大手会計事務所と個人会計事務所の業務の違い
2020年、コロナ禍で多くの業種が営業自粛や活動制限を余儀なくされた中、会計業界は数少ない「コロナ禍の影響が少ない業種」でした。
事業を運営している限り経理の仕事はなくなりません。コロナ関連の緊急補助金なども多く発布され、むしろ平時より忙しかったという声すらありました。
そうした背景もあってか、コロナ禍以降は他業種、特に非常時に大きく影響を受けた業界から会計業界にキャリアチェンジしたいという転職者は、キャリアの先が長い20代を中心に大きく増えています。
しかし、一般企業から会計事務所にキャリアチェンジをしようとする際、知っておかないと「こんなはずでは…」と思ってしまうような環境の違いがいくつもあります。
例えば、会社規模です。
一般企業では大手企業というと、従業員が何千人、何万人といるところも珍しくありませんが、会計業界の最大手のBIG4(ビッグフォー)と呼ばれる4大税理士法人でさえ、日本法人は1000名前後の規模です。
100名を超えると「大規模法人」と呼ばれるようになり、日本全国でも数えられる程の件数しかありませんが、一般企業だと中小企業と呼ばれる珍しくもない規模感です。
資格を用いて限られた業務内容を扱う事業の特性上、1社あたりの規模感はさほど大きくはならず、業界ならではのルールや環境があります。
今回は、会計事務所の規模感とその働き方の違いについて解説します。
事業を運営している限り経理の仕事はなくなりません。コロナ関連の緊急補助金なども多く発布され、むしろ平時より忙しかったという声すらありました。
そうした背景もあってか、コロナ禍以降は他業種、特に非常時に大きく影響を受けた業界から会計業界にキャリアチェンジしたいという転職者は、キャリアの先が長い20代を中心に大きく増えています。
しかし、一般企業から会計事務所にキャリアチェンジをしようとする際、知っておかないと「こんなはずでは…」と思ってしまうような環境の違いがいくつもあります。
例えば、会社規模です。
一般企業では大手企業というと、従業員が何千人、何万人といるところも珍しくありませんが、会計業界の最大手のBIG4(ビッグフォー)と呼ばれる4大税理士法人でさえ、日本法人は1000名前後の規模です。
100名を超えると「大規模法人」と呼ばれるようになり、日本全国でも数えられる程の件数しかありませんが、一般企業だと中小企業と呼ばれる珍しくもない規模感です。
資格を用いて限られた業務内容を扱う事業の特性上、1社あたりの規模感はさほど大きくはならず、業界ならではのルールや環境があります。
今回は、会計事務所の規模感とその働き方の違いについて解説します。
■個人事務所の特徴
会計業界の9割はこちらに分類され、スタッフ1名~10名くらいの規模だと個人事業主、10名を超えてくると法人化しているところが増えてきます。
ただ、「税理士事務所」が「税理士法人」に成る条件は、税理士有資格者が2名以上、社員として所属していること。極端な話、従業員が代表税理士と社員税理士の合計2名のみで税理士法人に成ることも可能です。
逆に、複数の税理士を含む従業員が30名いても個人事務所のままでいることも可能なため、税理士法人になっている=人数が多いという訳ではない点にご注意ください。
・良くも悪くも「自由度が高い」
個人会計事務所のメリットとしては、スタッフの人数が少なくお互いの事情を把握しやすいので、制度として明文化されていないことも心理的に個別検討がしやすくなります。
例えば、子育てのために在宅勤務を活用したい、専門学校通学のために時短にしたい等、個人の事情を事情を鑑みた、いわゆる「特別扱い」が受け入れられやすくなります。
代表のみで採用を行っているケースも多いので、キャリア志向や性格も似た方が集まりやすく、その点でも仲間意識が生まれやすい環境です。
一方、少人数だからこそ業務の進め方や働き方を代表の一存やスタッフ間の信頼に任せている事も多く、そのため就業規則が定められていない、明確な昇給や昇格の規定がない、業務の属人性が高くブラックボックス化しやすい事などは、「自由度が高い」ことのデメリットになる面です。
就業規則は常時10名以上の従業員の雇用が発生すると作成が義務となるため、大抵は人数が増える過程で整えられていきますが、それはつまり「働いている最中にどんどんルールが変わる」という意味でもあります。
自分たちで制度を整えていくことや、新しい事を楽しいと思えない方は、辛い環境かもしれません。
・個人事務所の業務内容
業務内容としては、スタンダードな法人顧問業務が中心となり、顧問先の規模感もスタートアップから数十億規模の中小企業まで様々です。
