税理士試験の独学合格は難しい?合格のポイントや勉強法を紹介

  1. アカナビトップ
  2. ブログ一覧
  3. 税理士試験の独学合格は難しい?合格のポイントや勉強法を紹介

税理士試験の独学合格は難しい?合格のポイントや勉強法を紹介

「税理士になりたいけど、予備校に通う余裕はない...」「独学で本当に合格できるの?」そんな不安を抱えていませんか?

税理士試験は高い難易度で知られ、令和6年度の合格率は16.6%でした。独学での挑戦は、確かに容易な道のりではありません。
この記事では、税理士試験の難易度や独学が難しいといわれる理由をふまえ、独学合格に向けた具体的なステップと効率的な勉強法を紹介します。

【目次】

税理士試験の独学合格は可能なのか?
 ・合格率の違いでわかる税理士試験の難易度
 ・税理士試験合格に必要な科目数と勉強時間
 ・税理士試験の独学合格が難しいといわれる理由

税理士試験の独学合格に必要なこと
 ・科目選択を最適化する
 ・学習の順序を決める
 ・自分に合ったテキストを選択する
 ・学習のモチベーションを維持する

税理士試験に独学合格するための勉強方法3選
 ・「計算」「理論」のバランスを意識する
 ・過去問を効果的に使う
 ・時間を計りながら勉強する

税理士試験の独学合格は困難|ライフスタイルに合った学習方法を取り入れよう


■税理士試験の独学合格は可能なのか?

■税理士試験の独学合格は可能なのか?
税理士試験は国家資格の中でも特に難関とされており、独学の現実は決して甘くありません。ここでは税理士試験の実態をもとに、独学合格の具体的な課題を解説します。


合格率の違いでわかる税理士試験の難易度
税理士試験の難易度を、客観的に示すのが合格率です。

年齢別・学歴別の合格率を見ると、25歳以下の若年層では約32%の合格率に対し、41歳以上では約8%まで低下します。これは年齢が上がるにつれ仕事と勉強を両立せざるを得ない人が増え、独学で挑戦する社会人にとって厳しい現実を示しています。
また、令和5年から会計科目に関しては受験要件が撤廃され、大学在学中の受験も可能になりました。在学中受験者の合格率は約26%である一方、大学卒は約15%と大きな差があり、これも勉強時間の確保しやすさや、学習環境が合否に影響していると考えられます。

税理士試験を独学で目指す場合、特に働きながら挑戦する方は、スキマ時間の活用と集中できる環境づくりが合格への鍵となります。


税理士試験合格に必要な科目数と勉強時間
税理士試験合格には、会計学2科目と税法3科目の計5科目に合格する必要があります。科目選択によって勉強時間は異なりますが、合計で1800~1950時間程度の学習が必要です。
これは平日2時間、週末は1日6時間のペースで勉強することが出来れば、理論上は2年程で到達する計算になりますが、実際には2年以内に合格することは極めて困難だといわれています。

税理士試験の具体的な勉強時間は、以下の記事で解説していますので、計画の参考にしてみてください。
税理士試験合格に必要な勉強時間とは?科目選択のコツや勉強法を解説


税理士試験の独学合格が難しいといわれる理由
税理士試験の独学合格が難しいとされる理由は主に3つあります。


税理士試験科目に関する市販テキストは多数ありますが、毎年の法改正への対応が難しいことが挙げられます。
出版までのタイムラグを考慮すると、市販テキストはおよそ1年前の税法に基づいていることが多く、最新の税法改正は独自で収集、変更点を対応する必要があります。

2.学習法の問題
適切な学習方法やコツを、自力で模索しなければなりません。5科目合格に必要な学習時間の目安は1800~1950時間と膨大で、計画的に進めていかないとずるずると長引いてしまいます。
さらに、税務経験や簿記知識の有無によって最適な学習順序も変わりますが、それの設計も自分で行わなくてはいけません。

3.モチベーションの問題
税理士試験は一度の受験で全科目合格は難しく、数年単位の継続した学習期間が必要です。必要とされる時間を頑張って勉強したとしても不合格になる年もあるでしょう。
働きながら学習時間を確保し、不合格の年があってもチャレンジするモチベーションを保ち続けることは容易ではありません。


▶▶アカナビで求人を見てみる

■税理士試験の独学合格に必要なこと

■税理士試験の独学合格に必要なこと
科目選択を最適化する
税理士試験の選択科目は、勉強のモチベーションを保つために将来のキャリアビジョンに必要な科目や、身に付きやすい実務に関連のある科目など、各科目の特性と自分の経験・知識・将来との関連性を考慮することが大切です。

各科目の勉強時間は、試験範囲の広さを表しています。たとえば「酒税法(150~200時間)」「国税徴収法(150時間)」などは、比較的範囲が限定的です。しかし、範囲の狭さと試験の難易度に関連性はありません。試験範囲の狭い科目ほど、ライバルとなる受験者の完成度も高いためです。
また、勉強時間が比較的少なくて済むとミニ税法と呼ばれる分野は、実務で活かせる場面も限定的です。「税理士資格を取ること」をゴールにせず、将来どういう税理士になりたいのか、どの分野で活躍したいのか、自身のキャリアを考えた選択をしましょう。

必須科目である会計科目の学習法については、以下の記事で詳しく解説しています。
簿記論は独学で合格できる?税理士試験合格へに向けて勉強のコツを解説
税理士試験の財務諸表論は独学で合格できる?


