会計事務所に新卒で就職できる?メリット・デメリットや就活のポイントを紹介

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会計事務所に新卒で就職できる?メリット・デメリットや就活のポイントを紹介

税理士を目指して大学に進んだ学生さんの中には、新卒で会計事務所や税理士法人への就職を希望している方もいると思います。
しかし、新卒採用を行っている会計事務所は少なく、どうやって就活を勧めたらいいか迷っている方もいることでしょう。

本記事では、新卒で会計事務所を選ぶ際の現実的なメリット・デメリットを解説し、あなたの進路選択をサポートします。


【目次】

会計事務所は新卒でも就職できるのか?
・会計知識がなくても応募可能
・無資格OKの事務所もある
・新卒採用で有利に働く要素

新卒で会計事務所に就職するメリット・デメリット
・メリット1. 専門性の高いスキルが身につく
・メリット2. 様々な業種の経営者と関わる機会が多く、知見が広がる
・デメリット1. 税理士を目指す場合は長期的な努力が必要になる
・デメリット2. 繁忙期は労働環境が厳しくなる

会計事務所に新卒で就職するためのポイント
・自分に合った会計事務所を選ぶ
・志望動機で適切にアピールする
・面接でよく聞かれる質問を押さえておく

新卒で会計事務所を目指すなら、準備と情報収集がカギ




■会計事務所は新卒でも就職できるのか?

■会計事務所は新卒でも就職できるのか?
会計知識がなくても応募可能
会計事務所は専門的なスキルが必要というイメージがありますが、実は新卒や未経験でも就職できる職場です。特に平均年齢の高い税理士業界において若手は重宝されており、新卒はもちろん20代のうちは未経験でも全く問題ないことの方が多いでしょう。

ただ、その求人数は限られているため、内定を勝ち取るには専門知識があるに越したことはありません。就職前に簿記2級程度の資格はもちろん、税理士試験のうち、簿記論と財務諸表論は在学中から受験出来るので、それらに合格していると採用の可能性が高まります。
最近の会計事務所ではデジタル化が進んでいるため、クラウド会計ソフトやAIの活用スキルも大きなアピールポイントになるでしょう。


無資格OKの事務所もある
新卒募集をしている会計事務所には「資格不問」という職場も少なくありません。とはいえ、同じ年齢・似たような学歴・履修内容だった場合、資格は意欲や積極性の部分で差が付くポイントになりますので、就職において有効な武器となります。
学生が取得する最もメジャーな資格は簿記ですが、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)やビジネス会計検定なども、DX化が進む現在の会計業界においてはおすすめの資格です。

入社後の資格取得支援制度を設けている会計事務所も多く、特に新卒採用を行っている会計事務所は、税理士試験を中心に入社後のキャリアアップ・スキルアップをサポートする環境があることが多いでしょう。

税理士試験受験については、以下の記事で詳しく紹介しています。
税理士資格取得のための科目選択法:あなたに最適なプランは?


新卒採用で有利に働く要素
会計事務所への新卒採用では、いくつかのポイントを押さえることで有利に働きます。

まずは、資格取得への意欲と行動が重要です。
税理士資格は難関ですが、実際に受かっていなくても受験履歴があるだけで、会計業界で活躍したいという意志が伝わります。簿記2級が取得出来たら、 簿記の理解度を確認する・深める点でも一度チャレンジしてみても良いでしょう。

そして、実務経験も大きなアドバンテージになります。
新卒は基本的にどんな業種も未経験スタートのため、経験がなくてもマイナスにはなりませんが、会計事務所でのアルバイト経験があると採用面で優位に立てます。必修科目が減って平日に空き時間が出る大学3年生ごろから、未経験歓迎の求人を探して応募してみると良いでしょう。就活時のアピールだけでなく、「会計事務所の仕事は自分に合うのか」という体験が出来ることもメリットです。
事務所によっては、卒業後にそのまま正社員として採用するというルートもあり得ます。
会計事務所には少ないですが、インターンシップを取っているところもあります。興味ある方は是非チェックしてみてください。
インターンシップって何をしたらいい?

