税理士を目指す方のキャリアパスについて

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税理士を目指す方のキャリアパスについて

8月の税理士試験を終え、ホッと一息ついている人、次の科目に向けて勉強を進めている人、今年で試験勉強が一区切りとなる人、色々いるかと思います。
年齢にもよりますが、税理士を目指して勉強中の方が選ぶキャリアプランは大きく分けて3つあります。

・大手税理士法人を希望する
・独立への勉強になる会計事務所を希望する
・大学院や専門学校へ進学する


それぞれに良い点・注意する点がありますので、今回は3パターンのキャリアステップを見ていきましょう。

■大手税理士法人を希望する

特に新卒で入社する方が多い、Big4を始めとした大手税理士法人の一番の魅力は、【幅広い業務と豊富な経験が積める事】、そして【安定した給与と福利厚生】でしょう。

国内外に名を知られる上場企業の大半はBig4のいずれかに監査を依頼しており、上場企業にしかない会計税務業務も多数あります。将来上場企業の経理財務部門や、企業の社内税理士として活躍したいと考えている人にとっては、是非とも経験したい領域です。海外に支社もあるため、国際的な経験を積むチャンスも多くあります。
また、社員数が多いので、将来の目標となる先輩社員や志を近くする同僚と出会える可能性も高く、実際に「新卒時代にBig4で出会った同僚や先輩と一緒に独立した」という若手税理士も多数存在しています。

顧客先の規模が大きく報酬も大きい事から、社員に還元される給与や福利厚生も、業界全体の水準より高いものになっています。
働いているうちはメリットでしかない一方で、今後のキャリアやワークライフバランスを考えて転職しようとした時、Big4より小さい規模の法人に給与レベルを維持したまま転職できるケースは稀です。
給与を下げてやりたい事を存分に出来る所にチャレンジするか、選択肢を狭めて給与を維持できる法人を探すか、という選択を迫られる可能性が高くなります。

また、昨今の働き方改革でだいぶ改善されているとはいえ、やはり扱う顧問先の規模・数とそれに伴う業務量が多いBig4は、上の職位に行けば行くほど残業時間が増える傾向にあります。
男女ともに結婚や出産のタイミングで転職する人も多く、長く働きたいというより、どちらかというとステップアップのための経験と考えている人が多いようです。

■独立への勉強になる会計事務所を希望する

大手税理士法人の弱点として、顧問先の規模が大きすぎるため、一人で一社を担当するのが不可能である、つまり業務全体の中の一部しか経験出来ない事や、部署が細分化されていて特定の税務の経験しか出来ない事がよく挙げられます。
将来的に独立を目指す方は、会計税務の全体像の把握と経験を積むため、【一人で一社の会計税務を最初から最後まで担当】したり、幅広い税法に対応出来るようになるため【法人と個人を両方担当】出来たりする、中小の会計事務所がお勧めです。

会計事務所の9割以上は50名以下の中小規模法人なので、選択肢は豊富にあるでしょう。しかし、組織化された大規模法人とは異なり、代表の鶴の一声でなんとでもなってしまうのが、中小規模法人の良い点でもあり良くない点でもあります。
少人数ということもあり、代表との相性が悪いと一気に居心地の悪い環境になってしまいますので、面接の際はしっかりと話をして、違和感を覚える言動があれば放置せず、入社はじっくり検討した方が良いでしょう。

逆に相性の良い代表と出会うことが出来れば、事務所の規模が小さい分直接代表の仕事を見ることが出来たり、試験勉強との両立のために制度外の働き方を相談出来たりと、大手法人では「特別扱い」となってしまうような柔軟な対応は中小規模法人の魅力です。
独立した代表の仕事ぶりや動き方から、自身が独立した時のイメージをより具体的に描くことも出来ますし、独立せずに共同代表として税理士法人化したという事例もあります。

大手法人と中小法人の違いについては、こちらのコラムもご参照ください!
大手会計事務所と個人会計事務所の業務の違い

■大学院や専門学校へ進学する

仕事と試験勉強を両立するのが不安だという方は、いっそ勉強に専念するという方法もあります。
税理士試験は年に1回しかなく受験年齢制限もないので、「合格するまで」だといつまでも続けられてしまいます。いまや30代・40代の転職も珍しくはありませんが、さすがにその年齢まで職歴がないと書類選考で敬遠されてしまうので、「勉強に専念するのは何歳まで」という終わりはしっかり決めて、計画的に資格取得を進めていきましょう。

「仕事は続けたいが、残業のある正社員勤務だと時間的にも体力的にも難しい」という場合は、パート・アルバイトとして勤務をするというやり方もお勧めです。
シフト制のパート・アルバイトであれば、授業のある日はシフトを外しておく、模試や補講のある日は勤務時間をずらすなども調整しやすく、無理のない両立が可能です。
また、授業で分からない点や難しかった点も、先輩社員に実務を通じて教えてもらうことも出来るので、勉強したことがすぐに活かせることでモチベーション維持にも繋がるでしょう。

■まとめ

税理士は、資格と経験を積んで、独立すれば定年もなく長く働ける「手に職」の一つです。最初のキャリア選択でミスをしたと思っても、いくらでも新たなキャリアを進むチャンスがあります。
上記の3つの入り口以外にも、税理士として独自の強みを付けられる資産税やSPCを専門とした会計事務所、一社に深く関わる企業の経理財務部門や社内税理士、経営コンサルタントなど、幅広いキャリア選択がありますので、是非ご自身のやりたい事や目指すキャリアを考えてみてください!

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