経理の仕事内容とは?業務内容や会計・財務との違いをわかりやすく解説

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経理の仕事内容とは?業務内容や会計・財務との違いをわかりやすく解説

経理の仕事は、単純な経費精算や帳簿付けだけではなく、企業の財務状況を正確に把握し、経営判断に重要な情報を提供する重要な役割を担っています。

この記事では、経理の仕事内容を日次・月次・年次に分けて具体的に解説します。会計・財務との違いや向いている人の特徴、経理職の将来性も紹介するため、経理職に興味がある方、転職を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

【目次】
経理の仕事とは?会計・財務との違いを解説
・経理部門が担う3つの役割
・経理・会計・財務の業務範囲の違い

経理の具体的な業務内容一覧
・毎日の経理業務(日次業務)
・月末にする経理業務(月次業務)
・年に1回の経理業務(年次業務)

経理職のキャリアと適性
・経理職に向いている人の5つの特徴
・経理職で感じるやりがいと魅力
・経理職のキャリアパスと将来性

経理は将来の選択肢が豊富でやりがいのある仕事


■経理の仕事とは?会計・財務との違いを解説

■経理の仕事とは?会計・財務との違いを解説
企業経営において重要な役割を担う経理部門の仕事内容について、3つの主要な役割と、会計・財務との違いを詳しく解説します。

経理部門が担う3つの役割
経理部門は企業の財務健全性を維持するため、3つの重要な役割を担っています。

【財務報告の作成と分析】
利益と損失の計算、バランスシート作成、キャッシュフロー分析などを通じて、企業の財務状況を正確に把握します。これらの報告書は、経営陣が重要な意思決定を行う際の基礎となります。

【取引の記録と監査準備】
日々の売上や仕入れ、給与支払いなど、すべての取引を正確に記録し、証憑を適切に保管します。法人の場合は10年間、個人は7年間の保存が推奨されています。

【予算策定と管理】
企業の財務目標を設定し、予算の作成から実績との比較分析、必要な調整まで一貫して管理します。

これらの業務は、社内向けの管理会計と、社外の利害関係者向けの財務会計の両面から進められます。経理部門は上記3つの役割を通じて、企業の持続的な成長と健全な経営を支えているのです。

経理、会計、財務はいずれも企業のお金に関わる業務ですが、それぞれの役割は異なります。経理は日々の取引記録や入出金管理、伝票作成などを担当し、会社が「使ったお金」を正確に把握・管理する業務です。

会計は資産の出入りを全般的に管理し、経営状態を把握するための管理会計と、利害関係者への情報開示を目的とした財務会計に分かれます。会計業務の一部が経理なので、経理と会計は同じ部門で対応することも多くあります。

財務は将来に向けた資金調達や財務計画、予算管理が主な業務です。金融機関からの融資交渉や、投資計画の立案などを行い、扱う対象は「これから使う予定のお金」になります。経理と財務は異なる部門で対応することが一般的ですが、小規模な組織では1人が兼務するケースもあります。


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■経理の具体的な業務内容一覧

■経理の具体的な業務内容一覧
企業の経理部門が担う業務は、「日次業務」「月次業務」「年次業務」の3つに分類されます。以下では、それぞれの具体的な業務内容と実務のポイントを詳しく見ていきましょう。

毎日の経理業務(日次業務)
経理の日次業務は以下3つの仕事から成り立ち、会社の資金の流れを正確に記録し管理する重要な役割を担っています。

現預金管理
帳簿への記帳作業
経費精算

現金や預金を管理するうえで、現金出納帳・預金出納帳への入力は毎日欠かさず行います。入力後は、帳簿残高と実際の現金有高を照合し、不一致があれば原因を調査します。売掛金・買掛金といった日々のお金の取引を帳簿へ記録することも、日次業務の重要な役割です。

加えて、出張旅費の仮払いや精算、接待交際費と会議費の区分管理といった経費精算の処理も日次業務として欠かせません。単に入力・支払い作業を行うだけではなく、社員から提出された書類のチェックや不備の修正、提出の督促なども業務に含まれます。

これらの業務は会計ソフトを活用することで効率化できますが、基本的な簿記の知識があると、より正確な処理が可能になります。

月次業務の主な仕事は、決算整理、決算書作成、事業報告の3つに分類されます。決算整理では、現金・預金の残高確認、月次棚卸しの確定、仮勘定の整理、経過勘定の計上、そして減価償却費や引当金の計上などを行います。

決算書作成では、損益計算書、貸借対照表、資金繰り表に加え、予算実績対比表や部門別損益計算書などの管理資料を準備します。これらの資料は、全社レベルだけでなく部門別での作成も効果的です。

月次決算業務では、正確性とスピードの両立が求められます。通常、月次の締日から5営業日以内に結果を算出し、中旬までには決算報告を完了させることが理想的です。社内外へ締切日を周知徹底し、決算スケジュールを共有することも経理部門の重要な役割です。



