パート主婦でも年末調整って関係あるの?

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パート主婦でも年末調整って関係あるの?

年末が近づくと、パート先から「年末調整の書類を提出してください」と言われて、「そもそも年末調整って何?」「パートでも必要なの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

実は、扶養内で働くパート主婦でも年末調整は必要です。還付金を受け取れるケースや、確定申告が必要になるケースもあるため、手続きについての理解を深めておく必要があります。

本記事では、年末調整の基本的な仕組みや書類の書き方、掛け持ちや副業をしている場合の注意点まで、分かりやすく解説します。


【目次】

パート主婦が知っておきたい年末調整の基本
・そもそも年末調整とは?
・扶養の範囲内なら年末調整は関係ない?
・年末調整ではなく確定申告が必要になる場合

パートの年末調整に必要な書類と書き方
・「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書き方
・「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の書き方
・「給与所得者の保険料控除申告書」の書き方

パートでも年末調整ではなく確定申告が必要になるケース
・掛け持ちパートの場合
・パート以外の副業をしている場合
・年の途中で退職した場合

パートも年末調整の対象!手続きをスムーズに進めよう




■パート主婦が知っておきたい年末調整の基本

■パート主婦が知っておきたい年末調整の基本
そもそも年末調整とは?
年末調整とは、正社員・パートにかかわらず、勤務先から雇用されている給与所得者の所得税を正しく計算し直すための手続きです。

勤務先は毎月の給与・賞与から、あらかじめ所得税を天引きしていますが、この金額は就業契約に基づく概算です。
実際に残業が発生して給与が増えている場合、個人で支払っている保険料や住宅ローン、勤務先以外から得ている収入があった場合などは、毎月の所得税に考慮されていません。

1年間の給与額が確定する年末のタイミングで、過不足を正しく反映した所得税額に調整するための手続きが年末調整です。

パートでも「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出していて、1年を通じて勤務している人や、年の途中で入社して年末時点でも勤務している人は年末調整の対象になります。


扶養の範囲内なら年末調整は関係ない?
配偶者の扶養の範囲内で働いている方でも、1年を通じて会社などに勤務している場合には、基本的に年末調整の対象となります。ただし、生命保険料控除などの書類を出しても戻ってくる金額はないので、必要事項のみを記入して提出すれば問題ありません。

一方、年間を通した収入が123万円以下の扶養内であっても、「代替出勤でシフトが増えて給与が増え、所得税を天引きされた」というような月がひと月でもある場合には、年末調整でお金が戻ってくることがあります。
1か月の賃金(通勤費や残業代を含まない金額)が月に8万8千円を超えると、所得税が一旦天引きされます。しかし、1年トータルの収入が123万円以下であれば、払いすぎた分が戻ってくるという仕組みです。

繁閑の差が激しい業界で働いている場合、繁忙期はシフトを増やして普段より稼いだけれど、閑散期は多く休み、年間所得としては扶養内に収まった、という方もいるのではないでしょうか。

扶養内だからといって書類提出を怠ると、本来受け取れるはずの還付金を逃してしまう可能性があります。会社から書類を渡されたら、期限までに提出しましょう。

以下の記事では、扶養の壁について詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
扶養の壁とは?年収別の影響や損しない働き方を解説


年末調整ではなく確定申告が必要になる場合
扶養内で働く場合でも、確定申告が必要なケースがあります。それは企業に所属していない業務委託やフリーランスの方です。
年末調整は「雇用先から給与を得ている給与所得者」が対象となる制度のため、雇用先がいない個人事業主には適用されません。その代わりに個人で確定申告を行い、自身で支払う税額を確定させる必要があります。

それ以外にも、年末調整が始まる前に退職して12月時点で無就業の方、複数の雇用先から給与所得を得ている方、副業収入がある方などは、確定申告が必要になる場合があります。



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■パートの年末調整に必要な書類と書き方

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書き方
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、年末調整を受ける「すべての人」が提出する書類です。パート勤務で扶養範囲内の収入の場合、記入するのは書類上部の基本情報のみとなります。

【具体的な記入項目】
・氏名(フリガナ含む)
・個人番号(マイナンバー)
・住所または居所
・生年月日
・世帯主の氏名
・あなたとの続柄
・配偶者の有無

住所は郵便番号から正確に、生年月日は和暦で記入するなど、指示に従って丁寧に記載しましょう。扶養している家族がいる場合は、該当する欄への追加記入が必要になります。マイナンバーは、勤務先によって記入不要の場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。


