公認会計士になるには?具体的なステップと必要時間を徹底解説!

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公認会計士になるには?具体的なステップと必要時間を徹底解説!

公認会計士は、学歴問わず高い年収と安定した需要が見込める人気資格の一つです。しかし、試験の合格率は約10%と難関で、合格までには相応の時間と努力が必要です。この記事では、公認会計士になるために必要な全てのステップを、必要な時間とともに徹底解説していきます。未来の公認会計士を目指すあなたに、最適な道筋をお伝えします。

【目次】
公認会計士の仕事内容と年収・将来性
 ・公認会計士の主な業務と活躍できる場所
 ・公認会計士の平均年収と昇給モデル

公認会計士試験の概要と合格までの道のり
 ・試験制度の全体像と各科目の特徴
 ・合格率と必要な学習時間の目安
 ・受験から合格までにかかる費用の内訳

試験合格後の実務補習と修了考査
 ・実務補習所での研修内容と期間
 ・修了考査の試験と対策ポイント
 ・実務経験の積み方と就職活動のコツ

公認会計士としての登録と今後のキャリア
 ・公認会計士登録の具体的な手続きと費用
 ・独立開業のタイミングと準備事項
 ・スキルアップと専門分野の確立方法
 ・まとめ



■公認会計士の仕事内容と年収・将来性

・公認会計士の主な業務と活躍できる場所
公認会計士は、主に監査法人や一般企業で活躍する財務・会計のスペシャリストです。
監査法人では、企業の財務諸表が適正に作成されているかを監査し、投資家や債権者の保護に貢献します。上場企業は法律で監査法人・会計士による経営状況の監査が義務付けられているため、主な取引先はグロース~プライム上場企業となります。

また、一般企業のCFOや経理部門の責任者として、特にIPO(上場準備)企業では、上場基準となる会計経理、財務の制度設計を任されることもあり、経営の重要な意思決定に関わることもあります。
監査法人や一般企業を経た後は、独立して会計事務所を開業したり、M&Aのアドバイザーとして活動したりと、キャリアの選択肢は豊富です。

監査法人は繁忙期が明確ということもあり、人手を必要とする繁忙期に非常勤として働くことも可能です。その中には時給が8,000円以上という高単価待遇もあり、一般企業の社外顧問や監査法人の非常勤をいくつかかけ持つなど、ライフスタイルに合わせたワークライフバランスを実現できます。


・公認会計士の平均年収と昇給モデル
公認会計士の平均年収は922万円と高水準で、初任給も30〜35万円と一般的な大卒初任給の22.4万円を大きく上回ります。
大学在学中に会計士試験の受験や合格が必要となることもあり、相応の努力と結果は求められますが、試験合格という高いハードルをクリアした人材への評価として、スタート時点から恵まれた待遇が用意されています。

昇給は着実に進み、シニアスタッフへの昇進で700~1,000万円と大きく上昇します。20代後半には多くの公認会計士が年収800万円台に到達し、マネージャーになると800~1,000万円が一般的な水準です。
キャリアの集大成となるパートナー職では、年収1,500万円以上が標準的で、大手監査法人ではさらに高額となるケースも。パートナーの収入は固定給に加え、担当する監査業務やコンサルティング案件の成果に応じたインセンティブも加算される仕組みとなっています。


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■公認会計士試験の概要と合格までの道のり

■公認会計士試験の概要と合格までの道のり
公認会計士になるためには、まずは公認会計士試験に合格する必要があります。
試験内容は「短答式試験」「論文式試験」に分かれており、短答式試験→論文式試験の順に、2つの試験に合格してようやく「公認会計士試験合格者」となります。
この試験に合格しただけでは「公認会計士」と名乗ることは出来ず、その後の終了考査を通過する必要があります。

・試験制度の全体像と各科目の特徴
公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験の2段階で構成される国家資格試験です。短答式試験は年2回(12月、5月)、論文式試験は年1回(8月)実施されます。

試験科目は、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法の必須科目に加え、経営学、経済学、民法、統計学から1科目を選択する必要があります。
財務会計論では日々の計算演習が重要で、管理会計論は正確な知識の定着が求められます。監査論は実務の全体像を把握することが大切です。また、企業法は法律特有の専門用語が多く、早めの学習開始が推奨されます。

