会計事務所でよく聞く「税務調査」とは?

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会計事務所でよく聞く「税務調査」とは?

会計事務所の業務には、税務申告書の作成や提出だけでなく、税務調査があった場合に立ち会うことなども含まれています。

ただ「税務調査」というワードは知っていても、具体的になにをする業務なのでしょうか。
そこで今回は、「税務調査」をテーマに、その目的や会計事務所の役割などについてご紹介していきたいと思います。


■税務調査の目的

税務申告は、あくまで自主申告によって行うことが前提とされています。納税者が自分自身で決算を行い、利益を確定させ、それをもとに税金計算をして納税する仕組みになっているのです。

税務調査実施の目的は、納税者自身が計算した利益や税金計算が正しく行われているかどうかを、税務署が定期的にチェックすることにあります。
なぜ定期的なチェックが必要かと言えば、税金を安く済まそうと実際より利益が少ない決算を行ったりする意図的な不正や、故意ではなく単純なミスであったとしても、結果的に税金が少なく計算されてしまったりすると、正しく納税している納税者との公平が図られなくなってしまうからです。
また、本来払われるべき税金が正しく払われていなければ、国の財源にも支障が出るという理由もあげられるでしょう。

具体的には、日々の仕訳の確認や、その仕訳のもととなった請求書や領収書が確認され、これらの経理処理が税務的に正しいかどうかがチェックされます。
たとえば、個人的な買い物など本来経費とならないものが経費として処理されている場合には、処理の修正を求められ、一般的には修正申告書の提出を通じて、税金が追徴されることとなります。

■税務調査時における会計事務所の役割

税務調査は、3年から5年間隔で行われることが多いですが、納税者はその時くらいしか税務署職員と接触する機会がありません。中には過去の経験から、税務署に対するアレルギーのようなものをお持ちの方もいらっしゃるようです。

一方、会計事務所では、毎年のように税務調査がありますし、所長税理士であれば税理士会など業界団体を通じ、税務署職員との交流の場もあります。
納税者の方とは比べものにならないくらい、税務署職員との接触機会があるのです。

したがって、税務調査が入る場合には、心中不安な経営者の強い味方になってあげることが会計事務所の役割です。
税務調査の現場において、会計事務所がリードしてあげることで納税者側のペースで調査を進行することも可能となります。
逆に言うと、会計事務所の立ち会いがなければ調査は税務署側のペースで行われ、税務署側からの指摘に対し、税務のプロでない納税者が反論する余地は少なく、事実ではない指摘だったとしてもうまく説明できないケースもあるでしょう。

このように、税務調査における会計事務所の役割は非常に大きく、それゆえ税務調査経験が豊富な会計事務所であれば、顧問先からの信頼も厚いものとなります。

■税務調査を意識して業務に取り組みましょう

顧問先によっては、経理の記帳から決算、税務申告まで、すべて会計事務所にお任せという場合も多々あります。
このような場合、税務調査では会計事務所の行った処理が調査されているようなもの。調査の結果、多額の追徴課税とでもなろうものなら、会計事務所の信用問題にも発展しかねません。

「先生のところに任せているのに、どうしてこんなことになるの?」とならないためにも日々の会計仕訳ひとつひとつに、税務調査への意識を持って仕事を進めていきましょう。
会計事務所職員であれば、自ら行った処理について責任を持つ。こういった心構えで仕事を進めておけば、税務調査にも自信を持って立ち会えるはずですよ。