また、継続的な学習意欲を示すことも大切です。
会計業界では、毎年の税法改正により、一度資格を取得した後も継続的な勉強が必要な業界です。専門知識だけでなく、常に学ぶ姿勢や成長意欲を持った人材を求めています。
先述の資格取得という形で示すことも一つですが、合否に関わらず勉強を継続しているという姿勢そのものがアピールポイントになります。


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■新卒で会計事務所に就職するメリット・デメリット

メリット1. 専門性の高いスキルが身につく
会計事務所に就職する最大のメリットは、専門性の高いスキルを若いうちから身につけられる点です。実務経験と資格学習が連動するため、税理士資格取得へのモチベーションも高まるでしょう。
平均年齢が60代といわれる税理士業界で、20代・30代の若手の税理士は全体の数%しかおらず、大変希少です。新卒から会計事務所に就職して早期の税理士資格取得を目指した動きをすることで、その後の独立・転職の選択肢の幅が大きく広がります。


メリット2. 様々な業種の経営者と関わる機会が多く、知見が広がる
会計事務所ではさまざまな業種・規模のクライアント企業の会計処理に携わるため、幅広い業界・業種の知識と経験を習得できます。
クライアントである経営者と直接対話する機会も多く、経営に関する知識や他業種に関する知見など、コミュニケーション能力や提案力も高めていく事が出来るでしょう。
また、会計事務所は会社経営に関わる士業の中でも特に接触回数が多いため、会計税務以外にも、採用関連や就業規則、保険や融資など、専門外の様々な領域の相談窓口になることも多くあります。他の専門家につないだりアドバイスをしたりするにしても、誰に相談したらいいか、どこのサイトを調べたらいいか、ある程度の知識が必要です。必然的に、会計経理に近い関連業務の知識も身につけていくことになるでしょう。


デメリット1. 税理士を目指す場合は長期的な努力が必要になる
新卒で会計事務所への就職を目指す方の中には、将来的に税理士を目指したいとお考えの方が多いでしょう。しかし、税理士は最難関の国家資格の1つ。試験合格率は科目によって異なりますが、税理士試験の総合合格率は約16.6%でした(令和6年度試験結果より)

税理士資格取得には、5科目の試験科目への合格か、一部科目合格の上で大学院を修了するなど、多くの受験生は合格までに5年以上かけるのが一般的で、仕事と勉強の両立は容易ではありません。特に確定申告シーズンなどの繁忙期には勉強時間の確保が難しく、資格取得の道のりは長く険しいものとなります。
税理士試験を見越して会計事務所を選ぶ場合は、試験休暇制度の有無や資格取得支援体制を確認することが重要です。

税理士試験については、以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。
税理士試験合格に必要な勉強時間とは?科目選択のコツや勉強法を解説


デメリット2. 繁忙期は労働環境が厳しくなる
会計事務所の繁忙期は、労働環境が厳しい可能性があります。
特に確定申告シーズン(2~3月)には約4割の事務所で月45時間以上の残業が発生し、休日出勤も珍しくありません。特に個人事業主の顧客が多い事務所では11月の年末調整から3月まで繁忙期が続き、労働時間が大幅に増加します。

一方で、閑散期とされる6月~11月あたりは定時で帰れたり長期休みも取りやすかったりと、良くも悪くもメリハリが多い環境です。
会計事務所に新卒就職する際は、繁忙期の労働環境について事前に確認し、自分のライフスタイルやキャリア目標に合った事務所を選ぶことが重要です。