業務も1から10まで関わることになる担当制のことが多いため、会計事務所で行う業務全体の流れをきちんと経験することができ、未経験から会計事務所にチャレンジする方にとっては、基礎的な知識や経験・業務の全容を掴むにはぴったりです。
一方、先述の通りルールが定まっていないところも多いため、どのように仕事を教えてもらえるのか、どんな研修や育成計画があるのかは、面接で十分に確認した方がよさそうです。
また、個人の会計事務所の中には、法人顧問の中でも医療や美容など特定の業種に特化をしている、スタートアップや個人事業主など特定の規模感に特化をしているなど、差別化の手段として顧客を絞っていることがあります。
自分が目指したい、経験したい領域はどこなのか、あらかじめ考えたうえで会計事務所の特徴を見て行かないと、ミスマッチに繋がってしまいます。
業種や規模感でどう違うのか、自分が何をやりたいのかがハッキリしない時は、法人顧問業務を幅広く請け負っているところを選ぶと、その後のステップにも汎用性が高く役に立つ経験になります。
ただ、「税理士事務所」が「税理士法人」に成る条件は、税理士有資格者が2名以上、社員として所属していること。極端な話、従業員が代表税理士と社員税理士の合計2名のみで税理士法人に成ることも可能です。
逆に、複数の税理士を含む従業員が30名いても個人事務所のままでいることも可能なため、税理士法人になっている=人数が多いという訳ではない点にご注意ください。
・良くも悪くも「自由度が高い」
個人会計事務所のメリットとしては、スタッフの人数が少なくお互いの事情を把握しやすいので、制度として明文化されていないことも心理的に個別検討がしやすくなります。
例えば、子育てのために在宅勤務を活用したい、専門学校通学のために時短にしたい等、個人の事情を事情を鑑みた、いわゆる「特別扱い」が受け入れられやすくなります。
代表のみで採用を行っているケースも多いので、キャリア志向や性格も似た方が集まりやすく、その点でも仲間意識が生まれやすい環境です。
一方、少人数だからこそ業務の進め方や働き方を代表の一存やスタッフ間の信頼に任せている事も多く、そのため就業規則が定められていない、明確な昇給や昇格の規定がない、業務の属人性が高くブラックボックス化しやすい事などは、「自由度が高い」ことのデメリットになる面です。
就業規則は常時10名以上の従業員の雇用が発生すると作成が義務となるため、大抵は人数が増える過程で整えられていきますが、それはつまり「働いている最中にどんどんルールが変わる」という意味でもあります。
自分たちで制度を整えていくことや、新しい事を楽しいと思えない方は、辛い環境かもしれません。
・個人事務所の業務内容
業務内容としては、スタンダードな法人顧問業務が中心となり、顧問先の規模感もスタートアップから数十億規模の中小企業まで様々です。
業務も1から10まで関わることになる担当制のことが多いため、会計事務所で行う業務全体の流れをきちんと経験することができ、未経験から会計事務所にチャレンジする方にとっては、基礎的な知識や経験・業務の全容を掴むにはぴったりです。
一方、先述の通りルールが定まっていないところも多いため、どのように仕事を教えてもらえるのか、どんな研修や育成計画があるのかは、面接で十分に確認した方がよさそうです。
また、個人の会計事務所の中には、法人顧問の中でも医療や美容など特定の業種に特化をしている、スタートアップや個人事業主など特定の規模感に特化をしているなど、差別化の手段として顧客を絞っていることがあります。
自分が目指したい、経験したい領域はどこなのか、あらかじめ考えたうえで会計事務所の特徴を見て行かないと、ミスマッチに繋がってしまいます。
業種や規模感でどう違うのか、自分が何をやりたいのかがハッキリしない時は、法人顧問業務を幅広く請け負っているところを選ぶと、その後のステップにも汎用性が高く役に立つ経験になります。
■大手会計事務所の特徴
先述の通り、会計事務所では100名を超えるようなところは数えられるほどしかありません。会計業界の「大企業」的ポジションとして、この業界で働いていればどこかで名前を耳にしたことがあるような税理士法人が大半です。
・一般企業レベルに整った福利厚生と採用ステップ
大手と呼ばれる規模になるとほぼ間違いなく法人化しており、福利厚生や給与形態は一般中小企業と大差なく、採用や育成も含め、組織としての仕組みがある程度出来上がっています。
一般企業からの転職でも、よほどの大企業からの転職でない限り、職場環境としてあまりギャップなく馴染めることが多いでしょう。
