経理と財務の違いとは?業務内容や求められるスキルを紹介

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経理と財務の違いとは?業務内容や求められるスキルを紹介

転職面接や社内異動の際に、「経理と財務って何が違うの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。実は明確な違いがあるものの、会社の規模や業種によって境界線が曖昧になることもあります。

この記事では、あなたの適性やキャリアプランに合った選択ができるよう、経理と財務の違いを徹底解説していきます。


【目次】

経理と財務の基本的な違いとは?
 ・経理は過去のお金、財務は未来のお金を管理する
 ・会社規模によって変わる経理・財務の役割
 ・経理・財務・会計の関係性

経理部門の主な業務内容
 ・日々の経理業務と月次・年次決算
 ・財務諸表作成と税務申告
 ・経理職に求められる資格とは?

財務部門の主な業務内容
 ・資金調達と資金管理
 ・予算管理と経営分析
 ・財務職に必要な資格やスキルとは?

経理と財務の違いを理解し、自分に合った職種を選ぼう


■経理と財務の基本的な違いとは?

■経理と財務の基本的な違いとは?
経理と財務は企業活動の中で重要な役割を担っていますが、その違いや特徴について正確に理解している方は意外と少ないものです。

経理とは「経営管理」を略したものだと言われており、経理と財務では「企業のお金の流れを管理する」という点では共通していますが、時間軸や業務内容、求められるスキルセットが大きく異なります。


経理は過去のお金、財務は未来のお金を管理する
経理と財務の違いを簡潔にまとめると、以下のようになります。

・経理:過去の数字を使い、今まで会社経営にかかった経費や結果を数字でまとめる仕事
・財務:未来の数字を使い、これから会社経営をしていくにあたり必要なお金を集め、使い方を管理する仕事

経理が過去から現在の記録と報告を担当し、財務はその情報を基に未来の経営判断に直結する業務を行います。どちらも企業経営において不可欠な役割を果たしているのです。


会社規模によって変わる経理・財務の役割
経理と財務は混同されやすい要因は、財務部と経理部が独立している企業は大企業に限られており、経理担当者が財務の仕事も並行して行っているケースが多いことです。

財務部として独立し、本来の財務の仕事だけを行う専任部署を置いている企業は、ほとんど大手企業に集中しています。中小企業においては、一人の担当者、もしくは同一部署にて経理も財務も幅広く対応しているのが実態と言えます。

キャリア形成という観点では、中小企業で幅広い経験を積んだ後、大企業で専門性を磨くというキャリアパスも珍しくありません。経理・財務の分野では、どちらの環境にも強みがあるため、自分のキャリア目標に合わせた職場選びが重要です。


経理・財務・会計の関係性
経理・財務・会計は密接に関連しながらも、それぞれ異なる役割を担っています。
会計は企業のお金の流れ全体を把握するための基盤となり、財務会計と管理会計の2つの側面を持ちます。

経理と会計の違いについては、以下の記事を参考にしてください。
会計と経理の違いを徹底解説!財務や簿記との関係性やキャリアパス


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■経理部門の主な業務内容

経理の基本的な仕事は、伝票の起票、帳簿の記帳、支払業務など、日々のお金の処理に関する業務です。ここまでは規模が小さければ、専門家のサポートを得ながら家計の延長でこなせる方もいるでしょう。

一方で、取引先や会社規模によって高度なスキルが必要になる仕事もあります。一口に経理と言っても、会社の属性によってその業務の幅は様々です。
ここでは、経理部門の具体的な業務内容とともに、役立つ専門資格について解説します。


日々の経理業務と月次・年次決算
経理部門の基本業務は日々の会計処理から始まります。伝票処理や入出金管理などを日次で行い、これらのデータを月末に集計して月次決算を行います。

月次決算は法的義務ではありませんが、以下のメリットがあるため多くの企業が実施しています。

・年次決算の業務負担を分散できる
・企業の財務状況をリアルタイムで把握できる

月ごとに数字を確定していけば、年度末の集中作業を軽減でき、ミスを防げます。また、売上や損益の進捗状況を月単位で確認することで、経営判断や資金繰りに役立てられます。