短答式試験と論文式試験には科目合格制度がありますが、免除期間は2年間のみとなっています。そのため、多くの受験生は短期決着を目指して学習に取り組んでいます。


・合格率と必要な学習時間の目安
公認会計士試験の合格率は、短答式試験が約15%、論文式試験が約10%で、最終合格率は約7%と難関資格の一つとなっています。

合格までに必要な学習時間は、一般的に3,000~5,000時間と言われています。1日6時間の学習を継続した場合、約2年間で合格レベルに到達できます。2つの試験に連続して合格しなくてはいけないこと、膨大な勉強量があることから、時間のある学生時代から勉強を始める方が多くなっています。
学習期間は、個人の基礎知識や学習環境によって大きく異なります。会計の基礎知識がある人で最短1年、未経験者でも2~3年程度で合格する事例が多く見られます。


・受験から合格までにかかる費用の内訳
公認会計士の受験にかかる費用について、その主な内訳を見ていきましょう。大手予備校の2年間コースは約80万円が相場で、比較的小規模な予備校では60万円程度で受講できます。
また、WEB通信講座を選択すると、通学型より費用を抑えられる場合があります。ただし、質問対応や個別指導などのサポート体制は、予備校に比べて大きな差があるため、選択時には注意が必要です。

費用を抑える方法としては、厚生労働省の教育訓練給付制度を利用することで、受講費用の20%(上限10万円)が支給される制度があります。また、予備校の特待生制度や奨学金制度を活用することで、受講料を大幅に抑えられる可能性もあります。


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■試験合格後の実務補習と修了考査

■試験合格後の実務補習と修了考査
公認会計士試験に合格してから公認会計士に登録するためには、3つの要件があります。

① 業務補助 
公認会計士や監査法人などで、公認会計士の業務を補助すること、3年以上※試験の前後を問わない
② 実務補助
実務補習所の講習を受け、単位を取得。通常3年間※短縮できる場合あり
③ 修了考査
実務補習の修了試験、年1回
公認会計士試験と比較すると合格率は高く、再受験も可能で、令和5年度の合格率は76.4%ととなっています。


・実務補習所での研修内容と期間
実務補習所での研修は、公認会計士試験合格後に3年間のカリキュラムで行われます。講義は週1〜2回の頻度で、主に平日夜間や週末に開催されます。
カリキュラムは会計、監査、税務、経営・IT、法規の5つの分野に分類され、各分野の理論と実務を段階的に学習していきます。初年度は全体の約70%を集中的に学び、2年目以降は負担が軽減されます。

実務補習修了には合計270単位の取得が必要で、1年目180単位、2年目40単位、3年目20単位が最低要件として定められています。
実務補習所は東京・東海・近畿・九州の4地域に設置され、8つの地方支所も展開されています。講義はライブ講義とeラーニングの2種類から選択でき、ディスカッションやゼミナール、工場見学なども実施されます。

多くの場合、監査法人などで働きながら実務補習を受講することが一般的です。講師陣には監査法人の役職者が多く、実践的な知識を習得できる環境が整っています。



・実務経験の積み方と就職活動のコツ
監査法人への就職活動は、合格発表から内定まで約2週間という超短期決戦となります。そのため、試験終了後から合格発表までの期間に、徹底的な準備を行うことが重要です。

4大監査法人(Big4)は大規模な国際会計事務所と連携しており、大手企業の監査を手がけています。人数も多く学べる環境が充実している一方、業務量も多くワークライフバランスを取るのが難しい部署もあります。
中規模・小規模監査法人は、働きやすい環境と経験豊富な会計士からの直接指導が特徴です。一方で、監査先の企業の規模としてはグロース市場やIPO準備企業など、Big4ほどの規模ではないところも増えてきます。

事前準備として、各監査法人の特徴や得意分野を比較検討し、自分のキャリアプランに合った法人を選定しましょう。
面接対策では、志望動機を明確にし、なぜその監査法人を選んだのか、公認会計士を目指した理由を具体的に説明できるよう準備します。また、監査法人の情報をよく調べ、熱意と意欲を示すことが内定獲得のポイントとなります。

