税理士受験生が、会計事務所勤務を経験すべき理由とは?

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税理士受験生が、会計事務所勤務を経験すべき理由とは?

数ある国家資格の中でも難関であるとされる税理士試験。
しかし、税理士としてのキャリアを考えた場合、試験合格は必須になるものの、ひとつの通過点にすぎないのも事実です。
また、無事試験に合格しても、実務経験を満たさないと実際に税理士として仕事をすることは出来ません。

したがって、働きながら税理士資格を取得するのは、良い方法と言えるでしょう。そこで今回は税理士事務所での勤務と、資格取得のための勉強についてお話していきます。

■仕事と勉強の両立について

働きながら資格取得を目指す場合、両立のポイントは2つ。
繁忙期も勉強を続けることと、勉強時間を効率的に確保することです。

例えば会計事務所に勤務している場合、年末調整が始まる年末から法人決算が集中する5月くらいまでが繁忙期になります。
確定申告期の2月や3月は特に忙しくなりますが、この時期に全く勉強時間が取れない‥ということがないよう頑張りましょう。

スポーツ、勉強、音楽など、継続して技術や知識を習得するものは、1日習慣や練習を怠ると取り返すために3日間必要と言われます。
税務知識は特に、定期的な法改正や日々生活する中で無限に増える事例など、とにかく積み重ねが大切な分野。通勤電車の中や休みの日の数時間、とにかく長期間勉強しない日を作らないことを意識することが大事です。
3月を乗り越えると幾分仕事も落ち着くはずですので、3月の疲れを癒したら、4月の中旬頃から、勉強モードへの切り替えを行っていきましょう。

そして、勉強時間を捻出するためには、仕事を効率的にこなす、移動は電車にして勉強時間にあてるなど、工夫して時間を確保することが大切です。
どうしても自分で対応しきれない業務量の場合は、思い切って同僚や上司に相談してみましょう。

■机上の勉強と実務との違いについて

非常に簡単に言えば、『1+1』という問題に対して『2』という答えを出すために必要な知識や計算式を理解・暗記をするのが試験勉強です。
すでに『1+1』いう確定した前提条件が与えられているので、やり方さえ知っていれば誰でも対応出来ます。

一方実務では、『この出来事が「1+1」いう問題なのか、それとも「1+2」いう問題なのか』という、前提条件そのものを診断・決定したりしていくことからスタートになります。
つまり、前提条件を自分で設定するということが実務と試験勉強との大きな違いであり、与えられた問題を見て本質を診断出来るようになるためには、たくさんの事例に触れていくことが不可欠です。
税に関する様々な事例が集まる場所と言えば、もちろん会計事務所ですね。

もっとも、『「1+1」いう問題だ』と分かったとしても、『2』という答えを出せなければ仕事になりませんので、資格試験やそのための勉強は、税理士として仕事をするための第一歩と言えるでしょう。

■実務経験は試験合格に役立つか?

実務経験で得た知識が直接的に試験合格に役立つことは、それほど期待できない、というのが正直なところかもしれません。
前項でも触れた通り、試験と実務では前提の与えられ方が異なるので、考え方や問題の進め方も異なるからです。

しかし、実務を併用して進めることで「どうしてこの問題が『1+1』となるのか」を、試験勉強の段階から理解していくことができるため、これは、今後の試験勉強にも生きてきます。
機械的な暗記の場合、少しひねった問題が出題されると、それだけでお手上げということも少なくありませんが、実務と併用することで自然と事例が蓄積され、点と点が繋がるように暗記の質を上げることができるのです。

仕事と勉強の両立は、精神的にも肉体的にも大変です。しかし、資格試験の目的は合格することではなく、合格後に活躍するため。それを考えると、仕事と勉強を共に進めていくことは、将来のためとも言えるでしょう。
勉強時間の確保をしながらスキルも身につければ、きっと素敵な税理士ライフが待っているはず!
今は試験勉強との両立を前提とした働き方を提案している会計事務所も増えておりますので、気になる方は是非求人も検索してみてくださいね。


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