記帳代行業務とは?

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記帳代行業務とは?

記帳代行とは、その名の通り「記帳を代行」する業務です。「会計データ入力」「会計ソフト入力」「仕訳入力」などと他の呼び方もありますが、業務内容は概ね同じです。
会計事務所や経理では「1件1件の作業量は少ないが総量が多く、比較的難易度は低い業務」として、未経験から入社する方の初めての業務や、業務を小分けしやすいので勤務時間が限られている方の業務としてよく宛がわれます。

■そもそも「記帳」とは?

記帳とは、日々の取引で発生した売上や経費などを、帳簿に記録する作業のことで、「帳簿付け」とも呼ばれます。
○○を買うためにいくら使って、予算の残高はいくらで、光熱費やローン返済費用は…のような、企業版家計簿をイメージしてもらうと近いかもしれません。

商品を売って得た利益、利益を得るまでの対応にかけた交通費、交際費、通信費、社内で使用する消耗品の購入など、経営にかかるあらゆる収支項目は、全て「勘定科目」と呼ばれる項目に分類することが出来ます。
そして、この勘定科目にあわせて取引内容を区分していく作業を「仕訳」と言い、「仕訳」を会計ソフトに入力していく作業が「会計データ入力」です。

勘定科目には「貸方」「借方」と呼ばれるお金の流れの理由を記録する項目があり、この記録方法を複式簿記と呼びます(※詳しくは簿記3級を勉強すると最初に出てくる項目なのでここでは割愛します)
会社法ではこの複式簿記による帳簿付けが義務付けられており、勘定科目を理解して仕訳をしていくことが、会計経理業務の基本となります。

■なぜ「記帳」を「代行」するの?

記帳の目的は、帳簿の内容から損益(収支)を明らかにし、納税額を確定させることです。
会社法という法律で記帳とその関連書類の保存が義務付けられているため、事業者は必ず帳簿を作らなければなりません。ただし、個人事業主は法人登録していなければ「会社」には当たりませんのでこの限りではなく、1年に1回の確定申告のみで問題ない場合もあります。

記帳業務は先述の通り、業務難易度としては会計経理業務の入門である簿記3級相当ですので、実務経験がない方でも知識があれば、顧問税理士等のフォローを受けながら社内で対応することは可能です。
ですが、代表1名で立ち上げたばかりのスタートアップ企業や、社員が数名規模の零細企業では簿記の知識を持った社員が在籍していない場合も多く、その場合は記帳業務を外注することになります。それを請け負っているのが、会計事務所や経理代行を事業としている企業です。

最近では簿記の知識がなくても、金額と使用使途を入れれば大まかな勘定科目を自動入力してくれるような初心者向け会計ソフトも登場しており、記帳代行の業務は徐々に減ってきています。
ですが事業によっては、まだAIが判断出来ない特殊な事情を込む勘定科目もあり、最終的なチェックは知識のある人間が行うことが必要です。

■記帳代行のこれから

従来、記帳代行は会計事務所の大きな収入源の一つでした。1件1件はさほど時間がかからない作業でも、会社の規模や業種によっては月に数百件から千件以上と、とにかく数が多いので、専任のスタッフを雇用したり記帳代行専門会社を立ち上げたりするなど、会計業界の雇用を創出していたポジションでもあります。
ですが、先述のような簿記の知識がなくても大まかな入力が可能となった会計ソフトや、過去のデータを参照して自動で仕訳を行うRPA(Robotic Process Automation)の登場により、記帳代行の業務は少しずつ、ですが確実に減ってきています。少し前に話題になった「10年間でなくなる仕事」で会計や経理業務が入ることがあったのは主に記帳代行業務を指しており、税金に関する業務(特に相続税)については個別の事情が多く、まだまだ人の手が必要となるでしょう。

この先も会計経理業界で働いていきたいと思っている方は、「会計ソフトへの入力が早く正確に出来る」だけでなく、「他人が入力したデータが正しいかチェック出来る」「決算書や申告書など税務知識が必要な業務が出来る」「会計資料を基に顧客に経営状況を説明出来る」など、AIに代替不可なスキルを身に付けていく必要があります。

会計事務所によっては、雇用形態に関係なくどんどん先の業務にチャレンジさせてくれるところも多くありますので、成長出来る機会がある方は是非活かしてください!

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