簿記は経理職に必須?必要性やメリット・経理に役立つ資格を解説

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簿記は経理職に必須?必要性やメリット・経理に役立つ資格を解説

「経理職に就きたいけど、本当に簿記の資格は必要なの?」「簿記を勉強しても実務で役立つのかな?」こんな疑問をお持ちではありませんか?

経理の仕事は会社の財務を支える重要な役割ですが、専門知識が多く、未経験から挑戦するには何らかのアピールポイントが必要です。簿記資格には経理職への第一歩として、日々の業務で実際に活きる知識が詰まっています。

この記事では、経理職における簿記資格の必要性や取得するメリット、経理に役立つその他の資格を紹介します。


【目次】

簿記資格は経理職に必須なのか?
 ・資格は必須ではないが、知識は求められる
 ・資格の有無よりも実務経験が重視される
 ・日商簿記検定と経理実務の関係性

簿記資格を取得するメリット
 ・未経験でも採用市場で評価されやすい
 ・より高度な実務経験を積める
 ・さまざまな業種で知識を活かせる

経理職に役立つ簿記以外の資格
 ・独学でも取得を目指せる資格
 ・簿記との相乗効果が狙える資格

簿記資格は経理職への第一歩



■簿記資格は経理職に必須なのか?

資格は必須ではないが、知識は求められる
企業の経理部門で働くうえで、簿記資格は必須ではありません。資格を保有していなくても請求書作成、振り込みといった業務は可能で、近年の発達した会計ソフトは画面の指示通りに入力すればある程度の体裁は整うよう進化しています。

とはいえ、簿記の「知識」が基礎スキルとして強く求められていることは事実です。
簿記を用いて記録・管理する情報は企業活動・利益を示したものですが、知識がなければ何故この数字が出ているのか、それが何を意味するのかを理解できず、経営に役立てることが出来ません。
経理部門の業務は数字を管理することはもちろん、その情報を経営に活かすために説明することも求められています。経理部門でキャリアを積んでいこうと考えている人は、簿記の知識は最低限必要です。


資格の有無よりも実務経験が重視される
経理部門では、簿記資格の有無よりも実務経験を重視する傾向があります。資格は一定の知識を持っていることの自己アピールとして有効ですが、それだけで評価されるわけではありません。

現場では、簿記の知識に加えて「なぜその作業が必要か」「なぜその書類を作成するのか」という根本理解と応用力、そしてそれを他部署に正しく伝えるコミュニケーション力が求められます。
社内の経費や予算を管理する経理業務を滞りなく進めるためには、他部署との連携と協力が不可欠です。協力してもらうためには、何故その作業が何のために必要か、正しく理解してもらう必要があります。そのためには現場で行う業務の理解と説明出来るだけの知識、両方が必要です。


日商簿記検定と経理実務の関係性
簿記の資格にはいくつか種類がありますが、求人募集の資格欄に「簿記」と書かれていたら、それは「日商簿記」を指すと考えて問題ありません。
日商簿記検定は、経理実務とどのように関連しているのでしょうか。

3級では簿記の基本原理や商業簿記の基礎知識を習得でき、経理部門の基本業務を担当できるレベルに該当します。基本的な仕訳処理や決算書類の作成に必要な知識が身につくため、経理部門への就職を目指すうえで取得して損はありません。

2級になると商業簿記に加えて工業簿記も範囲に含まれ、企業の経営分析や実務的な会計処理ができるようになります。企業からの需要が高く、ある程度の実務経験と組み合わせることで転職市場でも評価されます。

最難関の1級は高度な商業簿記と工業簿記に加え、会計学や原価計算も含む専門的な試験です。2023年度からは税理士試験の受験資格条件の一つにもなっており、取得すればあらゆる組織において経理のスペシャリストとして活躍できます。


