会計と経理の違いを徹底解説!財務や簿記との関係性やキャリアパス

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会計と経理の違いを徹底解説!財務や簿記との関係性やキャリアパス

会計と経理、よく似た言葉でありながら、その違いを明確に説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。企業活動において、どちらも切っても切り離せない重要な業務です。
特に近年は、会計・経理部門のデジタル化が加速し、その役割や業務内容も大きく変化しています。「会計って経理の一部なの?」といった疑問をお持ちの方も多いはず。本記事では、会計と経理の基本的な違いから、企業規模による業務の特徴、最新のトレンドまで、体系的に解説していきます。


【目次】

会計と経理の基本的な違いと関係性
・会計と経理の定義:それぞれの役割とは
・簿記の基礎と会計・経理との関連性
・会計・経理と財務の違いとは

会計・経理の資格やスキルとキャリアアップ
・資格取得による専門性の向上
・会計・経理の仕事に役立つスキル
・会計・経理分野でのキャリアパス

会計・経理の要点整理




■会計と経理の基本的な違いと関係性

■会計と経理の基本的な違いと関係性
・会計と経理の定義:それぞれの役割とは
経理と会計は、企業活動における重要な財務管理の要素ですが、その役割には明確な違いがあります。

経理は、日々の金銭の出入りを記録し、管理する実務的な業務を指します。具体的には、帳簿への記帳、請求書の発行、支払い処理、給与計算などの実務作業を担当します。

一方、会計は経理を包含するより広い概念で、企業活動全体の財務状況を把握・分析し、経営判断に必要な情報を提供する役割を担います。
会計は「財務会計」と「管理会計」に分類され、財務会計は外部向けの財務諸表作成、管理会計は内部の意思決定支援を行います。

両者の関係は、会計という大きな枠組みの中に経理業務が含まれると考えるとわかりやすいでしょう。経理担当者が日々集計した数値は、会計担当者による分析や報告の基礎データとなります。

経理の詳細については、以下の記事を参考にしてください。
経理の仕事内容とは?業務内容や会計・財務との違いをわかりやすく解説


・簿記の基礎と会計・経理との関連性
簿記は、企業の財務活動を正確に記録・管理するための基礎となる技術です。経理・会計業務の土台として、取引の記録方法や決算書の作成手順を体系化しています。

簿記には、単式簿記と複式簿記があり、現代の企業会計では主に複式簿記が採用されています。複式簿記では、取引を借方と貸方の二面から記録し、より正確な財務状況の把握が可能で、日商簿記検定はこちらを採用しています。
取引は資産・負債・純資産・収益・費用の5つに分類され、これらをさらに細分化した「勘定科目」で具体的な記帳を行います。例えば、商品の仕入れは「仕入」、販売は「売上」という勘定科目で記録します。
近年はクラウド会計ソフトの普及により、簿記の知識がなくても基本的な経理処理は可能になっています。しかし、正確な会計処理や経営分析を行うためには、簿記の基本原理を理解することが不可欠です。

簿記の知識は、経理実務だけでなく、会計情報の分析や経営判断にも活用されます。財務諸表を正しく理解し、企業の経営状態を的確に把握するためにも、簿記の基礎を身につけることが重要です。


・会計・経理と財務の違いとは
財務は、企業の資金調達や運用、投資判断など、より戦略的な金融活動を担当する部門です。会計や経理が過去の取引記録や現状分析を主な業務とするのに対し、財務は未来の資金計画や投資戦略の立案に重点を置きます。

会計部門は財務諸表の作成や分析を通じて経営判断に必要な情報を提供し、経理部門は日常的な取引記録や支払管理を行います。一方、財務部門は資金調達や投資、M&Aなどの戦略的な意思決定に関わります。

これら三者の連携は、企業の健全な経営において不可欠です。例えば、経理部門が作成した仕訳データをもとに会計部門が財務諸表を作成し、その情報を財務部門が活用して新規投資の判断を行うといった具合です。
財務部門の特徴は、金融市場との関わりが深く、株式、社債、借入金などを通じた資金調達や、余剰資金の運用を行うことにあります。


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■会計・経理のスキルとキャリアアップ

■会計・経理のスキルとキャリアアップ
・資格取得による専門性の向上
会計・経理分野のスキルアップには、資格取得が有効な手段となります。
公認会計士は会計資格の最高峰で、難関資格として知られています。税理士も専門性が高く、科目合格制度を活用して段階的な取得が可能です。

