PTAって何をしているの?どんなところが大変?

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PTAって何をしているの?どんなところが大変?

PTAの役員決めがあって気が重い…というのは小学生の子供がいる母親の間ではよく聞かれる話題です。また、共働きの家庭が増えるにつれて、PTA活動に参加できない、したくない、という意見が増えているというニュースを耳にすることもあります。一方、子供がまだ小さい方やいない方からすると、正直、どんな仕事を担当しなければならなくて何が大変なのか、よくわからないけど、なんとなくネガティブなイメージ…という方も多いのではないでしょうか。

私も小学生の子供がいますが、それぞれの地域や学校によって活動内容に差がある場合も多く、自分の学校以外のPTAのことは知らないケースも多いと思います。今回は最近の公立小学校のPTAについてまとめてみます。

■そもそもPTAとは?

PTAとは「P」Parent(親)、「T」Teacher(先生)、「A」Association(組織)の略で、親と先生が地域社会と協力し合いながら、子供たちの学校生活を充実させることを目的としています。PTAが日本で始まったのは第二次世界大戦直後の1945年。アメリカから来た専門家が提言し、文部科学省を通じて日本全体に広がりました。

本来は任意加入の団体なのですが、入会の意思を確認する手続きがないまま、入学と同時に自動的に加入している人が多いのが実情です。非加入や退会を希望する人が加入を強制されたり、非会員だともらえない記念品がある、集団登校の班に入れないなど、子供に不利益な扱いをされるケースもあり、最近では行政側が「加入するかどうかは保護者の意思確認を行うこと」と指導している地域もあるようです。

PTA活動に必要な費用は、会員である保護者から集めた会費で賄われており、年度ごとに年間計画と予算を作成し、年度末に決算を行う流れになっています。年度初めにPTAの活動計画や規約などの書類が配布されることが多いので、しっかり目を通しておくことが大事です。
公立小学校のPTA年会費は全国平均で3,226円ですが、地域によって大きく差があるようで、最も高い松江市では7,104円、最も安い函館市は735円となっています(2023年4月総務省統計局 小売物価統計調査より)。
ちなみに我が子の学校では2,000円ほどなので、差額の大きさに驚きました…。

■「PTA役員」と「専門委員会」

PTAの組織や役職の名称は学校によって異なりますが、一般的に言って「PTA役員」と「専門委員会」というものがあり、「PTA役員」の方がはるかに大変、という話をよく聞きます。執行部の役割を果たすのが「PTA役員」で、会長、副会長、書記、会計、会計監査といった役職があり、PTAの活動全般に携わります。秋から冬頃に来年度の役員決めがあり、立候補のほか、抽選や他薦など、選出方法はさまざまです。

こうした「PTA役員」とは別に、活動内容に特化した下記のような「専門委員会」が設けられており、委員長はPTA役員と同時期に決まりますが、所属する委員は新年度になってからクラスや学年ごとに決めることが多いようです。

●学級専門委員会:各クラスの代表。クラス名簿の作成や懇親会を企画するほか、PTA役員と各クラスの橋渡し役として代表委員会(PTA役員、各委員会の委員長、地域の代表者が集まり、活動状況の報告や計画の共有を行う)に出席。
●広報委員会:PTA活動の広報誌作成に向けた取材、編集など。
●企画委員会:学校行事の手伝いや周年行事の企画のほか、夏休みのラジオ体操や地域のお祭りといった地域イベントの運営やお手伝いなど。
●地域安全委員会:警察と連携した交通安全教室の実施や、通学路や地域の防犯パトロールなど
●ベルマーク委員会:ベルマークやインクカートリッジの回収を行い、学校に必要なものの購入に充てる
●選挙管理委員会:次年度の役員選出に向けた選挙の運営

■PTAの仕事は必ずやらないといけないの?何年生でやるのが正解?

