正社員登用とは?メリット・デメリットや正社員への転換を目指すポイント

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正社員登用とは?メリット・デメリットや正社員への転換を目指すポイント

お子さんが小さくてフルタイムでは働けない方の場合、まずはパートで働いて、子供が大きくなってきたら働く時間を増やして収入も増やしたい、と考えている方もいると思います。
フルタイムで働くといっても、フルタイムパート、派遣社員、契約社員、正社員などさまざまな働き方があります。正社員の方が安定していて、収入も良さそうというイメージはあるものの、実際に何が違うのか、ご存じでしょうか。

いずれは正社員になりたいと思う場合には、パートを探す時に「正社員登用制度」がある会社を選ぶという手もあります。
今回はパートと正社員の違い、正社員登用とはどんな制度なのかについてまとめてみたいと思います。


【目次】

社員登用制度とは?非正規雇用から正社員になるための基礎知識
 ・正規雇用と非正規雇用の違い
 ・社員登用制度の仕組み
 ・正社員登用制度と無期転換ルールの違い
 ・どうやったら正社員に転換できる?

社員登用のメリット・デメリット
 ・メリット:雇用や収入の安定化・キャリアアップ
 ・デメリット:責任や業務量の増大
 ・パートを継続するか正社員を目指すかの判断基準

社員登用を勝ち取るためのポイント
 ・志望動機の書き方を押さえる
 ・日々の業務で信頼感を高める
 ・資格取得やスキルアップに励む

社員登用制度を活用し、キャリアアップを実現しよう
 

■社員登用制度とは?非正規雇用から正社員になるための基礎知識

■社員登用制度とは?非正規雇用から正社員になるための基礎知識
正規雇用と非正規雇用の違い
基本的に正社員は「正規雇用の別称」であり、正社員以外の雇用形態全般を「非正規雇用」と呼びます。

正規雇用は雇用期間の定めがなく、会社の定めるフルタイム勤務であるのに加え、長期的なキャリアアップや処遇の向上を前提としています。
責任ある仕事を任されることが多く、異動や転勤の可能性もある分、昇給の機会やボーナスがあり、安定した収入を得ることができます。

一方の非正規雇用は契約内容がさまざまで、働く場所や時間など、個人の希望に合った自由な働き方ができる分、正社員に比べると収入が低く不安定になりがち、という特徴があります。

契約社員、派遣社員、パート・アルバイト(パートタイム労働者)はすべて非正規雇用に分類されます。厚生労働省のデータによれば、役員を除く雇用者のうち、非正規雇用の割合は37.1%で、そのうちの7割ほどをパート・アルバイトが占めています。

厚生労働省:非正規雇用の現状と課題


社員登用制度の仕組み
社員登用制度とは、アルバイトやパート、契約社員などの非正規雇用で働いている方が、一定の条件を満たすことで正社員として雇用される仕組みです。

具体的には、勤続期間や業務評価、面接試験などの登用基準を企業が独自に設定し、それをクリアした非正規社員を正社員として迎え入れます。あくまで企業側の評価に基づいて正社員への転換が判断されるため、自動的に転換されることはありません。

企業側にとっては、既に業務に精通した人材を確保できるメリットがあり、働く側にとっては安定した雇用と将来のキャリアパスを獲得できる、重要な制度だといえるでしょう。


正社員登用制度と無期転換ルールの違い
法律でも非正規労働者の正社員への登用が推奨されており、非正規社員を正社員に転換する何らかの制度を設けることが企業に求められています。
この背景には、同じ企業内で同じ仕事をしているのに、正規雇用か非正規雇用かで賃金や福利厚生が違うのは不合理であって解消されるべき、という同一労働同一賃金の考え方が広がってきたことがあります。

正社員登用制度と混同されやすい言葉に「無期転換ルール」があります。
こちらは同一の会社に有期労働契約で5年以上雇用された場合、労働者側が求めれば無期雇用に転換できるというものです。このルールは雇用期間が無期限になるのみで、正規雇用(正社員)に変わるわけではない点が大きな違いです。

