転職の目的を明確にする4ステップ！後悔しない選択をするために

「なぜ転職したいのですか？」この質問に明確に答えられますか？
多くの方が「今の職場が合わない」「給料を上げたい」といった理由を挙げますが、それは本当の「目的」でしょうか。

転職活動を始める前に、あなたが本当に何を求めているのかを明確にすることが、成功への第一歩です。本記事では、転職の目的を整理する具体的なステップや、それを転職活動に活かす方法を紹介します。

【目次】

■転職の目的を明確にする3つの考え方
・「目的」と「理由」の違いを理解する
・自己分析を欠かさない
・目的が見つからないときは行動してみる

■転職の目的を整理する4つのステップ
・1. キャリアの優先順位を決める
・2. 将来のキャリアビジョンから逆算する
・3. 目的の妥当性をチェックする
・4. 目的が変化したら柔軟に対応する

■明確になった目的を転職活動で活かす方法
・面接における転職目的の伝え方
・職務経歴書に目的を反映させるコツ

■転職の目的を明確にして後悔のない判断を

「目的」と「理由」の違いを理解する
転職の「目的」と「理由」は似ているようで大きく異なります。
「理由」は、転職を考えるきっかけとなった要素で、多くの場合ネガティブな内容です。例えば「ルーティン業務ばかりで新しいチャレンジが出来ない」「残業が多く体がしんどい」「給与が低くて生活が不安」といった現在の不満点が該当します。

一方「目的」は将来へのビジョンであり、転職によって実現したいポジティブな展望です。
「スキルアップして専門性を高めたい」「ワークライフバランスを改善してプライベートも楽しみたい」「余裕のある収入で将来に向けて投資を始めたい」といった前向きな内容になります。

転職したい理由と、転職してかなえたい目的を区別して考えることで、転職に至るまでのストーリーが明確化し、求職活動における迷いが少なくなるでしょう。


自己分析を欠かさない
転職目的を明確にするために不可欠なのが、自己分析です。自分の強み・弱み・価値観を深く掘り下げることで、本当にやりたい仕事や成し遂げたいことが見えてきます。
▶自己分析が大切な3つの理由。具体的に何をすればいいの？

転職における自己分析は、以下のような流れで進めます。

1. 興味ある仕事に共通する要素を書き出す
現実的な条件は一旦置いておき、純粋に「やりたいこと」だけに焦点を当てることが重要です。

2. 自分の強みやスキルを書き出す
興味ある仕事に必要なスキルとの共通点・相違点を整理します。これにより、自分が活かせる経験や今後身につけるべきスキルが明確になります。

自分の強みが分からないという方は、こちらの記事もヒントにしてみてください。
▶アピールポイントが分からない！強みと弱みの見つけ方

3. 仕事に対する価値観をリストアップする
いくつ挙げても良いですが、その中でもとくに譲れない3つの価値観に優先順位をつけましょう。すべての価値観を満たす、希望通りの求人は滅多にありません。優先順位を付けることは転職先選びの重要な判断基準となります。

こうした自己分析を通じて得た気づきを総合的に整理することで、「なぜ転職するのか」「仕事に何を求めているのか」という根本的な目的が見えてきます。また、転職活動の「理由」となった要因を改善するには、転職ではなく自分自身の問題解決が最善であることに気づくこともあるでしょう。
自己分析に行き詰まったら、キャリアアドバイザーや身近な人からの客観的な意見を取り入れることも効果的です。自己分析は転職活動の最初に行うことで、その後の活動がスムーズになります。


目的が見つからないときは行動してみる
転職の目的が見つからないときは、実際に転職活動を始めてみることも一つの方法です。求人情報を調べたり、面接を受けたりする過程で、自分が何を重視しているかが自然と浮かび上がってくるからです。当初は明確でなかった希望条件も、様々な企業の話を聞くうちに徐々に形になっていきます。

また、迷っているうちは特に、転職エージェントへの相談も有効な手段です。プロのキャリアアドバイザーは、あなたの経験やスキルを客観的に評価し、適切なキャリアパスを提案してくれます。自分一人では気づけなかった問題や選択肢に気づくことも少なくありません。
会計・経理・管理部門での転職を考えていることは、会計経理専門のキャリアアドバイザーであるレックスアドバイザーズも是非ご活用ください。
▶レックスアドバイザーズでキャリア面談を申し込む


▶▶アカナビで求人を見てみる

1. キャリアの優先順位を決める
転職の目的を整理するうえで、まずは優先順位を決めておきましょう。
具体的には、家庭状況、キャリア展望、市場価値の3つの観点から考えることが効果的です。それぞれの観点で考えると、「やりたいこと」と「出来ること」にギャップがある項目があるかもしれません。
例えば、キャリア展望としては「会計税務のスペシャリストとして税理士になりたい」、家庭環境としては「2歳になる子供がいて急なお迎えやお休みの可能性があるが、実家や義実家が遠方で頼れない」、市場価値としては「税理士試験科目に1科目だけ合格している」というような場合、優先されるのは家庭環境でしょう。

今やりたいことと出来ることは、必ずしも連動しているとは限りません。自分なりの評価基準を挙げたら、それに優先順位をつけます。
すべての希望を叶えられる求人は無いと思った方が良いため「これだけは絶対に譲れない条件」を決めましょう。

譲れないと感じる条件こそが、本来の「転職目的」です。一度立ち止まって優先順位を見直すことで、後悔しない転職を実現しやすくなります。


2. 将来のキャリアビジョンから逆算する
将来の理想像から逆算して現在のアクションを検討することで、転職の道筋を整理しやすくなります。キャリアビジョンに対し、転職がどのように影響するのか、どういうステップが必要かが可視化されるからです。

