子供の中学受験、親は何が大変なの?

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子供の中学受験、親は何が大変なの?

今年ももう3月。お子さんがいる方は卒業・卒園のシーズンですね。お子さんの状況に合わせて働き方を調整している親にとっては、働ける時間や曜日を見直す時期でもあります。

小学校入学のタイミングで時短勤務の制度が終了となったり学童に落ちてしまったりという「小1の壁」は耳にすることが多くなってきましたが、働き方を見直すタイミングは他にもいろいろあります。
最近では首都圏を中心に中学受験をするご家庭が増えていますが、勉強するのは子供なのに親の働き方に影響なんてあるの?と思う方も多いのではないでしょうか。

働いている親にとって子供の中学受験はどんなところが大変なのか、また子供のサポートのために仕事を辞める場合のメリットやデメリットを考えてみたいと思います。

■中学受験をする人はどれくらい?

ニュースなどで「中学受験をする子供が増えている」という話題はよく耳にしますが、実際にはどれくらいの人が中学受験をしているのでしょうか。身近にいないと実感しづらいですよね。

文部科学省が行っている学校基本調査(令和5年度)によると、私立に通う中学生の割合は全国では7.8%ほどですので、それほど多くはないように思えます。
文部科学省【令和5年度 学校基本統計結果の概要】

一方、東京都では私立中学に通う割合が19.8%とほぼ2割に達し、東大を始めとした国立大学が多い文京区や、富裕層の多い港区では40%を超えています。その他でも30%を超える区も多く、東京では中学受験がかなり一般的になっていることが分かります。
東京都教育委員会【令和5年度 公立学校統計調査報告書】

■中学受験に必要な親のサポートって?

中学受験が増えているとはいえ、勉強するのは子供なのに、何故親の仕事に影響するの?と思う方もいることでしょう。
大手進学塾の中学受験向けカリキュラムは小学校3年生の2月から本格的にスタートしますが、その数か月前から入塾テストやクラス分けテストなどが複数行われるため、中学受験をするなら3年生になる頃には決めた方が良いと言われているようです。
高校受験や大学受験と異なり、まだ幼い子供が自主的に勉強を進めるのは難しいため、学習面のサポートに加え、塾の時間に合わせた食事や送り迎えなどの生活面も親のサポートが不可欠となります。

・塾の送り迎え
通塾は3年生では週2回ほどですが、学年が上がるとともに回数が増えて週3~5回ほどになり、終了時間が21時を過ぎることもあります。行きは電車やバスを使って子供だけで通塾する場合でも、帰りの時間を考えると少なくとも自宅の最寄り駅までは迎えに行く必要があるでしょう。
長期休み中も講習や合宿、模試などもありますし、下に弟や妹がいる場合には寝かしつけなどのお世話もありますので、共働きの親にとってはかなりの負担です。

・お弁当(塾弁)の用意
帰りが遅くなるため夕食は塾の休憩時間に取る子が多く、その場合はお弁当を用意して持たせることになります。出社して働いている親の場合は朝のうちに塾用のお弁当を冷蔵庫に用意してから出勤したり、在宅勤務であれば自分の昼食ついでにお弁当の用意をしたり、といった工夫をしている人もいるようです。

・学習スケジュールの管理
塾に通っていても、当然学校は学校で授業があり、宿題もあります。
21時に塾が終わり、帰宅してお風呂に入ってから学校の宿題をやっていては、小学生に十分な睡眠時間を確保出来ません。塾と両立しながら学校で必要な勉強ができるよう、学校の宿題は塾の前に終わらせる、朝30分早起きをして学習に充てる、といったタイムスケジュールを親が考え、実行できるようにサポートする必要があります。

・学習内容の取捨選択
大手塾の宿題はすべてこなすのは難しいほどの量になることも。学校の宿題も把握した上で、自分の子供が今優先的にやるべきことを取捨選択し、教材を保管・管理するのは親の役割になります。

・精神面のサポート
周りも同じように受験生となることが多い高校受験と異なり、中学受験は受験しない友達が遊んでいる時間に勉強しなければならないため、モチベーションが下がったりストレスが溜まってしまったりすることはよくあるようです。
また、塾にはもともと勉強が出来る子たちが集まっていることもあり、頑張っているのになかなか成績が上がらず悩むこともあります。こうした時に子供の様子を見守りながら適切な声かけをしていくためには、親自身の心の余裕も必要です。
「子供の成績が伸びないのは自分のサポートが足りていないからではないか」と悩む親も多く、仕事を辞めることを検討する一因ともなっているようです。

・受験直前&試験期間はフルサポート
志望校を決めるための学校説明会や見学、受験願書の受け取りなどは平日に設定されていることが多く、親が仕事を調整する必要も出てきます。また、受験直前となる1月頃には勉強の追い込みや、インフルエンザや感染症から遠ざけるために小学校を休んで受験に備えるなど、家庭でのサポートが必要になるだけでなく、親からの病気の感染リスクにも注意が必要です。

東京の中学入試は2月1日に解禁され、5日までに終わる学校がほとんど。この間は午前、午後にそれぞれ試験が設定されており、同じ学校を何回か受験することも可能です。会場まで付き添い、午前の試験が終わったら午後の試験会場まで一緒に移動するなど、親は行動を共にすることになります。
多くの学校では受験当日か翌日には合否が発表されるため、その結果によって翌日の受験校を変更して出願したり、合格したら入学金を支払ったり制服を準備したりと、非常に慌ただしい数日間となります。

■子供のサポートのために仕事を辞めた方がいいのか?

日中仕事をしている親はどうしても子供と過ごす時間も短くなってしまうため、サポートを十分にできないのは仕事のせいと考えがちです。また、仕事で疲れてイライラしていると、精神的に寄り添うことが難しいこともあるでしょう。

時間と気持ちの余裕を考えると仕事を辞める選択もあるかもしれません。ただ、塾の費用以外にも入学した後の学費、様々な備品や学校行事にかかる費用を考えると、中学受験には相当な金銭的負担がかかります。
仕事を辞めて一時は時間と気持ちの余裕を手に入れても、その後お金の余裕が持てなくなると、やはり気持ちの余裕もなくなってしまいますし、せっかく子供が志望校に入学出来ても、留学や部活など、金銭的な問題でやりたい事を十分にさせてあげられないかもしれません。仕事を辞めても問題がないのかはよく考える必要があります。

どうしても今のまま働きつづけるのは難しい場合、一時的に正社員からパートに切り替える、現在パート勤務なら一時的にシフトを減らしたり在宅勤務メインにしてもらったりといった相談を会社にしてみてもよいでしょう。どのみち、これがダメだったら続けられない(辞めるしかない)のであれば、聞くだけ聞いてみた方がお得です。
仕事をしていた方が子供のことで頭がいっぱいにならず、適度に気分転換ができた、という人もいますし、親が仕事を辞めることで子供が責任やプレッシャーを感じてしまう可能性もあります。「やれることは全てやったうえでこの選択をした」と、自分にも子供にも言えるようにしておいて損はありません。

共働きで中学受験する子供を支えるのは簡単ではありませんが、夫婦で役割分担する、親の負担が少ない塾を選ぶ、お弁当は外注するなど、工夫で何とかなる部分もあるかもしれません。
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