合格発表前に転職エージェントに登録し、合格発表と同時に応募が出来るように面接対策や履歴書添削、求人選定などをコンサルタントに進めておいてもらうこともお勧めです。
求人票やHPだけでは分からない内情や面接の志向は、特に初めて監査法人で働く方は是非知っておきたい情報です。


・修了考査の試験範囲と対策ポイント
実務補習の単位を修得した後は、修了考査を受験し合格する必要があります。試験科目は「会計に関する理論及び実務」「監査に関する理論及び実務」「税に関する理論及び実務」の3科目です。

公認会計士試験と重複する会計・監査分野は、試験対策用に重要度を調整した圧縮講義や計算トレーニング教材を活用することで効率的に学習できます。

税務については、公認会計士試験の範囲を大きく超えることに加え、IFRSについても出題が多いため、しっかりとした対策が必要です。


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■公認会計士としての登録と今後のキャリア

■公認会計士としての登録と今後のキャリア
・公認会計士登録の具体的な手続きと費用
公認会計士として活動するためには、日本公認会計士協会への登録が必須となります。登録時には登録免許税6万円が必要で、これは税務署や金融機関で納付します。
また、入会金と施設負担金として、初めての登録の場合は8万円が必要です。

具体的な登録手続きでは、公認会計士開業登録申請書、履歴書、写真2枚、試験合格証書の写し、実務補習修了証書の写しなど、計18種類の書類を提出することになります。書類はA4サイズに統一し、指定された順番で揃えます。
提出先は日本公認会計士協会会員登録グループで、東京都千代田区九段南の公認会計士会館です。書類は簡易書留で送付します。登録審査会は毎月1回開催され、審査を通過すると約1週間後に登録通知が届きます。

登録完了後は普通会費として月額6,000円、さらに所属する地域会の会費が必要となります。また、監査契約を行った場合は、監査報酬額の1%を業務会費として負担することになります。
これらの費用は、勤務先の監査法人が負担することも多くあります。雇用条件に記載されていますので、気になる方は確認しておきましょう。



・独立開業のタイミングと準備事項
公認会計士の独立開業は、十分な経験を積んだ後の重要な選択肢です。監査法人勤務での平均年収は約800万円ですが、独立を決意する理由は収入面だけではありません。

多くの公認会計士は、監査業務で経験を積んだ後、IPO支援やM&A、コンサルティングなど、特定分野での専門性を確立してから独立を選択します。独立のタイミングは、自身の専門分野を確立し、十分な実務経験を得たと実感できた時が適切です。

ただし、独立には仕事の継続性や収入の不安定さなどのリスクが伴います。特に家族がいる場合は、より慎重な判断が必要です。独立への迷いがある場合は、さらなる経験を積むことをお勧めします。
準備事項としては、事務所開設費用の確保、顧客基盤の構築、税務や労務に関する知識の習得が重要です。また、独立後も常に新しい知識を学び続ける姿勢が成功への鍵となります。



・スキルアップと専門分野の確立方法
公認会計士として市場価値を高めるには、継続的なスキルアップが不可欠です。今後特に重要となるオプションスキルとして、英語力、税務知識、ITスキルの3つが、挙げられます。

英語力は、グローバル展開する企業の監査や海外クライアントとの対応に必須です。TOEIC800点以上を目指し、実践的な英語力を身につけることが推奨されます。
税務知識については、多くの公認会計士が税理士資格も取得できることから、独立の際にクライアントに会計・税務両方の観点から包括的なサービスを提供しています。
さらに、IT監査の需要が高まっており、システム監査技術者やCISAなどの資格取得も、キャリアの幅を広げる有効な選択肢となります。

これらのスキルを効果的に習得するには、監査法人での多様な業務経験や海外赴任などの機会を積極的に活用すること、監査法人から税理士法人への転職を検討することも重要です。
特に税務の知識や経験は、監査法人だけでは実践レベルのものを身につけることは難しく、独立後に学ぼうとすると顧客の信頼を得られない可能性もあります。税理士法人は年収面で監査法人より低くなるケースが多いですが、本気で独立を考えている場合はチャレンジしてみても良いでしょう。


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