税理士登録に必要な書類や費用は?流れや期間を初心者向けに解説

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税理士登録に必要な書類や費用は?流れや期間を初心者向けに解説

税理士試験合格後に税理士として活躍するためには、登録手続きを正しく行うことが第一歩です。登録申請をしようとすると、「何から始めれば良いのか」「費用はどれくらいかかるのか」「どんな書類が必要なのか」など疑問が次々と浮かんできます。

この記事では、税理士登録の全体スケジュールから必要書類、かかる費用まで、実務経験豊富な専門家の視点からわかりやすく解説します。これから税理士登録を控えている方は、ぜひ参考にしてください。


【目次】

税理士登録の全体の流れ
 ・提出書類の準備
 ・税理士会との面接
 ・登録通知を受ける

税理士登録に必要な書類
 ・税理士登録に必須の提出書類一覧
 ・申請書類の提出前チェックリスト

税理士登録に必要な費用
 ・登録時にかかる費用
 ・税理士資格を維持するための費用
 ・費用を支払ってでも税理士登録すべき?

税理士登録の準備には十分な時間を確保しよう


■税理士登録の全体の流れ

■税理士登録の全体の流れ
税理士試験に合格して必要な実務経験を経たら、いよいよ税理士登録から開業へと進む段階です。
登録までの条件や道筋については以下の記事で詳しく解説していますので、今一度確認しておきましょう。
税理士になるには?押さえるべき最短合格の戦略と実務経験の積み方
税理士登録に必要な実務経験とは?正しい経験の積み方と転職に有利な実務経験を紹介

ここでは、税理士試験合格後の書類作成から、登録完了までの大まかな流れを解説します。この全体スケジュールを把握しておくことで、スムーズに手続きを進められるでしょう。


提出書類の準備
はじめに、税理士登録の申請時に必要な提出書類を準備します。
登録申請に必要な書類には、税理士登録をする全申請者が提出する書類と、試験合格者・試験免除者が提出する書類があります。

日本税理士会連合会のホームページからダウンロードできる書類もあれば、役所や勤務先から取得しなければならない書類もあるため、必要書類の一覧は後述します。
平日に各所へ足を運んで取得しなければならない書類もあるため、書類準備には1ヶ月程度の時間を見積もっておくと安心です。リストを準備して漏れがないよう計画的に進めましょう。


税理士会との面接
税理士登録申請書類を提出すると、税理士会による「登録調査」が実施されます。この調査には面接が含まれており、所属予定の税理士会や支部で行われます。

面接の案内ははがきで通知され、日程は支部によって異なります。中には月に一度しか面接日を設けていない支部もあり、スケジュール調整が重要です。登録完了を早めたい方は、通知を受けたらすぐに対応しましょう。

面接の内容は、申請書類の確認、税理士になった動機や実務経験、今後の展望についての質疑応答などです。開業予定の場合は、事務所環境の実地調査も行われます。
この面接は落とすための試験ではなく、申請内容の事実確認が主な目的です。過度に緊張せず、質問に対して誠実に回答することを心がけましょう。


登録通知を受ける
税理士会との面接が完了したのち、登録通知を受けるまでの期間は通常2〜3ヶ月程度です。
登録通知を受け取るまでは税理士を名乗ることは出来ず、税理士業務も行うことはできませんので、名刺やホームページへの記載、事務所看板の設置などは控えましょう。

無事に審査をクリアすると「税理士登録通知」が届きます。通知とともに税理士証票伝達式の案内も同封されているので、日程を確認しておきましょう。証票伝達式では、税理士証票と税理士バッジを受け取ることができます。

一方で、登録が拒否される場合もあります。拒否理由としては、懲戒処分を受けている、報酬のある公職に就いている、国税の正しい納付を怠っていた、心身の状態が業務に適さないと判断される、税理士の信用・品位を害する恐れがあるなどが挙げられます。

登録が決定すると、正式に税理士として活動を開始できます。この後は、税理士登録から1年以内の税理士を対象とした「登録時研修」を受講することも必要です。


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■税理士登録に必要な書類

■税理士登録に必要な書類
税理士登録には多数の書類が必要です。提出書類の一覧と、提出前のチェックリストを紹介します。

税理士登録に必須の提出書類一覧

【全申請者が提出する書類】
税理士登録申請書
録免許税領収証書(6万円)
登録手数料(5万円)
写真3葉
身分証明書
資格を証する書面
履歴書
誓約書
税理士会会長宛の誓約書
直近2年分の確定申告書の一式
はがき(日本税理士会連合会所定のもの)