年に1回の経理業務(年次業務)
年次決算は、企業活動の総まとめとして重要な意味を持ちます。事業年度終了後2ヶ月以内に、決算書の作成と税務申告を完了させる必要があるのです。

年次決算は、次の3つのステップで進められます。

1.試算表の作成
2.決算整理
3.決算書の作成

特に決算整理では、減価償却費の計上、引当金の設定、費用・収益の繰延や見越しなど、重要な会計処理を確実に行う必要があります。

年次決算を円滑に進めるためには、日々の経理業務を確実に行うことが重要です。月次決算での不明点をその都度解消し、伝票の記載を適切に管理することで、年度末の作業負担を大幅に軽減できます。

年次決算は、経理業務の中で最も重要な業務の一つです。経理部門だけでなく、社内の他部署との連携も欠かせません。


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■経理職のキャリアと適性

■経理職のキャリアと適性
以下では、経理職に向いている人の具体的な特徴や、日々の業務で感じられる魅力、さらには専門性を活かした将来の可能性まで、実践的な視点からお伝えします。

経理職に向いている人の5つの特徴
経理職に向いている人の特徴として、主に5つの要素が挙げられます。

【几帳面な人】
細部まで気を配り、ミスを防ぐ几帳面な性格の人が適性があります。経理業務では正確な数字の処理が不可欠だからです。

【時間管理能力がある人】
計画性があり、期日を意識して業務を進められる人が向いています。日次・月次・年次と締め切りの多い経理の仕事では、時間管理能力が重要な要素となります。

【数字を扱うことに苦手意識がない人】
数字への苦手意識がなく、基本的な計算力を持っている人が活躍できます。財務諸表の作成や税務処理には、数字を正確に扱う能力が求められるためです。

【コミュニケーション能力がある人】
社内外の関係者と円滑なコミュニケーションを取れる人が適任です。経理部門は他部署や取引先との連携が多いため、対人スキルは重要な資質となります。

【責任感がある人】
高い責任感と守秘義務を理解している人が向いています。企業の財務情報を扱う立場として、信頼性と誠実さは不可欠だからです。



経理職で感じるやりがいと魅力
経理の仕事には、他の職種にはない特別なやりがいがあります。

【経営の意思決定に関わる重要な業務】
経理担当者は、数字を通じて会社の状況を把握し、的確な分析と提案を行うことで、経営陣の判断に大きな影響を与えることができます。原価削減や業績改善に向けた提案が採用され、実際の成果につながったときは大きな達成感が得られます。

データ分析から導き出した戦略が会社の利益に直結する瞬間は、経理ならではの醍醐味といえるでしょう。

【会社の活動全体を数字を通じて理解できる立場】
会社全体の資金の流れを把握できることも魅力の一つです。取引先との関係や各部門の業績など、企業活動の全体像を数字を通じて理解できる立場にあることは、非常にやりがいのある経験となります。

【企業の成長に不可欠な存在】
営業部門のサポートを通じて会社の売上向上に貢献できる点も、経理職の重要な魅力です。与信管理や売掛金の回収など、営業活動を数字の面からバックアップすることで、会社の成長を支える役割を担えます。



経理職のキャリアパスと将来性
経理職のキャリアパスは、大きく2つの道筋があります。

まず、専門性を追求するスペシャリストの道です。税務や財務のエキスパートとして、資格取得を重ねながらスキルアップを図ります。英文経理のスペシャリストになれば、グローバル企業での活躍も期待できます。

もう一つは、経理を軸に幅広い知識を身につけるジェネラリストの道です。経理スタッフからリーダー、マネージャーへと昇進し、最終的にはCFO(最高財務責任者)を目指すことができます。

また、経理の知識や経験を活かして、経営企画やIR(投資家向け広報)部門への転職も可能です。監査法人や税理士法人への転職を目指すこともできます。

経理職は、着実なキャリアアップが見込める職種です。資格取得や実務経験を重ねることで、将来的な選択肢が広がっていきます。


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■経理は将来の選択肢が豊富でやりがいのある仕事

経理部門は、企業の財務状況を正確に把握・記録する重要な役割を担っています。会計や財務とは異なり、より実務的な日次・月次・年次の経理処理を中心に活動することが特徴です。

企業規模や業種によって業務内容は多岐にわたりますが、主に仕訳処理、給与計算、税務申告などが基本となります。

経理の経験値を活かすことで、財務マネージャーやCFOなど、より広い視野での経営参画も可能です。確実な実務能力と専門知識を身につけることで、キャリアの可能性が広がっていくでしょう。

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正確性や信頼性を重視できる方、締切管理や数値処理に自信がある方は、経理職をキャリアの選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。


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