まずは「どのような職場で働いているか」「どんな役割を担っているか」「どのようなスキルを持っているか」などの観点から、あなたの5年後の理想像を書き出してみてください。

例えば「チームリーダーとしてプロジェクトを成功させている」というビジョンがあれば、そこから逆算して「リーダーシップスキルの向上」や「プロジェクトマネジメント知識の習得」といった具体的な目標が見えてきます。

将来の理想像を書き出す際は、以下の項目に対する回答を埋めていきましょう。

・5年後の職場環境
・担当している仕事や責任範囲
・習得しているスキルや資格
・実現している成果や評価

5年後のビジョンが明確になれば、理想像を実現するための行動軸が定まり、結果として「何のために転職するのか」がハッキリします。


3. 目的の妥当性をチェックする
転職の目的がズレていないか、現実的かを確認するために、以下3つの質問を自分に投げかけてみましょう。

【設定した目的は自分のキャリアプランと一貫性があるか？】
転職は単なる一時的な環境変化ではなく、長期的なキャリア構築の一部です。
今回転職する目的が、5年後のビジョンを実現するうえでの「過程」になっているかを確認しましょう。

【設定した目的は現実的な時間軸で達成可能か？】
例えば、未経験分野へのキャリアチェンジなら、専門職として活躍するには相応の時間がかかります。
目的達成まで勉強しないといけないことやそれに費やせる時間など、現実的なステップを描けるか考えましょう。

【設定した目的は自分の価値観や生活スタイルと両立するか？】
例えば高収入を目指すあまり残業が増え、家族との時間が犠牲になる可能性はないでしょうか。
転職の目的が他の大切な価値観と衝突しないか、十分に確認する必要があります。

上記の質問に回答することで、表面的な憧れや一時的な不満に基づいた目的ではなく、本質的に自分に合った転職目的を設定できます。


4. 目的が変化したら柔軟に対応する
転職活動を進めて様々な企業・業界に触れる中で、最初に設定した目的が変化することはよくあります。新たな情報を得て視野が広がったり、面接を通じて価値観が変わったりすることは自然なことです。

やりたいことや目指すものが変化したときは、前述した3つの観点で、改めてキャリアの優先順位を見直しましょう。
また、転職後も目的は変化する可能性があります。定期的に自分の目的を振り返り、必要に応じて調整する柔軟さを持つことが、長期的なキャリア満足度を高めるポイントです。



▶▶アカナビで求人を見てみる

面接における転職目的の伝え方
面接では、転職目的を説得力を持って伝えることが内定獲得の鍵です。
重要なのは、面接官が転職の目的から知りたいのは「人柄」と「意欲」だと理解すること。具体的には、以下のポイントを押さえましょう。

・無理に取り繕わない
・転職を決意するまでの具体的な経緯を説明する
・前職へのネガティブな表現を最小限にする
・なぜ転職が必要なのかを明確に伝える
・成長意欲や前向きな姿勢をアピールする

例えば、会計業界でのキャリアアップを目指す場合は、以下のような伝え方が効果的です。

「前職では顧客担当として、数億規模の法人を中心に5年携わってきましたが、より幅広い業界知識と相続やコンサルティングなど、顧客にとって有益な税務担当になりたいと考えるようになりました。多くの部門を持つ御社なら、私の経験を活かしながらそれらの業務に関わる機会をいただき、より御社の顧客に満足していただける担当を目指していけると考えております」

前向きな姿勢と具体的な経緯を組み合わせることで、面接官に好印象を与えられるでしょう。

そして中途の転職で大切なのは、「成長させてもらいたい」という言葉を使わないことです。
未経験の新卒を採用するのとは違い、中途で採用するからには何かしら戦力となってもらうことを期待しています。成長意欲があることは大変素晴らしいことですが、成長「させてもらう」という、相手に環境を期待するような発言は気を付けましょう。


職務経歴書に目的を反映させるコツ
職務経歴書にも、明確になった転職目的を反映させましょう。キャリア目標に沿った内容を記載することで、説得力が大幅に高まります。
例えば「5年以内にマネージャーになる」という目標があれば、これまでのリーダーシップ経験や成果を数値で具体的に記載します。

さらに、職務経歴書全体で「成長の軌跡」を示すことで、転職目的との一貫性が生まれます。継続的な学習姿勢や自己啓発の取り組みも積極的に記載し、目的に向かって行動していることをアピールしましょう。
明確な転職目的が職務経歴書に反映されていれば、採用担当者はあなたの将来性と適性を正確に評価できます。

未経験からキャリアチェンジする場合や、転職先と関連する経験が思い浮かばないという方は、こちらの記事も参照してみてください。
▶職務経歴って何を書けばいいの？


▶▶アカナビで求人を見てみる

人の気持ちも会社も変わるもの。全く後悔のない選択は難しいかもしれません。
それでも後悔の少ない選択をするためには、差し迫った状況でない限り「なぜ転職したいのか」を見つめなおし、転職活動プランを立てる必要があります。
書類の作成や面接対策を行うまえに、まずは正直に自分自身と対話することが大切です。

転職活動がスムーズに進まないときでも、目的が明確になっていればベストな判断を下しやすくなります。転職を検討している方はもちろん、まさに活動中の方も、今一度目的を見直してみてはいかがでしょうか。

方向性が固まらない方は、実際の求人を見て「これは合ってそう」「これはちょっと違うかも」など仕分けていくことで、自分が何を求めているのか顕在化することもあるかもしれません。
会計・経理業界に興味のある方は、是非【アカナビ】をチェックしてみてくださいね。

▶▶アカナビで求人を見てみる