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■会計事務所に新卒で就職するためのポイント

■会計事務所に新卒で就職するためのポイント
自分に合った会計事務所を選ぶ
会計事務所選びでは、自分のキャリア目標や働き方に合った事務所を見つけることが重要です。

まずは、事務所の規模による違いを理解しておきましょう。大規模事務所は、多様な業種のクライアントを抱えています。専門部署が分かれているため、特定分野のエキスパートを目指したい方に最適です。一方、小規模事務所ではオールラウンドな知識が身につき、所長と直接関わる機会も多くなります。
詳しくはこちらの記事もご参照ください。
大手会計事務所と個人会計事務所の業務の違い

ある程度候補を絞ったら、年間休日数や残業の状況、税理士試験との両立サポート体制などを比較しましょう。特に試験休暇制度の有無は、税理士を目指す方にとって重要な判断材料となります。
さらに、事務所の得意分野と自分の目指す方向性が一致しているかも重要です。
相続税に強い事務所、法人税務に強い事務所など、特色はさまざまです。自分の将来像を描き、それに合った環境を選ぶことが、会計事務所での新卒キャリアを充実させるカギとなります。

以下の記事では、税理士事務所と会計事務所の違いについて解説しています。よろしければご覧ください。
税理士事務所と会計事務所の違いとは?選び方のポイント徹底解説


志望動機で適切にアピールする
新卒での会計事務所への就職では、適切なスキルアピールと志望動機の作成が重要です。
会計事務所が新卒社員に求めるのは、専門知識よりも学ぶ意欲や適性です。志望動機を作る際は、まず以下の3点を明確にしましょう。

・なぜ会計業界を選んだのか
・その中で、この会計事務所のどこを魅力に感じたのか
・将来のキャリア目標は何か

これらの動機に一貫性を持たせ、会計知識をゼロから学ぶ意欲を示すことが大切です。面接時点で特別な資格や経験はなくても問題ありませんが、キャリアプランを聞かれることもあるので、業界や試験について事前の情報収集はしっかり行いましょう。もちろん、簿記2級や1級を合格している、学生のうちに税理士試験を受験したなどは、「学習意欲がある」という分かりやすい指標としてアピールポイントになります。

会計事務所ごとに求める人材像は異なるため、事前に事務所の特色を調査し、自分の価値観との一致点を見つけることも重要です。志望動機はテンプレートの使い回しではなく、各事務所に合わせたオリジナルの内容にすることで、熱意が伝わりやすくなります。


面接でよく聞かれる質問を押さえておく
会計事務所の面接では、以下のような質問がよく聞かれます。

・「自己紹介をお願いします」
・「なぜ会計事務所を志望するのですか」
・「他にどんな事務所を受けていますか」
・「将来の目標は何ですか」
・「税理士資格取得の意思はありますか」
・「仕事と資格勉強の両立をどう考えていますか」

学生時代に力を入れたことや得意な科目、会計との出会いなどを、将来のビジョンにつなげて語ることを意識しましょう。
特に資格取得に関する質問は頻出です。目指す場合は、具体的な勉強計画や時間管理の工夫まで伝えると好印象を与えられます。

面接最後の「何か質問はありますか」では「特にありません」と答えるのは避け、「税理士試験と仕事を両立されている先輩について」「入社後のキャリアパスについて」など、事前に準備した質問をすることで、入社への熱意をアピールできます。会計事務所に新卒就職を希望する方は、十分に質問対策をしておきましょう。


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■新卒で会計事務所を目指すなら、準備と情報収集がカギ

会計事務所への就職は、新卒未経験でも目指せます。ただ、一般企業のように「新卒採用」と銘打たれていないことも多く、新卒向けの求人サイトでは十分な情報が集まらない可能性があります。
様々な求人サイトや会計事務所のHPをチェックして、「新卒」と書かれていなくても未経験から応募出来る求人もチャレンジしてみましょう。

会計事務所はなかなか普段の生活で触れることのない業界のため、働いてみて分かる実態や、想像と違うと感じるギャップもあるかもしれません。学生アルバイトが出来る機会があれば、是非積極的に応募して、将来のキャリアプランや会計事務所選びに活用してみましょう。

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