それってもしかして「贈与」かも?子供のお年玉の管理の注意点

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それってもしかして「贈与」かも?子供のお年玉の管理の注意点

子供にとって新年の一大イベントと言えば、親や祖父母・親戚と会った時にもらえるお年玉。私が子供の頃は父方の実家に集まるのが慣例でしたが、親戚以外にも祖父母に挨拶に来た、名前も存じ上げない近所の方からもいただくなど、その節は大変お世話になりました。。

特に子供が小さいうちは、親が預かって子供名義の通帳に代わりに貯金しておく、いわゆる「名義預金」を作っているご家庭も多いかと思います。しかしこの名義預金、渡すタイミングよっては「親から子への贈与」として贈与税がかかる可能性もあります。
贈与税のルールと対策について、早いうちから確認しておきましょう。

■相続税と贈与税の違いとは

親、または祖父母から子や孫へ資産が引き継がれる場合、発生タイミングによって「相続」か「贈与」か変わります。
相続が発生するのは、原則として被相続人(資産を遺した人)が亡くなった時。相続は権利と義務のため、受け取ることが出来るのは特別な遺言状がない限り、法で定められた法定相続人と呼ばれる親類のみです。
一方贈与は契約のため、生きている間に双方の同意があれば、戸籍や血縁上の関係がない人に対しても行うことが可能です。
例えば事実婚夫婦の場合、パートナーが亡くなっても戸籍上の繋がりがない残されたパートナーは法定相続人にはなれませんが、生前に贈与契約を結び、時間を、あるいは贈与税をかければ全て相手に引き継がせることも可能です。

また、非課税となる金額も、一度に多額の資産を引き継ぐことになる相続時の方が控除額は大きく、法定相続人が1人の場合3600万円まで、以降は1人増えるごとに+600万円までが非課税です。例えば夫が亡くなって妻・子2人の合計3人で相続をする場合、3600万円+600万円×2=4800万円までは非課税です。
一方、タイミングを選べる贈与時は、1年間に贈与された額が110万円を超えると贈与税が発生します。ただ、特定のタイミングでの贈与は控除額が大きかったり、非課税となったりするケースがありますので、贈与を検討されている方はしっかり確認しましょう。

■贈与税が非課税になるケースは

まず、贈与税が非課税となるケースは、大きく3パターンあります。
1)受取人1人に対して年間で110万円以下の贈与
2)30歳未満の子や孫に対し、直系尊属(両親や祖父母)から学費の贈与
3)18歳以上の子や孫に対し、直系尊属から住宅購入資金の贈与


2・3についてはシチュエーションが限られる贈与かつ、非課税となる条件が他にもあるため、本コラムでは1の場合の課税・非課税について記載いたします。

前述の通り、贈与は決められたタイミングはなく、送る相手も自由に決めることが出来ます。ですが、その分相続に比べて控除額も低く、きちんとルールを把握して必要な処置を行わないと、最終的に「相続」や「贈与」と見なされて追加徴税されてしまうことになります。その中でよくある例が、最初に記載した「子供の名義預金」です。

贈与は相続のような「権利」ではなく「契約」のため、契約を成立させるための手続きが必要です。「受け取った本人がその金額(契約)を承知しており、自身で管理出来ている」という客観的事実がないと、贈与「しているつもり」の段階であり、実際の贈与契約が成立していないというのが税務署の判断です。
「本人が贈与の事実を認知し、受け入れたタイミング」が贈与契約成立と見なされるため、その時点で預金残高が110万円を超えていれば贈与税が発生しますし、名義口座の存在を知らされないまま口座を管理していた人が亡くなれば、亡くなった人の資産の一部として相続額の計算に含まれます。残された親族が名義預金の存在を把握していなかった、子の名前の通帳だったからそのまま受け取ったなど、ルールを知らないために結果として相続税申告漏れとなり、追加徴税されるケースもよくあるパターンです。

■不要な贈与税を発生させないためには

贈与を安全に成立させるためには以下の客観的事実が必要です。

1)贈与について契約書を作成する
2)受け取る本人が贈与の事実を把握している
3)受け取った資産を自由に出来る権限がある


1)契約書について、民法上は「口頭でも贈与契約は成立する」とされているものの、客観的事実がありません。例えば親の死後、子供名義の口座に本人の収入能力以上の金額があった場合、それが贈与契約に基づいて親から得たものである証拠がないと、これも親の財産の一部だとして相続税の加算対象にされる場合があります。
また、契約書を作成したとしても、「10年間毎年100万円を贈与する」など期間と金額が決まっていた場合、「初めから1000万円を贈与するつもりだった」として、贈与税の課税対象になる場合もあります。契約書を作成するときは毎年作成して、「期間や金額を決めず、都度の判断で贈与している」という客観的証拠を残しておくことがベストです。

2)3)については、贈与を受け取る年齢によっては難しい面もあるかもしれません。小学生の子供に通帳を持たせて自由に管理させる、というのは、いくら金融教育に力を入れているご家庭でも心配が先立つでしょう。
ですがそこはご安心ください。未成年の子供の資産管理について親が介入するのが社会通念上当然とされ、親権者が「これは子供の口座で、将来的に贈与するものである」という認識を持ち、その通りに運用していれば大抵は問題ありません。

問題になるとすると、「子供の名義で作った口座に入っているお金を、親が投資資金やブランド品の買い物、ギャンブルなど、子供には一切関係のない事に使用していた」場合です。その場合、「親の資金を子供の名義の口座に入れているだけ」として名義預金にあたり、贈与税が課される場合もあります。
あくまで子供のために貯め続ける、使う場合は子供の習い事や必需品の購入など、子供に関連する事項のみにして領収証を保管しておくという点に注意が必要です。

■子供が成人したら速やかに贈与契約を

親が子供名義の口座を持ち、管理していても名義預金に当たらないとお目こぼしがあるのは子供が未成年のうちだけ。子供が高校を卒業したら、まずは名義預金の存在を伝え、贈与契約をスタートさせましょう。
そのうえで、通帳とキャッシュカードを全て渡すか、キャッシュカードだけにするか、必要な時は親に伝えて代わりに引き出してもらうようにするか等、各家庭でルールを設けましょう。
高校を卒業し法的に成人したと言っても、急に数十万、数百万のお金を自由に使えるとなると、箍が外れてしまう子もいるでしょうから、それは今までの子供のお金の使い方や性格を見て、親御さんが判断されるのが良いかと思います。

ただ、子供の金遣いが荒いから心配だと、ずっと親が通帳やキャッシュカードを持っていると、子供に管理権がないお金=親の資産とみなされてしまいます。遅くても社会人になる頃には、親はすべての管理権を手放すようにしましょう。

また、注意したいのは、祖父母が孫(親)に黙って孫のための貯金をしているケースです。「孫が結婚するときや家を買う時にお祝いで渡そうと思っていた」等、その通りに実行されれば、よほどの大金でない限りは問題はありません。ですが、目論見通りに果たせないまま亡くなってしまうと、それらは贈与契約が成立していない名義預金として、単なる祖父母の貯金、つまり相続税の対象資産となり、相続人に均等に分配されることになります。
親が管理していた子の名義預金を贈与する際は、自身の親(子の祖父母)にもそういったものがないか、黙っておくと何が起こるのかを伝え、正しい処置をしておくようにしましょう。

周囲の方が子の成長を祝って贈ってくれた大切な資産、丁寧に活用していきたいものですね!


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