つまり、有期契約の非正規雇用から、無期契約の非正規契約になるだけで、正規雇用になるわけではありません。
契約期間終了に伴う退職の心配はなくなりますが、パート・アルバイトであればその働き方自体は変わらないため、仕事のキャリアを積みたい、しっかり稼ぎたいという方は、やはり正社員登用を目指す方が良いでしょう。


どうやったら正社員に転換できる?
厚生労働省の「労働経済動向調査」によると、正社員登用制度がある企業は全体の76%ですが、登用制度の有無にかかわらず、過去1年間に実際の登用実績がある企業は50%となっています。
その理由として一番多いのは「正社員以外の労働者から応募がなかった」で50%を占めており、正社員登用制度があっても今までに実績がないという企業も多いようです。
厚生労働省:労働経済動向調査(令和6年2月)

正社員登用の条件は企業ごとにさまざまで、
・一定期間働きつづけていること
・上司からの推薦を受けること
・面接以外に筆記試験や論文などの試験を事前に受けること

などを定めている企業があるようです。

今はパート希望だけどいずれは正社員を目指したいという場合は、面接や上司との面談の際に、正社員登用にはどんな条件があるのか、実際に正社員登用された人はいるのかを聞いてみるとよいかもしれません。


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■社員登用のメリット・デメリット

■社員登用のメリット・デメリット
メリット:雇用や収入の安定化・キャリアアップ
社員登用の最大のメリットは、収入が安定することです。
よほどのことがない限り雇用が継続され、勤務日数に関わらず基本給の保障、昇給や賞与も期待できるため、長期的な生活設計が立てやすくなります。

福利厚生面では、健康保険や厚生年金といった社会保険の加入はもちろん、企業独自の手当や制度も利用できるようになり、医療費の負担軽減や家族の生活支援につながります。
さらに、社会的信用が向上することも見逃せません。安定した職に就いていると見なされるため、クレジットカードの審査や住宅ローンなどの申請もスムーズに進みやすくなります。

キャリア面では、昇進や昇格の機会が開かれ、社内研修や資格取得支援などで専門性を高められる環境が整います。これにより、管理職を目指すなど、より広いキャリアパスを描けるようになるのです。アルバイトや契約社員時代とは違ったやりがいや達成感を感じる機会も増えていくでしょう。


デメリット:責任や業務量の増大
正社員に転換すると、仕事の責任が大幅に増加します。
会議参加やクレーム対応、部下の管理など、パートで働いている際には関与していなかったような、さまざまな業務も増えます。

また、業種によっては転勤や異動の可能性が生じます。特に全国展開している企業では、引っ越しを伴う転勤を命じられることもあるでしょう。転勤を望まない場合は、事前に条件を確認しておくことが重要です。

残業や休日出勤が発生する可能性があることも、人によってはデメリットです。
人員不足時の対応やトラブル処理など、アルバイト従業員が帰った後の業務が発生することも少なくありません。社員登用を検討する際は、これらのデメリットも含めて総合的に判断することが大切です。


パートを継続するか正社員を目指すかの判断基準
現在パート・アルバイトで勤務している方が、今のまま継続するか正社員を目指すかの判断は、自分のライフスタイルと将来設計が鍵となります。

まずは、将来のキャリア形成を重視するか、時間の融通の利きやすさを優先するかを考えましょう。
キャリアを積むなら責任や業務量が増えたとしても、関与する業務の幅が広げられる正社員です。将来的に転職を考えた際にも経歴でプラスに働きます。
子育てや介護など、時間の融通を利かせられることの方が優先度が高いのであれば、無理せずパート・アルバイトを継続する方が、ご自身にとっても家族にとってもプラスとなることが多いでしょう。

また、家族計画や住宅購入などのライフイベントがある場合は、社会的信用度の高い正社員が有利です。現在の職場環境や待遇にも注目し、正社員登用後の具体的な業務内容や責任範囲について上司に相談することも大切です。
自分のスキルや経験を客観的に評価し、正社員として求められる能力があるかどうかも冷静に判断しましょう。迷った場合は、キャリアアドバイザーに相談するのも一つの選択肢です。


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■社員登用を勝ち取るためのポイント

志望動機の書き方を押さえる
もともと働いている職場で正社員登用試験を受ける場合、志望動機は「なぜ今、正社員を目指すのか」「これからどのように貢献したいのか」を明確に伝えることが大切です。