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■簿記資格を取得するメリット

簿記資格は経理職に必須ではないものの、取得によって得られるメリットは多岐に渡ります。

・未経験でも採用市場で評価されやすい
・より高度な実務経験を積める
・さまざまな業種で知識が活かせる


それぞれの詳細を見ていきましょう。


未経験でも採用市場で評価されやすい
簿記資格は「基礎知識がある」という客観的な証明になるため、経理職の採用市場において評価されやすいことが特徴です。

日商簿記3級を保有していれば基本的な仕訳処理や決算業務の基礎知識があると認められ、2級になると資金繰り分析や原価計算など、より幅広い業務へも早く携われるかと期待されます。簿記資格を取得することで、未経験からでも経理職へ転職できる可能性が高まるでしょう。


より高度な実務経験を積める
簿記の資格を保有していると、無資格の場合よりも高度な仕事を任せてもらえる可能性が高まります。重要度の高い業務の経験は、将来キャリアアップを目指すうえで非常に重要です。

もちろん資格だけではなく実務経験も必要ですが、例えば簿記の知識があれば、財務諸表を単なる数字の羅列ではなく、企業の経営状況を映し出す「経営の鏡」として読み解けるようになります。数値の変動から経営上の課題を発見する力が身につき、最終的に経営の意思決定を支える財務分析力へとつながっていくでしょう。

このような能力は、AIやRPAが発達しても代替されづらい経理職としての価値を高め、経営層からも頼られる存在になる重要なスキルです。


さまざまな業種で知識を活かせる
簿記の知識は、あらゆる業種で求められています。
経理職はもちろん企画開発や営業職でも、原価計算や減価償却、損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)などを理解していると、予算の使い方や必要経費についてより的確で現実的なプロジェクトを進めることが出来るようになるでしょう。


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■経理職に役立つ簿記以外の資格

簿記以外にも、経理業務をするにあたり、理解している・持っていると役に立つ資格は色々とあります。

独学でも取得を目指せる資格
経理の世界では経験者が優遇される傾向がありますが、簿記をはじめとする経理関連を資格を保有していれば未経験からでも就職・転職を目指せます。
「ゼロから勉強が必要」「スクールに通う時間はない」という方には、独学でもチャレンジできる以下のような資格がおすすめです。

・ファイナンシャルプランナー(FP)
資産運用やお金に関する知識を幅広く学べる資格で、3級は難易度も低くテキストも充実しており、経理入門編としてもお勧めです。

・ビジネス会計検定
主に財務諸表の知識が身に着く資格です。経理職はもちろん、企画開発や営業職などの職種でも役立ちます。

・MOS
Excel、Wordなど、Microsoftoffice製品のスキルを証明出来る資格です。経理事務に欠かせないPCスキルはもちろん、他の職種でも幅広く活用出来ます。

その他、経理職に役立つ資格に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
経理におすすめの資格一覧!未経験者向けから難易度別に紹介


簿記との相乗効果が狙える資格
簿記資格は単独でも価値がありますが、他の経理関連資格と組み合わせることで、さらに大きな相乗効果を生み出します。

例えば、簿記とファイナンシャルプランナー(FP)の知識を組み合わせれば、資産運用から税金対策まで一貫したサポートを提供できます。
中小企業診断士と簿記の組み合わせでは、財務分析と経営改善提案を同時に行えるため、経営コンサルタントとしての道も開けます。
また社会保険労務士の知識があれば、人事・労務を含めた管理部門全般で活躍の場を広げることが可能です。

複数の資格を活用するには、まず簿記で会計の基礎を固め、その上に専門分野を積み上げる学習順序が効果的です。自分のキャリアビジョンや得意分野に合わせて資格を組み合わせることで、経理のプロフェッショナルとして市場価値が高まります。


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■簿記資格は経理職への第一歩

経理職は簿記資格がなくても目指せますが、簿記の知識が実務能力向上と転職活動の両面で大きなメリットをもたらすことに間違いはありません。日商簿記検定の習得により、経理業務で取り扱う用語や書類の種類を把握でき、実務のキャッチアップも早くなることでしょう

簿記をきちんと学ぶことは、未経験からのキャリアチェンジはもちろん、部門内でのステップアップにも有効です。経理のプロフェッショナルとして成長するために、資格取得への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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