最近よく見る「業務委託」ってどういう働き方?

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最近よく見る「業務委託」ってどういう働き方?

コロナ禍を経て、リモートワークやフレックス出勤など、働き方にも大きな変化がありましたが、副業を解禁する会社も増えたこともその一つ。収入を得る目的の他に、スキルアップや人脈の構築といった本業への好影響がある方もいるでしょう。

とはいえ、「あくまで本業に支障をきたさない」ことが前提である副業で、平日の大半を本業の勤務に費やす会社勤めの方が、コンビニやカフェなどシフト制の業種で働くことは現実的ではありませんよね。そうすると「土日で出来る」「定時後に出来る」「自宅で出来る」「短時間(空き時間)で出来る」といった業種が副業に適していると言えます。
ご自身の趣味や特技を活かしてフリマアプリやECサイトで制作物を販売するような、個人事業主としてお仕事を始める方もいるでしょうが、どこかで働こうとした際、選択肢としてよく上がるのが「業務委託」といった雇用形態の求人です。

文字通り、企業側が自社で処理しきれない「業務」を処理できるスキルを持った方に「委託」する雇用形態です。
そのため、基本的には経験者や実績のある方向けの業務とはなりますが、その分高単価かつ、業務の裁量が労働者側に大きいことが特徴です。

■POINT① 業務委託契約は企業と雇用関係にならない

業務委託の大きな特徴は、仕事を依頼する企業(委託者)と依頼を受ける人(受託者)の間に雇用契約が結ばれず、対等な関係であることです。

雇用契約が結ばれていないため、委託者は業務を受託者に対して指揮命令を行うことが出来ません。
指揮命令権がないということは、「業務のやり方」「勤務曜日や時間」「勤務場所」にも指示をすることが出来ないということです。委託された業務を休日や深夜に行おうが、自宅で行おうが、社会通念上常識の範囲であれば、受託者の裁量と責任に基づいて業務が行われることを認めなくてはいけません。

業務委託契約を結んだ方に対し、業務の進め方や勤務時間・場所を指示することは「偽装請負」にあたり、労働者派遣法及び職業安定法によって禁止されていますので、業務委託の求人を募集する際も応募する際も注意しましょう。

■POINT② 各種手続きは自分で行う

一方で、雇用契約がない以上、雇用元が対応してくれるような社会保険や住民税などの各種税金対応、年末調整や確定申告など、必要な手続きを全て自身で行う必要があります。
副業として業務委託を受けている方は、本業の勤務先で基本的な税金対応は行われますが、本業と副業の収入合計額を年末調整で申告したうえ、金額によっては確定申告で追加納税を行う必要があります。年末調整も確定申告も、受付期間が厳密に決まっているので注意しましょう。期間内に所定の手続きを終えなかった場合、追加課税等の徴収が来る場合もあります。

加えて、副業ではなく完全に個人事業主として業務委託を受け働いている方は、ご自身で国民年金の支払い手続きを行う必要があります。それまで厚生年金に入っていた方も、厚生年金から外れたと同時に自動で国民年金に切り替わりませんので、そのままにしておくと未納期間となってしまいます。

■POINT③ 報酬の受け取り基準を確認する

業務委託は大きく2種類に分かれており、報酬を受け取る基準によって「請負契約」と「委任契約」に分かれます。

「請負契約」は「成果物に対して報酬を支払う」契約となります。
例えば、「A4サイズの会社パンフレットの表紙を作成する」「消費税に関する記事を2000字以上で書く」など、どこで何時間、どのように作業したかに関わらず、期日までに依頼先が求めた形で納品出来れば報酬が受け取れます。完成までの課程は問われないため、副業に向いている形です。
効率的に業務をこなせる方は短時間で報酬を得ることが出来る一方で、慣れない業務で大幅に時間がかかってしまった場合でも報酬は変わりませんし、もし期日までに納品出来なければどれだけ作業を進めていたとしても報酬は受け取れません。「どの程度なら自分は無理なく出来るか」をきちんと見極めないと、骨折り損のくたびれ儲けになってしまいます。

「委任契約」は「業務を行った時間に対して報酬を支払う」契約となります。
例えば「新人に対して研修講義を行う」「転職支援のコンサルティングを行う」など、その契約内容の作業を行うことで報酬が発生します。
請負契約とは異なり明確な成果提出物がないため、その研修を受けた新人が期待した成果を上げられなかったり、コンサルティングの結果転職が上手くいかなかったりしたとしても、その結果について受託者の責任は問われません。
一見責任も少なくやりやすそうですが、委託者が指定した内容で業務を行う必要があるため、ある程度の日時指定が契約内容に盛り込まれている可能性が高く、自分のスケジュールには合わせにくい場合もあり、副業としては不向きなケースが多いです。

■自分の適性に合わせて、適切な契約を

業務委託は、うまく活用すれば空き時間を有効に使って自分のスキルを伸ばすことが出来たり、将来の夢や目標への足掛かりとしたりすることも出来る働き方です。

ですが、まだ比較的少数派の働き方でもあり、契約内容や関連法律の周知が十分でない場合もあります。業務委託契約をするときは必ず「業務委託契約書」を締結し、報酬の受け取りや業務内容について双方が確認出来る状態にしておき、納税について不安がある場合は税理士に相談するようにしましょう。

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