年次決算は、会社法や法人税法で義務付けられており、期末から2ヵ月以内に確定申告書類の作成・提出などを行わなければなりません。年次決算業務を円滑に進めるためにも、日次・月次の会計処理を丁寧に行うことが経理部門の重要な役割です。


財務諸表作成と税務申告
経理部門の重要な業務に、財務諸表作成と税務申告があります。

財務諸表は、企業の財務状況を示す貴重な書類です。日々の会計処理をもとに、貸借対照表や損益計算書などを作成します。

税務申告においては、法人税や消費税などの申告書を作成し、期限内に提出しなければなりません。税制は毎年改正されるため、常に最新情報を把握する必要があります。専門的な知識が必要となるため、ここだけは顧問税理士に委託しているというところも多いでしょう。

財務諸表作成と税務申告は、企業の信頼性に直結する業務です。適正な会計業務と正確な情報公開を通じて、組織の透明性と信頼性を確保することが、経理担当者の重要な役割といえるでしょう。


経理職に求められる資格とは?
経理部門では、以下のような専門資格を取得している人材が重宝されます。

・日商簿記
・FASS検定
・経理事務パスポート検定(PASS)

資格は知識やスキルの証明になるだけでなく、社内評価の向上や転職時のアピールポイントとしても有効に機能します。資格取得と並行して、会計原則や税法について自己学習を進めることで、より実践的なスキルが身につくでしょう。
また、日々の業務にPCが不可欠なため、PCスキルを評価するMOSやITパスポートの資格も役立ちます。

業務に役立つ資格については、こちらの記事もご参照ください。
経理におすすめの資格一覧!未経験者向けから難易度別に紹介


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■財務部門の主な業務内容

財務部門は企業の資金を戦略的に管理し、将来の財務状況を見据えた重要な役割を担っています。以下では、財務部門の具体的な業務内容と、活躍するために必要なスキル・資格について見ていきましょう。


資金調達と資金管理
財務部門では、資金調達や運用など「お金をどう集めるか」「お金をどう使うか」ということが主な仕事になります。

例えば、新規事業の立ち上げや事業拡大に際し、まとまったお金が必要な際に資金調達を行う際は、金融機関から借りるのか、ファンド等から出資を募るのか、など調達手段の検討も必要です。交渉時に、相手に納得してもらう事業計画を作成することも重要な業務です。


予算管理と経営分析
財務担当者の重要な業務には、予算管理と経営分析も挙げられます。

経営分析では、財務諸表やデータを基に、収益性や安全性などの区分で企業の状態を客観的に評価します。この分析により自社の強みと課題を明確にし、経営戦略の方向性を定められるのです。

また、予算管理では、割り振られた予算が適切に使用されているか、売上・原価・経費・利益などの実績を評価・分析します。余剰金が出ている場合は、必要な運用を行うことなども、財務の重要な仕事です。

これらの業務は経営に関する意思決定の重要な判断材料となり、経営状態の可視化や適切な経営施策の立案につながります。より経営に近い存在として事業に関われるため、将来起業を目指している方には学びが多い環境でしょう。


財務職に必要な資格やスキルとは?
財務職には、必ずしも資格が必須ではありません。ただし、「日商簿記」や「プロフェッショナルCFO資格」などの資格は、専門性を示す証明として役立つでしょう。

財務職においては、事業計画書の作成や金融機関との折衝なども重要な業務です。そのため「外部交渉力」「経営企画力」といったスキルも求められます。
将来的にCFOを目指す方は、高いハードルですが、公認会計士の資格勉強をしてみるのも良いでしょう。


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■経理と財務の違いを理解し、自分に合った職種を選ぼう

過去のお金を管理する経理と、未来のお金を管理する財務では、求められる適性や業務内容が異なります。
また、経理と財務が明確に分かれているのは企業規模によるところが大きいため、希望するワークスタイルに合わせた会社選択が必要です。

まずは自分の強みや興味を整理してみましょう。適性を見極めることが、長く活躍できるキャリア選択の第一歩です。

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