実務で即戦力となる資格としては、日商簿記検定があり、3級から1級まで段階的にスキルアップを図れます。特に3級は経理の基礎、2級は実務に必要な知識を習得できる人気の資格です。
グローバルな活躍を目指す場合は、BATIC(国際会計検定)やUSCPA(米国公認会計士)が有効です。これらの資格は、国際的な会計基準や管理会計の専門知識を証明できます。

税理士試験については、以下の記事も参考にしてください。
税理士試験には科目免除がある?利用できる大学院の情報も紹介!


・会計・経理の仕事に役立つスキル
会計・経理のプロフェッショナルに求められるスキルは、財務諸表の作成・分析力、コミュニケーション能力、IT活用力の3つが重要です。

財務諸表の作成・分析力は、企業の経営状態を正確に把握し、的確な判断を下すために必須のスキルです。特に、決算書の読み方や予算管理の知識は、経営陣への提言に欠かせません。
コミュニケーション能力は、社内外の関係者との円滑な情報共有や、複雑な会計情報をわかりやすく説明する際に重要です。特に、経営層への報告や会計に関する専門知識や用語の意味を知らない他部門との連携において、相手に分かりやすく伝える能力が問われます。
IT活用力については、会計ソフトやERPシステムの操作はもちろん、ExcelやBIツールを使用したデータ分析スキルも必要です。また、ネットバンキングやe-taxの浸透など、様々な手続きがネット上で完結するようになってきており、業務効率化を図るには使わない手はありません。
これらのツールを効果的に活用することで、業務効率を大幅に向上させることができます。


・経理・会計・経理分野でのキャリアパス
経理・会計・経理分野でのキャリアパスは、企業規模や業態によって大きく異なります。

中小企業では、経理担当者が幅広い業務を担当し、給与計算から月次決算、企業のお金の流れの全体像を把握できる機会があります。このような総合的な経験は、将来のキャリアアップや転職時に大きな強みとなります。
IPO(株式上場)を目指すベンチャー企業では、会社の急成長に伴い、経理業務も拡大していきます。監査法人との連携や上場達成など、市場価値の高い経験を積める可能性があります。
一方で、社員数十名の規模では1人経理や1人管理部といった状態も珍しくなく、高度な業務は顧問先の会計事務所に委託していることも多いため、年次決算や法人税申告といった業務は経験出来ないこともあります。

大手上場企業では、より専門的な分野に特化した業務が求められます。経験を積むことで、連結決算や開示資料作成などの高度な業務に携わり、最終的には管理部門の責任者や経営企画職へのキャリアアップも可能です。
一方で、中小企業とは真逆で経理部門だけでも10人以上いる、ということもあるため、全員が同じ仕事を分担しているのではなく、工程ごとに担当が振り分けているケースが大半で、経理全体の一部分しか経験が出来ないということもあります。

外資系企業では、グローバルな経理基準への対応や、海外拠点とのコミュニケーションスキルが重視され、より専門性の高いキャリアを築くことができます。
外国語で書かれた会計資料の処理、海外拠点とのミーティングなどで英語の読み・書き・会話スキルは必須ですが、専門用語を含むビジネス英語のため、通常のTOEICの勉強に加えて会計用語の勉強も必要です。


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■会計・経理の要点整理

会計と経理は、企業の財務管理において異なる役割を持つ重要な機能です。
経理は、日々の金銭出入りの記録や給与計算などの実務的な業務を担当し、会計はそれらのデータを活用して財務分析や経営判断に必要な情報を提供します。特に、会計は財務会計と管理会計に分かれ、より広範な財務管理を行います。

両者の連携は、企業の健全な経営に不可欠です。経理部門が作成した正確なデータは、会計部門による分析の基礎となり、経営判断に活用されます。さらに、財務部門との協力により、効果的な資金調達や投資判断が可能になります。

近年は、クラウド会計ソフトの普及により業務効率が向上していますが、正確な会計処理には簿記の基本知識が重要です。
また、会計・経理分野でのキャリアアップには、資格取得による専門性の向上に加え、企業ごとに業務経験が違うことを把握しながら自分に足りない経験を補っていくことが効果的です。

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