏み込むかどうかは十分検討が必要といえるでしょう。
・130万の壁
社会保険に加入義務が発生するラインです。
106万の壁の条件とは関係なく、この年収を超えると配偶者や親の扶養家族とみなされなくなるため、扶養を外れて自身で健康保険や年金を払う必要が出てきます。
・106万の壁
社会保険に加入する可能性があるラインです。
「可能性がある」というのは、社会保険は給与以外に加入条件が設定されているためで、その条件は以下になります。
・週の所定労働時間が20時間以上
・賃金が月額8万8千円以上
・2か月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
・勤務先の企業の従業員数が51名以上
このうち、「賃金が月額8万8千円以上」、つまり12か月で105万6千円となるため、106万の壁と言われています。ですが、例えば勤務先の社員数が10名しかいない、週の勤務時間が15時間など、その他の社会保険に加入条件に当てはまらない場合があるため、「可能性がある」とされるラインです。
企業の規模が条件を満たしている場合、現在の最低賃金を鑑みると、週20時間以上働いている人は高確率で既定の月給を超えるでしょう。社会保険料は住民税や所得税のような控除額もなく、単純に年収そのものに一律の割合を計算して徴収されるため、月給が8万8千円の場合は約1万2千円が健康保険と厚生年金で徴収されることになります。
100万の壁、103万の壁も超えているので住民税と所得税も発生しており、合わせると合計1万3千円程度、実に給与の15%が毎月手取りから減る計算です。
健康保険や厚生年金は将来的に恩恵があるとはいえ、毎月引かれる金額としてはかなり大きくなりますので、このラインに踏み込むかどうかは十分検討が必要といえるでしょう。
・130万の壁
社会保険に加入義務が発生するラインです。
106万の壁の条件とは関係なく、この年収を超えると配偶者や親の扶養家族とみなされなくなるため、扶養を外れて自身で健康保険や年金を払う必要が出てきます。
■まとめ
年収に応じて発生する税金や保険料についてまとめてみました。
こういった配偶者の税率を軽減する制度が始まったのは、なんと1961年。大卒の初任給平均が15万円、最低賃金に至ってはほとんど記録も残っていないような時代です。
現代と大きく賃金も物価も違う中、時代に合っていない制度として、たびたび見直しの議論がされています。労働に関する法律は例年4月、10月に改正されることが多いので、自分でもよくニュースをチェックしておきたいですね。
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こういった配偶者の税率を軽減する制度が始まったのは、なんと1961年。大卒の初任給平均が15万円、最低賃金に至ってはほとんど記録も残っていないような時代です。
現代と大きく賃金も物価も違う中、時代に合っていない制度として、たびたび見直しの議論がされています。労働に関する法律は例年4月、10月に改正されることが多いので、自分でもよくニュースをチェックしておきたいですね。
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