採用に関するステップも、個人事務所のように代表の独断で決まることはほとんどありません。適性検査や筆記試験を行うところも増えるので、しっかりと事前準備が必要です。
ただ、ある程度の人数・年齢層の構成が出来上がっているため、年齢によっては未経験の採用枠がない、そもそも未経験採用は新卒入社のみということもあります。
キャリアチェンジでなるべく大手会計事務所や税理士法人に転職したいと思っている人は、早めに転職エージェントなどに登録し、情報収集を始めておく必要があります。
・組織形態と業務内容
これくらいの規模になると、本社以外に複数の支社や部署に分かれているケースが増え、法人全体としては100名を超えていても、支社や部署によっては数名しかいないということも珍しくありません。
その場合、一緒に働く同僚や上司との相性も非常に重要なポイントになってきますので、選考途中でお話しする機会をもらえないか聞いてみるのも良いでしょう。
業務内容としては、顧客に中小企業だけでなく上場企業も含まれるようになり、法人顧問業務だけを取っても高度な知識が要求される税務会計も増えてきます。
もちろん、未経験から入社される方には、基本的なところから研修やOJTが用意されているかと思いますのでご安心ください。
また、この規模になると、一般的な法人顧問業務以外に経営コンサルティングや事業承継など、何かプラスアルファの特色を持っていることも多く、より幅広い業務にチャレンジすることが可能です。
一方、部署や支社を作り組織的に役割分担をしていることによって、配属次第では一連の流れというより一部業務のみの経験となることもあるため、特に未経験から入社した方には「会計事務所業務の全体像」が掴みにくいままになってしまうこともあります。
・一般企業レベルに整った福利厚生と採用ステップ
大手と呼ばれる規模になるとほぼ間違いなく法人化しており、福利厚生や給与形態は一般中小企業と大差なく、採用や育成も含め、組織としての仕組みがある程度出来上がっています。
一般企業からの転職でも、よほどの大企業からの転職でない限り、職場環境としてあまりギャップなく馴染めることが多いでしょう。
採用に関するステップも、個人事務所のように代表の独断で決まることはほとんどありません。適性検査や筆記試験を行うところも増えるので、しっかりと事前準備が必要です。
ただ、ある程度の人数・年齢層の構成が出来上がっているため、年齢によっては未経験の採用枠がない、そもそも未経験採用は新卒入社のみということもあります。
キャリアチェンジでなるべく大手会計事務所や税理士法人に転職したいと思っている人は、早めに転職エージェントなどに登録し、情報収集を始めておく必要があります。
・組織形態と業務内容
これくらいの規模になると、本社以外に複数の支社や部署に分かれているケースが増え、法人全体としては100名を超えていても、支社や部署によっては数名しかいないということも珍しくありません。
その場合、一緒に働く同僚や上司との相性も非常に重要なポイントになってきますので、選考途中でお話しする機会をもらえないか聞いてみるのも良いでしょう。
業務内容としては、顧客に中小企業だけでなく上場企業も含まれるようになり、法人顧問業務だけを取っても高度な知識が要求される税務会計も増えてきます。
もちろん、未経験から入社される方には、基本的なところから研修やOJTが用意されているかと思いますのでご安心ください。
また、この規模になると、一般的な法人顧問業務以外に経営コンサルティングや事業承継など、何かプラスアルファの特色を持っていることも多く、より幅広い業務にチャレンジすることが可能です。
一方、部署や支社を作り組織的に役割分担をしていることによって、配属次第では一連の流れというより一部業務のみの経験となることもあるため、特に未経験から入社した方には「会計事務所業務の全体像」が掴みにくいままになってしまうこともあります。
■BIG4税理士法人の場合
会計業界を分類した時、上記以外の「BIG4」という独自のカテゴリに当てはめられるのが、四大国際会計事務所が国内の監査法人と提携して設立されたデロイトトーマツ税理士法人、KPMG税理士法人、PwC税理士法人、EY税理士法人です。
これらは日本発祥の法人ではなく、メンバーシップという形で提携した法人が100を超える世界各国にあり、グループ会社も含めるとそれぞれに数十万人以上の従業員が所属しています。
・大手税理士法人との違い
その特徴は、何と言っても圧倒的な規模感と業務領域の広さです。
