新卒で経理職を目指すには?必要なスキルや戦略を解説

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新卒で経理職を目指すには?必要なスキルや戦略を解説

新卒で経理職を目指す皆様、どのような準備をしていますか?

就職活動を進めるにあたり、経理職の仕事内容や待遇、求められるスキルを理解することは成功への第一歩です。しかし、具体的な企業選びのポイントや面接対策、大手と中小企業での違いを知ることが重要である一方、それらに不安を感じる方も少なくないでしょう。

本記事は、経理職への新卒採用における戦略を解説し、あなたのキャリア形成における確かな指針となることを目指します。


【目次】
経理職の仕事を理解する
 ・経理職の仕事内容とは?
 ・大手企業と中小企業の経理業務の違い

経理職に必要なスキルと能力
 ・経理職に必要なソフトスキル
 ・経理職に必要なハードスキル
 ・学生のうちにやっておきたいこと

新卒で経理職を目指す戦略
 ・経理職の新卒採用における企業選びのポイント
 ・経理職の面接成功のコツ
 ・経理職へ配属されなかった場合の戦略

全体像を把握して、最適なキャリアを掴もう!



■経理職の仕事を理解する

経理職の仕事内容とは?
経理職は、企業の心臓部としてお金の流れを管理・記録する重要な役割を担っています。
日常の業務として、伝票や請求書の作成に始まり、預金や現金の管理、各種帳簿の記帳、さらに決算期には、それらのデータを1年分まとめる年次の決算業務に至るまで、幅広い範囲をカバーします。

基本となるのは、日々の取引で発生する売掛金や買掛金の管理です。
どこから何をいくらで購入し、どこにいくらで販売したのか、お金の動きを記録することで、企業は利益やそれに基づく納税額を算出することが出来ます。
これにより、企業の財務状況が常に正確に反映され、経営判断に欠かせない情報を提供します。

重要なことは、どんなに少額の取引だったとしても、日々の作業の中でミスを起こさないことです。経理の業務を支えるのは、細かなデータを精緻に管理するという責任感と、デジタルツールの有効活用となります。意識とスキル、これらの基本を押さえることが、経理職への第一歩となります。

経理の仕事についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
▶︎経理の仕事内容とは?業務内容や会計・財務との違いをわかりやすく解説


大手企業と中小企業の経理業務の違い
大手企業と中小企業の経理業務は、規模の違いにより特徴が大きく異なります。

大手企業では、経理業務が細かく分業化され、各担当が専門知識を深めることが求められます。
例えば、グループ会社や子会社がある場合は連結会計、海外取引や支社展開がある場合は外貨換算会計などの知識が必要で、職場には公認会計士や税理士も多く在籍します。
一方で、請求書の作成や通帳の出入金管理といった、簿記の知識がなくても出来る業務を専門に担当するポジションもあります。その場合は専門的な知識が身に着く期待は低く、社内でのキャリアアップや配置換えといった制度にも積極的に手を上げていく必要があるでしょう。

一方、中小企業では、経理担当者が広範な業務を一手に担います。
100名前後の規模であれば経理担当は1・2名、それより小さい規模だと人事や総務と兼務していることも珍しくありません。リソースが限られているため、経理担当者には業務全体の効率化が期待されます。
経理担当の人数が少ない環境では、経理の基本を入り口から出口まで抑えることが出来るので、どこでも通用する経理人材に成長出来ます。一方で、オールラウンダーとしての実務能力が求められ、業務の属人化が課題となりがちです。

それぞれのメリット・デメリットを理解することで、新卒求職者は自身のキャリアパスを選びやすくなるでしょう。


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■経理職に必要なスキルと能力

経理職に必要なソフトスキル
新卒で経理職を目指す際、アピールすべきソフトスキルは注意力、正確さ、根気強さです。

経理では、小さなミスが企業に多大な影響を及ぼすため、注意深くデータを扱う能力が重要です。
例えば、給与計算では1円のミスが社員からの信頼を揺るがしかねません。
決算の数字が1か所違うだけでも法人税の納税額が変わり、意図せず脱税になってしまうかもしれません。
取引先に送る請求書の宛名に誤字があると、今後の取引に影響するかもしれません。
全ての仕事に当てはまることではありますが、特にお金を扱う経理は、どんな小さなミスも見逃さない注意力が重要です。

注意力に加え、合わせて必要となるのが正確さです。
どんなに注意深く資料を確認してデータをチェックしても、入力するときに間違えては意味がありません。ミスや違和感がないか注意深くチェックし、それを正確に資料に反映させるところまで必要です。

そして、毎月、ものによっては毎日継続的に同じ作業を行うことになるため、根気よく職務に取り組む姿勢が問われます。数字とPCに向き合ってコツコツと仕事を進めていくことが楽しいと思える人は経理に向いています。
これらのスキルを駆使することで、経理職での適性をアピールできるでしょう。


経理職に必要なハードスキル
経理職を目指す未経験者にとって、重要なハードスキルは二つ挙げられます。

まずはパソコンスキルです。
特にExcelの関数やデータ管理を活用する力が求められます。計算用の関数だけではなく、大量のデータを処理・解析するVLOOKUP関数やマクロ作成といったスキルがあると重宝されるでしょう。
また、実際の業務では、売上台帳や会計データ記帳といった具体的な帳表を作成することがあり、その際には適切なツール選択と使いこなしがポイントになります。

もう一つは簿記資格です。
経理の基礎知識を身につけるためには、簿記の学習は必須です。簿記は経理内で共通の言語として機能し、知識の証明にもなるため、資格を取得することで新卒者としての信頼性を高めることが可能です。卒業までに最低でも日商簿記3級、出来れば2級まで取得しましょう。