通常の中途採用と違う点は、あなた自身の強みや能力、人柄など、企業側がすでに把握している点です。そのため、志望動機に自己PRはほとんど必要ありません。
以下のポイントを押さえて、説得力のある内容に仕上げましょう。

【前向きな動機を伝える】
パートとして働く中で身につけたスキルや、業務に対する理解をアピールしましょう。たとえば、「〇年間の勤務を通じて業務全体の流れを把握できたので、今後はより主体的に貢献したい」といった表現が有効です。

【会社への貢献意欲を具体的に伝える】
「正社員として〇〇の業務にも関わり、職場全体の効率化に貢献したい」といったように、正社員としてどのような役割を担いたいのかを示しましょう。自分の強みや得意分野と絡めると説得力が増します。

【働き方に対する覚悟や姿勢を示す】
正社員になることで、業務の幅や責任が増すことも踏まえ、「今までの経験を活かし、責任ある立場にも前向きに取り組みたい」という覚悟を伝えると好印象です。

以下の記事では経理の志望動機の書き方について解説しています。ぜひご覧ください。
【例文あり】経理の志望動機の書き方|未経験者・転職向け成功ポイント



日々の業務で信頼感を高める
上司や同僚からの信頼を積み重ねることは、正社員登用を勝ち取るうえで欠かせません。
正社員登用を目指すパート勤務の方は、日々の業務で「信頼される行動」+「正社員視点の働き方」を意識しましょう。具体的なポイントは以下のとおりです。

【責任感を持って仕事に取り組む】
「任された仕事だけをやる」のではなく、「どうすればもっと良くなるか」「他の人が困っていないか」といった視点を持ち、自主的に動く姿勢が信頼につながります。

【遅刻・欠勤をしないなど基本を徹底する】
日常の勤怠や報告・連絡・相談など、基本的なビジネスマナーを大切にしましょう。地味ですが、「この人なら安心して任せられる」と思ってもらえる最大の要素です。

【周囲とのコミュニケーションを大切にする】
正社員はチームで成果を出す立場になるため、協調性や情報共有の姿勢はとても重要です。上司や同僚との連携を意識しましょう。

【業務理解を深めようとする姿勢を見せる】
自分の担当業務にとどまらず、「どうしてこの業務が必要なのか」「他部署とどう関わっているのか」といった全体像への理解を深める姿勢が評価されます。

【正社員として働く覚悟を行動で示す】
登用後に期待される働き方(柔軟な対応、残業・異動の意識、リーダーシップなど)を意識し、「正社員になったらどう行動するか」を先取りして実践していくことが大切です。


資格取得やスキルアップに励む
資格取得とスキルアップに励むことで、正社員登用が近づく可能性があります。
業界や職種によって重宝される資格は異なるため、関連資格を調査して優先順位をつけておきましょう。

資格取得だけでなく、スキルアップ計画を立案することもポイントです。3ヶ月以内の短期目標から始め、半年後には成果を示せるよう段階的に進めていきます。勉強会への参加やオンライン講座の受講など、自己投資を惜しまない姿勢も評価されるでしょう。
企業によっては、パート・アルバイトでもセミナー参加や参考書籍の購入が相談出来る場合がありますので、興味のあるものがあれば一度相談してみても良いかもしれません。


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■社員登用制度を活用し、キャリアアップを実現しよう

正社員を目指したい、とはいえ、家事もこなしつつ正社員の仕事をするのは大変だし、ブランクがあるのも不安だし、そこまで頑張る意味があるのかな…と思う方も多いかもしれません。

頑張る意味として一番目に見えるのは、やはり収入です。単純計算ですが、30歳から65歳までの35年間を正社員として年収400万円で働いた場合と、扶養の範囲内に収まるよう年収100万円程度で働いた場合を比べると、1億500万円の収入の違いとなります。
子育てがある程度落ち着く方が多い45歳から65歳の20年間で考えても7500万円の違いがあり、家賃補助などの福利厚生や退職金などがある場合、実際にはもっと多くの差が生まれる可能性があります。
更に退職後も、正社員で働いていた期間の厚生年金が国民年金に上乗せされるので、生涯年収としては更に差が生まれます。

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