「給与所得者の基礎控除申告書」の書き方
正式名称は「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書 兼 所得金額調整控除申告書」となっており、4つの申告書が1枚にまとまった書類です。
パート勤務の方は、まず基礎控除申告書の部分を記入します。
扶養内勤務をしている場合、配偶者控除等申告書や所得金額調整控除申告書の記入は不要です。


①給与所得の「収入金額」
・該当年(1月〜12月)の収入金額の合計
・受け取っていない12月分の給与を含めて概算で記入

②給与所得の「所得金額」
・①から給与所得控除55万円を差し引いた金額を記入

③給与所得以外の所得の合計額の「所得金額」
・給与以外の収入がある場合のみ記入
・収入金額ではなく、経費を差し引いた金額を記入

④本年中の合計所得⾦額の⾒積額
・②と③を合計した金額を記入

⑤控除額の計算、区分
・④の金額を判定欄に照らし合わせ、該当箇所にチェック
・該当するアルファベットを「区分Ⅰ」に記入

⑥基礎控除の額
・⑤で確認した基礎控除の額を記入


「給与所得者の保険料控除申告書」の書き方
「給与所得者の保険料控除申告書」は、生命保険料や地震保険料などの保険料控除を受ける場合に提出する書類です。
提出が必要な場合、毎年10月末ごろになると加入会社から納付状況を証明するはがきや封書が送られてきますので、しっかり保管じておきましょう。

保険料控除を受けない場合、または扶養内でパートをしている場合、基本的に提出は不要ですが、会社によっては提出を求められるケースもあるため、まずは勤務先に確認しましょう。

生命保険料控除や地震保険料控除を受ける場合は、保険会社から届く控除証明書をもとに必要事項を転記します。社会保険料控除では、給与天引き以外で支払った国民年金保険料などを記入します。



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■パートでも年末調整ではなく確定申告が必要になるケース

■パートでも年末調整ではなく確定申告が必要になるケース
掛け持ちパートの場合
複数のパート先で働く場合、年末調整は最も収入が多い職場で行います。扶養控除等申告書は、1つの職場にしか提出できないためです。
主たる勤務先以外の職場からは源泉徴収票を受け取り、掛け持ち先の給与収入やその他の所得の合計が「年間20万円」を超える場合は確定申告が必要になります。

各職場から発行される源泉徴収票は大切に保管し、必要に応じて税務署への相談も検討しましょう。特に近年は、給与明細のデジタル化などが進んだことで、源泉徴収票も必要な人は自分でシステムから印刷するなど、必ず会社から配られるわけではない職場もあります。
複数の収入源がある場合は、早めの準備が重要です。


パート以外の副業をしている場合
給与所得を得ている場合、パート以外の副業による所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。
副業収入とは、例えば業務委託による在宅ワークや、フリマアプリでの販売収入、不動産収入などが該当します。

この場合の所得とは、得られた収入から収入を得るためにかかった必要経費を除いた利益のみを計算します。例えば、20万円の報酬を得ていても、その報酬を得るためにかかった交通費や飲食代が1万円あれば、所得は19万円です。
正確な所得の計算のため、関連するレシートや領収書はしっかり保管しておくようにしましょう。

これらの収入は一般的に雑所得として扱われるため、パート先での年末調整とは別に自分で申告する必要があります。副業収入の所得区分に迷った場合は、税務署に確認しておきましょう。
なお、事業所得として認められれば、青色申告特別控除を受けられる可能性もあります。

パートでお仕事をしながらフリマアプリを活用している場合、確定申告の必要性について迷われている方もいるでしょう。以下の記事でご確認いただけますので、よければご覧ください。
フリマアプリの売り上げ、確定申告は必要!?


年の途中で退職した場合
年の途中で退職した場合、12月時点で会社に在籍していなければ年末調整は行われません。
退職までに給与から天引きされた所得税は、先述の通り、年間所得の予想をもとに計算されているため、退職や休職で年始の予想通りに所得が得られなかった場合には「徴収しすぎ」というケースも発生します。自分で確定申告を行えば、一部が還付される可能性が高いでしょう。

確定申告には退職時に受け取った源泉徴収票が必要になるため、必ず保管しておきましょう。確定申告の期間は翌年2月16日から3月15日までで、この期間内に税務署で手続きを行います。
還付申告は翌年1月1日から5年間受け付けているため、申告期間を過ぎても手続き可能です。



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■パートも年末調整の対象!手続きをスムーズに進めよう

年末調整は今年一年を振り返ってどれくらい働いたのか、来年以降はどれくらい働くのかを見直す絶好のチャンスです。
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