経理に関する資格を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
▶︎経理におすすめの資格一覧!未経験者向けから難易度別に紹介


学生のうちにやっておきたいこと
学生のうちから意識しておきたい経理職に欠かせないスキル、そのひとつがコミュニケーション能力です。

経理は数字とPCに向き合うコミュニケーションの少ない仕事と思われがちですが、実際は経費精算や請求書作成など、他部門と協業が必要な業務が多いポジションです。

授業やゼミでプレゼンテーションを行う機会があれば積極的に手を挙げ、自分のアイデアをわかりやすく伝える練習をしてみましょう。こうした経験を通じて、相手の立場を理解し、適切に情報を伝えるスキルを実践的に向上させることができます。
特に経理部門は、簿記の知識がない他部署の人に、なぜこの作業が必要なのか、この項目が必要なのかを理解して協力してもらうことが、円滑に業務を進められるかどうかの鍵です。
相手に分かりやすく、納得がいくように伝える説明力や対話力が求められます。

また、異なる専門領域の人々と円滑にコミュニケーションを行う力を養うことは、経理に限らずどのような職種でも必要になるスキルです。将来的なキャリアアップにも大きな助けとなるでしょう。


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■新卒で経理職を目指す戦略

■新卒で経理職を目指す戦略
経理職の新卒採用における企業選びのポイント
新卒で経理職を目指す際には、企業選びが非常に重要です。

まず大前提として、新卒から経理職を狙うことは狭き門です。
営業職やSE職や販売職といった人数が必要な部署に比べて、そもそも定期増員しないので募集枠がない、少人数の部署のため育成の余裕がなく経験者採用が多い、というのが主な理由です。

その中でも新卒から経理職を狙う場合、まずは職種別採用を行っている企業を狙いましょう。これにより早期の経理職配属が期待できますが、競争率は高いことを覚悟しておく必要があります。
また、中小企業は大手に比べ柔軟性が高く、求人側との直接交渉が可能なケースも少なくありません。特に若手の人材に苦戦しているところが多いので、部署確約することで内定につなげられるなら…と考える企業もあるでしょう。

自分で交渉するのが難しいと感じる方は、人材エージェントを有効活用し、効率的に情報を集めながら交渉を行ってもらうことも可能です。業界特化型人材エージェントに興味のある方は、こちらのサイトも是非ご確認ください。
公認会計士・税理士・経理・財務の転職、求人ならレックスアドバイザーズ

新卒で直接経理部門に応募できない時は、入社後に異動しやすい制度を持つ企業や、ジョブローテーションが活発な企業をチェックすると良いでしょう。
これにより、将来的に経理職へ異動するチャンスを増やすことができ、自らの意欲をアピールする機会にもつなげられます。


経理職の面接成功のコツ
面接成功の鍵は、準備と自己分析です。
何故経理がやりたいのか、経理の部門でどうなりたいのか、過去から未来に向けて徹底した自問自答を通じ、自己の客観視が進むと矛盾点や改善点も見つけやすくなります。

さらに、人材エージェントを活用した模擬面接は、第三者視点からのフィードバックが得られる絶好の機会です。自分では気づいていない会話の癖や口癖、立ち振る舞いなどを含め、実践的な面接経験を重ねることで、質問にも対応できる柔軟性を身につけられるでしょう。
面接対策は、暗記よりも要点を押さえた会話形式の対話が重要です。質問の本質を考え、相手が何を知りたいのかを意識すると、質問のされ方が変わっても動じなくなります。

面接では、自分の経理に関する興味や熱意だけを伝えても、企業にとって希望を叶えてあげるメリットが伝わらなければ採用には至りません。
事前に面接企業の情報を収集し、なぜその企業を希望するのか、自分のスキルや志向がどのように貢献できるのかをリンクさせて面接に臨みましょう。

経理職の志望動機について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
▶︎【例文あり】経理の志望動機の書き方|未経験者・転職向け成功ポイント


経理職へ配属されなかった場合の戦略
新卒で経理職を目指したものの、先述の通り、配属されないケースの方が圧倒的に多いでしょう。その場合には別の戦略が必要です。
まず、配属された職種でしっかりと基礎スキルを磨きあげることが重要です。特にPCスキルや数字を扱う分析能力は、経理はもちろん業界や職種を問わず活用できるスキルになります。

異動の機会を探すのも効果的です。同一企業内での異動は、新しい職務に挑戦する道を切り開く鍵となります。異動を希望する際には、経理に対する意欲や適性、現在の業務で経理に活かせる短期的な成果を上司に示しましょう。


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■全体像を把握して、最適なキャリアを掴もう!

新卒で経理職を目指す際には、経理業務の全体像や企業ごとの特徴を理解し、求められるスキルを体系的に身につけることが成功の鍵です。大手企業と中小企業の違いや、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、自分に最適なキャリアパスを、時には大学のキャリアセンターや人材エージェントのコンサルタントに相談しながら選択していきましょう。

また、基本的なパソコンスキルや簿記資格といったハードスキルだけでなく、注意力や分析力、コミュニケーション能力などのソフトスキルも磨くことで、面接や実務での信頼性が向上します。これらの準備を怠らず、戦略的に就職活動を進めることで、将来の経理職への道が確実に開かれるでしょう。

一般企業で早期に経理としてキャリアを積みたい方は、学生のうちに会計事務所でアルバイトをするのもおすすめです。簿記や会計の基礎知識が身に着くので、自身が本当にこの職種に向いているのか確認したり、入社後の異動を願い出たりする時にもプラスになるでしょう。
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