【試験合格者・試験免除者が提出する書類】(※は必須)
在職証明書※
在職証明書に係る印鑑登録証明書※
源泉徴収票または確定申告書のコピー※
税理士事務所(税理士法人)と会計法人の関係について
職務概要説明書
勤務時間の積上げ計算書
大学院通学状況説明書

税理士登録と合わせて開業予定の方は、「税理士(法人)事務所の設置に関する書類」もあわせて必要です。

すべての書類は税理士会が発行している「税理士登録の手引」に基づいて準備し、提出前に税理士会の最新情報を確認しておきましょう。書類の不備があると申請自体が受け付けられないためご注意ください。
「税理士登録の手引」


申請書類の提出前チェックリスト
【書式の形式・基本情報のチェック】
□指定の書式を使用しているか
□誤字脱字がないか
□日付・氏名・住所は正確か
□署名や印鑑の押印漏れがないか
□写真のサイズや形式は指定通りか

【添付書類のチェック】
□必要書類が揃っているか
□有効期限は切れていないか
□コピーは鮮明か
□申請書と添付書類の内容に矛盾がないか
□書類間で記載内容に相違がないか

税理士登録の申請書類では、不備があると審査の遅延や申請却下の原因となるため、提出前の入念なチェックが欠かせません。
記入例やマニュアルを十分に確認し、第三者にもチェックを依頼するとよいでしょう。


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■税理士登録に必要な費用

税理士登録には、様々な費用と手続きが必要となります。以下では「登録時にかかる費用」と「税理士資格を維持するための費用」について、金額の内訳を紹介します。

登録時にかかる費用
税理士登録時に発生する主な費用は、全国一律の「登録免許税6万円」「登録手数料5万円」、各地域の税理士会に支払う「入会金と年会費」です。
「入会金」は一律4万円ですが、年会費は地域によって若干異なり7万円~10万円程度です。また、地域の税理士会とは別に支部の年会費や建物の維持費などの特別費が発生することもあります。
入会する税理士会は、開業する事務所の住所によって決定します。東京のように支部が多いエリアでは、事前に支部ごとの費用や特色を調べておくことも必要でしょう。


税理士資格を維持するための費用
税理士登録後も、資格を維持するうえで継続的に費用がかかります。主な維持費は税理士会と支部の「年会費」ですが、特別な費用が掛かる場合もあります。

たとえば東京税理士会の場合は、維持費として毎年以下の費用が発生します。

・会費:8.1万円(入会月~年度末まで一括払い)
・会館建設費:2万円
・支部会費:3.6万円~6万円(所属する支部による)  合計14万円~16万円程度

これらの費用は、所属税理士であれば勤務先が福利厚生の一環として負担してくれるところも多くあります。


費用を支払ってでも税理士登録すべき?
税理士事務所でスタッフとして勤務し、税理士の独占業務を行わなければ、必ずしも税理士登録は必要ありません。
独立予定のない方や、家庭の事情でしばらく税理士業務を行えない方などは、煩雑な手続きを踏み、費用を負担してまで登録を行う必要性を感じられない方もいるでしょう。

しかし、税理士登録をしていなければ独立開業できません。また、資格を保有していた方が多くの事務所から求められやすい人材になることも確かです。
税理士の維持費(年間10〜16万円程度)は、他士業の維持費などと比べて特別高額というわけではありません。税務という重要な業務を担う専門家として、この費用は必要な投資と言えるでしょう。

さらに、税理士会に所属することにもメリットがあります。地域ごとの貴重な情報交換や人脈形成の機会が得られ、同業の税理士や税務署職員とのつながりを持つ機会も得られるでしょう。
横のつながりを作っておくと、自分の専門ではない分野の税法で相談が来た時や、他の士業領域への接続、採用や新しいシステムに関するなど、本業以外にも様々なところで情報を得るアンテナを広げられます。

税理士登録は、試験の合格者に必須で求められるものではありませんが、キャリアの選択肢を広げるうえで申請を行うことをおすすめします。


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■税理士登録の準備には十分な時間を確保しよう

税理士登録の手続きは、書類準備から税理士会との面接、登録通知まで段階的に進めていく必要があります。必要書類は多岐にわたるため、準備には十分な時間を確保しましょう。
手続きの各段階で不備が発生しないよう、所属予定の税理士会の規定を確認し、チェックリストを活用しながら慎重に対応することをおすすめします。

また、登録する必要があるかないかも含め、ご自身のキャリアを見つめ直すきっかけにもなるでしょう。
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