法人顧問はプライム市場に上場しているような大企業が中心となっており、到底1人で対応出来る顧客規模ではないため、1社に対し数十人がチームとなって対応しています。
グループ会社や子会社を多く持つ大企業特有の特殊な税務や決算、海外展開をしている企業の国際基準会計税務など、小規模の会計事務所では取り扱えない業務を経験することが出来ます。
業界最大手ということもあり、オフィス環境や福利厚生も一般大企業レベルと遜色ないレベルで、年収に至っては資格者であれば更に頭一つ抜け、1000万円を超える人も珍しくありません。
・職場環境とキャリア
給与や福利厚生で還元されていますが、業務レベルが高い分、スタッフに対して求めるレベルも高いことが特徴です。
監査法人であれば、学生時代から勉強を進めて入社時点で公認会計士試験合格までしているケースが大半で、税理士法人でも20代で税理士資格を取得されている方もいます。
また、世界中の拠点にいるメンバーと協業する機会もあることから、英語力も必要となる現場が多く、海外転勤となることもあります。
採用に関しては、BIG4系列法人への未経験入社は新卒が圧倒的に多く、中途入社は経験者が中心となっています。会計事務所経験がない場合、それに代わる強みとして、何かしら関連する経験が求められるケースが大半です。
現在の業種が金融や経理など会計税務に関連する業種でない場合、税理士試験科目に複数合格している程度の知識がないと、入社出来たとしても周囲とのスキルや知識の差にご自身が苦しい思いをしてしまうかもしれません。
業務レベルや給与水準は高いものの、その分忙しい部署が多く、改善はされつつありますが依然としてWLBの取りづらさはある状況です。
そういった環境もあり、結婚や出産を機に働き方を見直すタイミングで独立したり転職したりする人が多く、平均年齢が60歳を超えるとされる税理士業界でも比較的年齢層が若く構成されています。
これらは日本発祥の法人ではなく、メンバーシップという形で提携した法人が100を超える世界各国にあり、グループ会社も含めるとそれぞれに数十万人以上の従業員が所属しています。
・大手税理士法人との違い
その特徴は、何と言っても圧倒的な規模感と業務領域の広さです。
法人顧問はプライム市場に上場しているような大企業が中心となっており、到底1人で対応出来る顧客規模ではないため、1社に対し数十人がチームとなって対応しています。
グループ会社や子会社を多く持つ大企業特有の特殊な税務や決算、海外展開をしている企業の国際基準会計税務など、小規模の会計事務所では取り扱えない業務を経験することが出来ます。
業界最大手ということもあり、オフィス環境や福利厚生も一般大企業レベルと遜色ないレベルで、年収に至っては資格者であれば更に頭一つ抜け、1000万円を超える人も珍しくありません。
・職場環境とキャリア
給与や福利厚生で還元されていますが、業務レベルが高い分、スタッフに対して求めるレベルも高いことが特徴です。
監査法人であれば、学生時代から勉強を進めて入社時点で公認会計士試験合格までしているケースが大半で、税理士法人でも20代で税理士資格を取得されている方もいます。
また、世界中の拠点にいるメンバーと協業する機会もあることから、英語力も必要となる現場が多く、海外転勤となることもあります。
採用に関しては、BIG4系列法人への未経験入社は新卒が圧倒的に多く、中途入社は経験者が中心となっています。会計事務所経験がない場合、それに代わる強みとして、何かしら関連する経験が求められるケースが大半です。
現在の業種が金融や経理など会計税務に関連する業種でない場合、税理士試験科目に複数合格している程度の知識がないと、入社出来たとしても周囲とのスキルや知識の差にご自身が苦しい思いをしてしまうかもしれません。
業務レベルや給与水準は高いものの、その分忙しい部署が多く、改善はされつつありますが依然としてWLBの取りづらさはある状況です。
そういった環境もあり、結婚や出産を機に働き方を見直すタイミングで独立したり転職したりする人が多く、平均年齢が60歳を超えるとされる税理士業界でも比較的年齢層が若く構成されています。
■まとめ
一般企業に様々な業種、規模、やり方の企業があるように、「会計税務」という一つの業界でも、事務所ごとに方針や業務内容は幅があります。
「どこに行っても同じ」ということは絶対ありませんので、まずは自分がどういう働き方をしたいのか、どういうキャリアを目指したいのか明確にしたうえで、色んな事務所の求人を見て比較してみましょう!
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