【求人票の疑問】「試用期間」ってどんなもの!?

  1. アカナビトップ
  2. ブログ一覧
  3. 【求人票の疑問】「試用期間」ってどんなもの!?

【求人票の疑問】「試用期間」ってどんなもの!?

「試用期間」とはどんなものかご存じでしょうか?
「聞いたことはあるけど、研修期間とどう違うの…?」「試用期間があるっていうことは、せっかく就職先が決まっても、すぐクビにされちゃうかも?」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
今回は、試用期間について詳しく紹介していきましょう。

■試用期間とは?

「試用期間」とは、入社後に実際の職場で試験的に勤務してもらい、人柄や仕事の能力を見ることで、その先も本採用として継続的に雇用するかどうかを企業側が判断するために設けられる、いわばお試し期間のことです。
この期間の間に企業側が「この人にこの仕事は任せられない」と判断した場合には、その後の本採用には至らず、雇用契約を解除することができるのです。正社員に限らず、パートやアルバイトでも試用期間が設けられるケースもあります。

一方、「研修期間」は、正式に入社した後に知識やスキルを身に着けてもらうために企業が行うものです。
試用期間とは異なり、その期間に従業員の人柄や相性を判断する目的はありません。

■試用期間のメリットやポイント

■試用期間のメリット
企業側にとって試用期間を設定する目的は、履歴書や面接だけでは判断しきれない、仕事に対する適性や能力を知ることにあります。
特にすでに働いている人との相性や、担当業務に必要なスキルを見るには、実際に働いてみてもらうのが一番です。そのほかにも、遅刻や欠勤がないかといった勤務態度も見られています。

働く側としては、試用期間に仕事ができないと判断されたらクビにされるのでは、と不安に思うかもしれませんが、企業側は簡単に解雇することはできません(次の項で詳しく説明します)
候補者側も、試用期間中にその仕事が自分に合うかどうか、面接で聞いていた労働条件と違っていないかを確認した上で、本採用に応じるかどうかを決めることができます。


■試用期間の長さは?
試用期間の長さについては法律で定められた基準はありませんが、「仕事の適性を判断するために必要な合理的な期間」を設定することが求められており、1ヶ月から6ヶ月程度が一般的と言われています。また、試用期間を設ける場合には、就業規則や労働契約書に明記しなければならないことになっています。
試用期間の延長は基本的にはできませんが、企業側と従業員側の双方が合意した場合のみ、試用期間を延長するケースもあります。
延長されるケースとしては入社直後に病気やケガ、家族の介護などのやむを得ない事情で試用期間の大半を出勤できなかった場合など、合理的な理由がある場合に限られており、この場合にも就業規則や労働契約書などにはっきり示されている必要があります。


■試用期間中は待遇が違うの?
試用期間中の待遇が本採用と異なるかどうかは、それぞれの企業によって異なり、本採用の場合と変わらないこともあります。
一方、試用期間中はの給与は月給ではなく時給、賞与が支給されない、時給が下がる、といったケースもありますので、求人票や募集要項をしっかり確認しましょう。また、試用期間中であっても、都道府県別の最低賃金を下回ることはできません。


■試用期間中に辞めたいと思ったらどうすればいいの?
試用期間中だからといってすぐに辞められるわけではありません。
法律上、試用期間中の労働契約は「解約権留保付労働契約」と言われ、企業側は本採用しない権利(解約権)を持ってはいますが、それ以外の解雇や退職に関しては通常の労働契約と同じルールが適用されます。

原則は退職を申し出てから2週間後の退職が最短となりますが、これはあくまで法律上の話であり、会社ごとに決められている就業規則や退職規定があればそちらが優先されます。
退職を希望する場合、まずは職場の上司に相談し、話し合いながら退職日を話し合うのがマナーです。よほどの理由ですぐにでも退職したいという場合以外は、試用期間終了後の継続勤務を希望しない旨を伝えるのが良いでしょう。

また、本契約をせず試用期間で退職する場合も労働契約を結んでいることに変わりはありませんので、出勤した分の給料や残業代は労働者に支払われなければなりません。

■試用期間中に解雇されたり、試用期間後に本採用を断られることもある?

試用期間中でも、試用期間後の本採用を拒否する場合でも、企業側から一度採用した人の継続雇用を断る場合は「解雇」という位置づけになります。
解雇するには「正当な解雇理由」と「適正な通知(30日前の解雇予告、または解雇予告短縮のための手当支給)」の両方を満たすことが必要と定められており、これは試用期間であっても変わりません。

 ●「正当な理由」とは
企業側から解雇する場合には、「正当な理由」が求められており、「社風に合わない」といったような漠然とした理由での解雇は認められません。
試用期間中は、本採用の場合よりは解雇理由として認められる範囲が広いと言われてはいますが、それが認められるのは「採用前には分かっていれば採用しなかった」場合で、具体的には下記のような理由が挙げられます。

   ・決められた出退勤の時間を守らない(遅刻・早退が多い)
   ・健康状態が悪い、病欠が多い等、業務を遂行できない
   ・重大な経歴、職歴のごまかしがあった
   ・上司の指示や命令に従わない


ただし、このような場合でも企業側は注意や指導、救済措置提案を繰り返し行う必要があり、それでも改善が見られない場合にのみ、解雇を検討してもよいとされています。
たとえば「能力が足りない」という理由の場合には、企業側がきちんと繰り返し指導や研修を行い、それでも改善されなかった、という客観的事実がなければ認められないのです。

 ●「適正な通知」とは
労働者を解雇する場合には、試用期間中かどうかを問わず、30日前に解雇予告をするか、解雇予告短縮のための手当を支払うことが求められています。
ただ、この決まりは雇用開始から14日以上経過した場合のみ適用されますので、雇用開始から13日間は解雇予告や手当は不要とされています。

■覚えておきたいこと

試用期間は企業が本採用をするかどうかを決める期間ではありますが、働く側も長く働いていけそうな職場かどうかを判断する期間でもあります。
とはいえ試用期間中や試用期間直後の退職は、企業側、働く側の双方にとって望ましいものではありません。短期間での離職となってしまわないよう、応募前に募集要項をしっかり把握して、不安な点は面接時や入社前に確認できるといいですね。

自分を活かせる職場に出会うには、まずはいろいろな求人を比較検討してみることが大事です。アカナビではパート・アルバイトから正社員まで、いろいろな求人をご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

▶▶アカナビで求人を見てみる

制作/編集: アカナビ事務局