こちらも学校によってルールはいろいろのようですが、我が子が在籍したことがある2校では、いずれも「一子一委員(子供1人につき1回は委員の仕事をする)」という決まりでした。
ただ「PTA役員」は「専門委員」よりも大変なため、「PTA役員」を1回務めるとすべての子供に対する委員の義務が免除となる、という規定がありました(これもローカルルールですかね…)
たとえば子供が3人いる人は、3回委員をやるよりも3人が小学校に在籍する年にPTA役員を務めて1年で終わらせる方が楽、という話も聞いたことがあります。また、6年生になると卒業や謝恩会関連の業務があったり、中学受験のサポートもあったりするので、中学年までに終わらせてしまった方がよい、というのもよく聞く話です。

妊娠中や未就園児がいる期間は、申請すれば翌年のPTA役員は免除されますが、6年間のどこかで委員を務めなければいけないことに変わりはありません。フルタイムの仕事をしているという理由で免除されることはありませんし、実際、フルタイム勤務をしながらPTA役員を務めている方もいるようです。子供が保育園の頃は体調不良の対応で有休を使っていたけど、小学生になると急に熱を出すことは減った分、PTA活動に有休を使っている、という話も聞きます。

私自身は子供が2年生の時に広報委員会の副委員長、4年生の時に学級専門委員を経験したことがありますが(転校したために、2回やらなければいけなくなりました…)、どちらもコロナ期だったこともあってそれほど大変ではなかった印象です。特に学級専門委員は学期に2~3回ほど活動に参加しただけという感じでした。
また、通学路のパトロールや旗振り当番と言われる仕事は、委員かどうかとは関係なく全PTA会員に割り振られることが多く、私の地区の場合は1~2か月に1回のパトロール当番があり、登校する子供と一緒に学校まで行っています。朝の7:40~8:20頃までの時間を使うことになるので、その時間帯に通勤する仕事をしている場合は土曜登校の日を割り当ててもらったり、半日有休を使ったりなどの対応が必要になることもありそうです。

■いまどきのPTA

共働きの家庭が増えたことで「母親が子供のために頻繁に学校に足を運んでPTA活動をするなんて無理」という意見もよく聞くようになり、本来は望めば非加入や退会もできるという認識も広まってきました。
それに加えてコロナ禍の影響でこれまでのような活動が難しくなったこともあり、活動内容を見直してスリム化を図るため改革を進めているPTAが増えてきているようです。活動内容を下記のように絞り込むことで、役員を務める親の負担が減るだけでなく、会費の低減につながるケースもあります。

●紙での資料配布をやめ、アプリを活用
 →利便性が高まり、印刷機のリース代や用紙代も節約される。
●クラス懇談会はコロナの影響で廃止
 →お茶を飲みながら雑談するために会費と有休を使うなんて…と思っていた人には朗報。
●クラス名簿は作成せず、必要時はアプリ上でメッセージを送付
 →個人情報を管理するクラス委員の負担減。
●PTA総会の議決や次期役員の信任投票はオンライン(Google Formsやアプリのアンケート機能を使用)で完結
 →事前に資料を閲覧して質問することもできるし、もともと質問したり反対したりする人はほぼいないのでそれで十分…
●各委員会の開催日を土曜にしたり、ZoomやTeamsでのオンライン参加も可能に
 →学校へ行く回数が減り、仕事や育児がある人でも参加しやすい。
●役員の人数を増やし、1人あたりの業務の負担を減らす



「人間関係が大変」、「しょっちゅう学校に行くのが面倒」、「必要意義が分からない活動を前例踏襲でやっている」など、とかくマイナスなイメージをもたれがちなPTA活動ですが、子供の学校での様子を知ることができたり、先生たちのことを知る機会ができたり、と悪いことばかりでもないようです。
最近は負担を減らすための改革が進んでいる学校も多いようなので、まずは情報収集をすることが大事!その上でどの程度の活動をどのタイミングならできそうなのか、検討してみるのがよいのではないでしょうか。


制作/編集: アカナビ事務局