「人生100年時代」の働き方

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「人生100年時代」の働き方

世界一長い日本の平均寿命。30年ほど前は定年60歳、平均寿命は78歳前後で、100歳を迎えた双子のおばあちゃんが流行語大賞になる時代でした。
今や定年は70歳まで伸びつつあり、その上で定年後は「余生」ではなく「セカンドライフ」として新たなチャレンジをする方も増えています。2021年集計では、100歳以上の方もなんと9万人弱いらっしゃるそうです。

反面、少子化は進み、日本の人口約1億2000万人のうち3分の1は60歳以上、これから社会に出る20歳以下の人口は60歳以上の人口の半分以下という高齢化社会です。今後人材を確保して事業を継続していくには、若手のみならず、シニア世代の活用も真剣に考えていかなくてはいけません。

■そもそもシニア世代とは?

皆さんは「シニア世代」と聞いて、何歳くらいの、どの様な人物像を思い描きますか?

世界的なシニア定義として、国連では60歳以上、WHOでは65歳以上と定めている一方、日本老年学会では75~89歳を「高齢者」と定義しています。国連定義の高齢者とは15歳も乖離があり、日本の高齢化社会が伺えますね。
本コラムではひとまず現在の定年年齢に近しい「60歳以上」をシニア世代として進めてまいります。

もしこの記事をその世代の方が読んでいらっしゃったら、どうかお気を悪くしないでいただきたいのですが、20代~40代の人が思い描く60代の人といえばこんなイメージがあるかもしれません。
「仕事を定年退職して趣味を楽しんでいる」
「情報を得る手段といえばテレビや新聞」
「健康だと思ってたら急に入院!?」
実際、今30代半ばの私の記憶にある、今は亡き祖父母もそのような高齢者でした。

ですが、現役世代の人が幼いころの記憶から思い描く60歳と令和の60歳では、働き方やスキルも含め動向が異なっていることは、先述の通り定年が10年近く伸びつつあることからも明らかです。
今30~40代の方であれば、ご両親がちょうど幼い頃のお祖父様お祖母様のご年齢に近くなっているのではないでしょうか。そう思うと、同じ「60代」でも、日々の過ごし方や健康状態など、かなり異なることに気づいていただけると思います。

では実際にシニア採用を検討した時、何が懸念材料になるのでしょうか?

■シニア世代はデジタルに弱い?

「紙の書類はほとんどなくPC業務が中心、業務連絡はチャットツールやWEB面談ツール中心なので、使いこなせる人じゃないと…」という企業は、近年多いと思います。
そこまでではなくても、今やPCやWEBツールを使わず業務を行うところはほとんどなく、一定のITスキルは必須と言えるでしょう。

では、シニア世代はデジタルデバイスに弱いのでしょうか?結論から言えば「いいえ」です。

この30年で起こったデジタル革命を順に追っていきましょう。
まずは1995年発売のWindows95を契機に、2000年頃までにPCは広くオフィスに普及しました。当時のインターネットは電話回線を利用していて高額だったため、オフラインでの文書作成がメインだったPC業務も、次第にインターネット専用回線が出来て料金も定額化、気軽に使えるようになって業務の幅が広がっていきます。
同じ頃からポケベル・PHS・携帯電話が普及し始め、2008年には日本にiPhone上陸、以降ガラパゴス携帯からスマートフォン・タブレット端末が主流となっているのは、皆様ご存じのとおりです。

現在60歳の方であれば、Windows95やPHSが登場した時は33歳、iPhoneが日本で発売された時は46歳です。オフィス系のお仕事なら、業務が紙からPCへの切り替わっていく過程を経験されているでしょうし、営業職など外回りが多いお仕事なら、早いタイミングで携帯端末を利用していたかもしれません。
実際に、2020年に総務省が調査した携帯電話の普及率では、60代の8割がスマートフォンを所持しているとの結果も出ています。それはその年代まで日常的にデジタルに親しんできたからこその数字でしょう。
今30~40代の方が子供の頃、概ねWindows95が発売される前にお仕事を定年退職していた世代と、上記のような変化を日常生活の中で経験してきた世代では、同じ60歳でもデジタルに対しての抵抗感やそもそもの理解力が全く異なるのです。

■健康面が心配?

2000年時点の調査では、男性の健康寿命の平均値は69歳、女性は72歳でした。それで65歳や70年まで働いていて本当に大丈夫?と思うかもしれません。
ですが、平均寿命と比例して健康寿命も年々伸びており、2019年には男性73歳、女性75歳まで伸びております。スポーツジムや街中のランナーを見ても、地域によっては若者よりシニアが多い場合もあり、健康に対する高い意識やニーズがうかがえます。私自身は30代ですが、ランニングや山登りを趣味とするようなシニア世代に、自分が体力で勝てるとは到底思えません。。
生活習慣の他に食生活や住環境の改善、医療の進歩など様々な要因はあるかと思いますが、これらは現在も進化が続いており、健康寿命は今後も伸びていくことでしょう。

もちろん、若い方に比べて急なご病気や怪我などの可能性は高いかもしれませんが、そのリスクを考えてシニア採用を避けるより、
・体に過度な負担をかけないよう、残業を前提としない業務量
・急な体調不良でもお休みを取りやすいスケジュール調整
・怪我などで通勤が難しいときは在宅勤務が出来る環境整備
など、老若男女問わず働きやすい環境を整えることは、どの世代にとってもプラスとなるはずです。

■「世代」ではなく「個人」で

IT技術以外や定年年齢にも、労働に関する法律の改定、リモートワークの普及や週休3日制の導入など、働き方は変化や選択の連続です。

シニア世代の中にはデジタルが苦手な方も、健康に不安を抱えている方も、自分が親しんだやり方にこだわる方がいることも事実です。ですが、それは世代の問題ではなく個人の問題。20代なら全員デジタルが得意で、健康に問題がなく、新しいやり方に柔軟に対応出来るわけでもありません。

年齢でフィルターをかけず、個人としてお会いしてみたら、貴社にマッチするシニア層は意外といるかもしれません。採用についてご相談したいご担当者様は、是非一度アカナビにお問い合わせくださいね!


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