学習の順序を決める
税理士試験の効率的な合格を目指すなら、学習順序を適切に決めることが重要です。

まずは必修科目であり、会計の基礎となる簿記論と財務諸表論から始め、その後税法科目に進むことが一般的です。簿財をクリアすることで、税法科目の学習がスムーズに進みます。
学習の期間は、自分の環境に合わせて検討するとよいでしょう。モチベーションの維持や、簿財の知識を税法科目に活かす観点から、3年~5年計画で組み立てることをおすすめします。


自分に合ったテキストを選択する
独学で税理士試験に挑戦する場合は、テキスト選びも重要です。まずは、教科書と問題集を同じシリーズで統一しましょう。同シリーズであれば相互参照が容易で、学習効率が格段に上がります。

テキストと、自分の学習スタイルとの相性も重要です。文章を読むのが苦手な方は図解が多いもの、理解を深めたい方は文章で詳しく解説されたものが適しています。大手予備校が出版する、税理士試験用テキストを選ぶと安心です。
また、基礎が不安な方はいきなり税理士試験用の会計学テキストに取り組むより、まず簿記2級のテキストで復習を兼ねた基礎固めをすることも効果的な戦略です。

なお、テキストは最新版を購入しましょう。税法は頻繁に改正されるため、古い情報では試験に対応できません。


学習のモチベーションを維持する
税理士試験の独学で最も難しいことは、長期にわたるモチベーション維持です。1科目の合格に必要な勉強時間は数百時間に及び、全5科目となると数年を要することが一般的。

やる気を維持するために、一週間あたりの勉強時間目標を設定し、解き終わったテキストやノートを保管しておくなど、日々の学習の軌跡を「見える化」することをおすすめします。
「これだけやった」という実績は、本番の試験でも自信を与えてくれるでしょう。

また、生活基盤が整うのであれば、会計事務所や税理士法人でパート・アルバイトとして働きながら学習することも選択肢です。税理士の補助業務を通じて仕事のやりがいを体感しながら、勉強で得た知識を実務で活かすことができます。

試験合格をゴールとせず、税理士として活躍する姿を常にイメージし、日々淡々と勉強を続けることが、独学合格への近道となります。


▶▶アカナビで求人を見てみる

■税理士試験に独学合格するための勉強方法3選

「計算」「理論」のバランスを意識する
税理士試験における多くの科目は「計算問題」と「理論問題」の両方を、限られた試験時間内でこなす必要があります。

計算問題は日商簿記1級レベルの難易度があり、特に簿記論ではスピードが求められます。一度できるようになっても、試験当日まで継続的な練習が欠かせません。
税理士試験に持ち込める電卓は規格が決まっておりますので、試験勉強中から使用することで、本番も慣れ親しんだサイズ、配列の電卓を持ち込めると、ケアレスミス防止にも役立ちます。

一方、理論問題は単なる暗記ではなく深い理解が必要です。税法の基本的な考え方をしっかり理解し、素早くアウトプットできる状態に持っていかなければなりません。
理論は計算がうまくいかなかった際に得点を支える重要な要素です。覚えたことを言葉や文章で説明する練習として、家族や友人などに協力を仰ぎ、日ごろから覚えた税法を説明する機会を作ると良いでしょう。

税理士試験独学での成功には、各科目の特性を理解した上で、計算と理論のバランスの取れた学習を継続することが重要です。


過去問を効果的に使う
過去問は、税理士試験を独学合格するためには欠かせない教材です。効果的に活用することで出題傾向や難易度を把握でき、どの問題に時間をかけるべきか判断できるようになります。

過去問を解くことで得られる大きなメリットは以下のとおりです。

・知識をアウトプットする訓練ができる
・時間配分や解答順の練習ができ、本番での戦略が立てられる
・難問と奇問を見分ける目が養われ、捨てるべき問題を判断できるようになる

ただし、法改正により使えなくなった問題がある点には注意が必要です。出版社や予備校のHPなどに、税法改正による模範解答差し替えのお知らせなどが出ていることもありますので、自身でニュースをチェックするのと合わせて確認するとよいでしょう。


時間を計りながら勉強する
試験は限られた時間内で多くの問題に対応する必要があるため、日頃から時間感覚を養うことが重要です。
問題を解く時だけでなく、テキストを読む際にも「1時間で〇ページ」などの目標を設定し、タイマーを使って計測しましょう。時間を計って勉強することで自分の学習パターンが見えてきます。
「集中力が30分しか続かない」と分かれば、30分勉強して5分休憩するリズムを作るなど、効率的な学習方法を見つけられ、時間のムダがなくなります。

特に簿記論や財務諸表論のような計算科目では、時間を意識した練習が本番での時間配分に直結します。今日から時間を意識した勉強を始めてみましょう。


▶▶アカナビで求人を見てみる

■税理士試験の独学合格は困難|ライフスタイルに合った学習方法を取り入れよう

税理士は、最難関国家資格の一つです。独学で試験に合格することは困難ですが、自身の課題と傾向を把握し、効率的な学習を長期間継続することで進めていく事が出来ます。

働きながら試験合格を目指す場合は、税理士事務所や会計事務所に勤務することも一つの方法です。税理士の補助業務を通じて得られる知識は、試験勉強にも役立つこと間違いなし。ライフスタイルに合った学習方法を取り入れて、夢の実現へ一歩ずつ歩んでいきましょう。

アカナビでは、試験勉強と両立しやすい時短勤務求人も多数掲載中!
税理士の仕事を身近に体感出来る税理士事務所で働きながら、試験勉強を続けてみませんか?是非チェックしてみてくださいね!
▶▶アカナビで求人を見てみる