会計業界の年齢事情

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会計業界の年齢事情

会計事務所を始めとした会計業界で独立開業するためには、公認会計士もしくは税理士の資格が必要になります。
会計士と税理士、どちらも資格の取得のためには試験に合格したうえで、実務要件を満たす必要があるという共通項がありますが、資格取得にかかる時間やステップがそれぞれ異なります。
実際にどんなステップがあり、平均年齢はどれくらいなのでしょうか?

■公認会計士の平均年齢

会計士の資格取得のためには、以下の3ステップを踏む必要があります。

1) 短答式試験合格
2) 論文式試験合格
3) 修了考査


短答式試験合格には有効期限があり、合格した後2年以内に論文式試験に合格しないと、再度短答式試験から受けなおして合格しないといけません。公認会計士の論文式試験は年に1回のため、短答式試験に合格した後チャンスは2回。短期決戦で資格取得を目指す必要があります。
公認会計士の受験には年齢や学歴の受験要件もないため、学生時代から取得に向けた勉強をする人も多く、学生向けのダブルスクールも活発です。

また、2つの試験に合格した後は、公認会計士業務の経験が積める環境で3年以上の実務と講習を受け、終了考査に合格する必要があります。学生時代に短答式、もしくは論文式まで合格しておき、監査法人に就職して実務経験を積むやり方が一般的です。
勉強のスタートが早いことや、連続で試験に合格しないといけない短期決戦スタイルもあり、公認会計士は比較的年齢層が若く、20代半ばを推移しています。

■税理士の平均年齢

一方、税理士の資格取得のためには、全部で11科目ある中から会計に関する科目を2科目、税法に関する科目を3科目、合計5科目に合格する必要があります。取得する順番に決まりはありません。
また、公認会計士と同様、会計税務に関する業務を2年以上経験している必要がありますが、試験に合格する前の実績も含まれるため、会計事務所や税理士法人に就職してから試験勉強を深めていくことも可能です。

税理士試験は1年に1回、2日から3日にかけて開催され、1度の開催で複数の科目を受験することは可能です。ですが、税理士試験科目の合格には1科目あたり150時間から600時間の勉強時間が必要と言われており、実務を通じて十分な知識を持っている状態であるか、関連する税法科目を連続して勉強するなどでない限り、同時並行はハードルが高いでしょう。

税理士試験に合格する以外に、会計系の大学院を卒業して修士号を取ることで税法2科目分を免除とする制度もあります。
ただ、最低でも2年以上かかること、仕事と両立しながらの通学や論文提出は心身的な負荷も高いことから、卒業までは正社員を辞めてパート・アルバイトとして勤務する人も多く、実家や配偶者の収入など、自身が十分に働かなくても生活基盤を支えてくれる環境も必要となります。

税理士試験は会計士試験と異なり一度合格したらその後ずっと有効のため、極端な話、合格まで20年かかっても5科目合格出来れば税理士になれます。また、国税庁や税務署などに勤める税務職員は、勤務年数に応じて一部科目、また全科目を免除のうえ税理士登録することも可能です。
スピード勝負の公認会計士試験とは真逆で、時間をかければ取得出来る制度もあることから、税理士の平均年齢は高く、60代半ばを推移しています。

■会計士と税理士、目指すならどちら?

公認会計士の資格を持っていると税理士として登録することも可能ですが、その逆はありません。
そう聞くと、会計士の資格を目指せば若いうちから活躍できるしお得なのでは?と思う人もいるでしょう。もちろんそれも一つのメリットかもしれませんが、20代で税理士になる人もいますし、若いうちに会計士試験に合格出来ない人もいます。あくまで傾向の話で、当然ながら約束されたものではありません。
会計士と税理士は近い業界として語られることが多い資格ですが、実際のところ専門とする分野は全く違います。公認会計士試験に合格して税理士の資格を得たとしても、すぐに税の分野で活躍できるかというと、それはまた相応の努力が必要になります。

では、どちらを選ぶといいのか。
それはシンプルに、ご自身がどちらの領域でキャリアを積みたいかで考えると良いと思います。

公認会計士は、会計監査のスペシャリストです。企業のお金の動きを監査して不正や法律違反がないかチェックし、必要に応じて予算配分や今後に必要な制度をコンサルティングします。「企業の警察」とも言われ、正しいお金の運用や健全な会社運営に欠かせない存在です。
規模の小さい監査(決算)は会計事務所でも可能ですが、グループ会社や支社が多いなど、規模が大きくなるとより専門的な監査の知識が必要となり、監査法人での対応が必要となるため、取引を行う会社は上場企業やIPO企業が大半となります。

税理士は、税に関するスペシャリストです。会社の決算から必要な納税額を計算し、代わりに国へ申告する申告代行は、税理士にのみ許可された独占業務です。「企業の医者」とも言われ、決算情報と納税状況から企業の状態を診断、経営改善を行っています。
税金は企業・個人問わず、日本で暮らす以上必ず発生するものなので顧客の幅も広くなり、同時に学ばなくてはいけない税法の幅も広くなります。上場企業はもちろんフリーランスの方、会社勤めの方でも家族の贈与や相続など、すべての人が税理士の顧客になる可能性があります。

■まとめ

公認会計士と税理士、それぞれ得意とする領域や資格取得にかかる年数は異なりますが、どちらも資格を取得して経験を積み独立開業すると、定年を心配せず働くことが出来る職種です。また、お金に関する仕事は経済が動く限りなくなることはないので、先般のコロナ禍のように日常生活が崩れたときも、「なくならない仕事」としての側面でも存在感を発揮しました。

定年がないということは、何歳からでもチャレンジ出来るという事。興味のある方は、まずは簿記の検定試験を受けたり税理士試験勉強を始めてみたりするなど、是非行動してみませんか?

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