会計事務所に勤務! 顧問先とはどのように関わるの?

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会計事務所に勤務! 顧問先とはどのように関わるの?

会計事務所は事務所ごとに特徴があり、すべてに当てはまるわけではありませんが、資産税専門やM&A専門などの特化型を除けば、その顧問先は大きく3つのタイプに分類されます。

①会社組織である法人顧問先
②個人事業主
③相続税申告を依頼されるお客様
の3タイプです。

顧問先のタイプが違うと、必然的に日々の関わり方も違ってきます。そこで今回はこの3つのタイプの顧問先ごとに、それぞれ会計事務所はどのような関わり方をしているのか解説していきましょう。

■法人顧問先の場合

法人顧問先の場合は、さらに2つのパターンに分けられます。
ひとつは会社自ら経理や記帳をしっかりと行っている会社。
もうひとつは、請求書や領収証などの資料を会計事務所に委託し、会計事務所がイチから経理を代行している会社です。

前者は、日々の記帳や請求処理をはじめとした一連の経理事務を自社で行っているため、経営成績や利益もある程度会社側で把握出来ています。
会計事務所としては担当者が会社へ行き(会計事務所に来てもらう場合もあります)、経営者や経理担当者と数字のもととなった請求書や領収書などの資料を監査して、会社の処理に誤りはないか、また税務的な観点から問題となるようなことがないかをチェックすること、その資料をもとに必要な納税を行ったり節税の提案をしたりすることが主な仕事となってきます。
また、自社で経理部門を構えている場合はある程度の規模の会社であることも多いので、経営者の個人相続等を含めた事業承継の相談など、少し高度な相談があることもあるようです。

それに対して後者は、まずは預かった資料をもとになるべく早期に試算表を作成することがスタートとなります。
会計事務所にすべての資料を委託する場合、経理担当者など簿記の知識があり経理資料を読み解ける人物が社内にいないケースがほとんどのため、経営者はおおよその売上額は把握していても、支出と合わせて利益までは把握できていない場合がほとんどです。
できるだけ早く数値入力を行い、現状数値の報告をしてあげることが、大切な業務となってきます。
以降の業務は自社経理を構える会社と同じく、税に関するところまでサポートを行いますが、数字によっては経営方針や人事についてなどの経営相談を行うこともあります。

経費の処理には簿記3級以上の知識が必要となるため、紙やExcel処理が基本だった時代は、後者のように会計事務所に依頼するケースも多く、特に街の会計事務所にとっては重要な収入源となっていました。
しかし現在は会計ソフトの進化により、簿記の知識がほとんどなくても、数字と用途を入力すればあらかたの処理をしてくれるようになりました。
もちろん完ぺきではないので、入力後にきちんと知識がある人のチェックが必要とはなりますが、会計事務所への依頼としては自社経理を済ませている状態の会社とほぼ同等のため、記帳代行以外のサービスの充実も課題となってきています。
また、会計事務所で働きたいと思っている方にとっても、上記のような「データ入力」という仕事はどんどん減っていくことが予想されるため、その先の決算・申告についての知識や経験を増やしていくことが必要です。

■個人事業主の場合

個人事業主とは、会社(法人)にはせずに個人で事業をされている方や、土地等を多数所有され、不動産収入が多額となる地主さんなどが対象です。
①の法人の場合は最低でも3ヶ月に一度くらいは接触の機会がありますが、個人の場合は金額や事業形態によって対応内容は千差万別。
法人並みに月に一度試算表を作成し、現状報告をしたうえで経営相談を希望する個人事業主もいれば、年に1回確定申告時期だけ面倒を見てくれればそれでいいという場合もあります。
前者の場合は生計を立てる意味で事業を行っている方が多く、後者は不労所得や副業など、細かく損益を計算する必要はないけれど納税が必要という方が多い傾向にあります。

また、地主の場合は毎年の確定申告もさることながら、将来的に発生する相続を見据えたうえでのコンサルティングを行う場合も少なくありません。
相続や不動産が絡むと高度な知識が必要なケースがありますから、こういった顧客が多数いる場合は、「相続専門」「不動産専門」という形態をとる会計事務所も多くあります。

■相続税申告依頼の場合

上記の法人、個人の顧問先の経営者、そのご家族が亡くなられた場合、相続税の申告業務を請け負う場合もよくあります。
もちろんそれ以外に、日ごろは会計事務所のお世話になることがないような会社勤めの方も、亡くなられた方の資産によってはご依頼する可能性もあるでしょう。

相続というのは、ご家族のどなたかが亡くなられているうえに、残されたお金やご遺族間の遺産分割の問題も絡んでくるため、事務所側もとても神経を使います。もともと顧問先でなかった方からの飛び込みの依頼などはそれまで面識もないため、なおさら慎重さや丁寧なコミュニケーションが求められると言えるでしょう。

相続税の調査のためには、その方が持っているあらゆる遺産を調べて、その資産価値を現在の市場や相場から換算していく必要があり、最初の1ヶ月あたりはひたすら各役所への往復が多い地道な仕事です。
遺産というのはなにも株券や預貯金、不動産などに限らず、借金などの負の遺産も含まれます。不動産などは場所や築年数によっては資産価値より維持費の方が高い場合もあり、使用する人がいないのであれば売却するなど、そういった相談も交えながら、最終的な遺産総額と必要な納税額を算出します。

■おわりに

会計事務所に事務スタッフで勤務する場合、内勤が中心であまり顧客と対面することは多くないかもしれませんが、顧客の分類や求められていることをあらかじめ把握しておけば、将来のキャリアを描きやすくなったり、自分のやりたい・目指している仕事も探しやすくなったりするかもしれません。
法人しか扱わない、個人しか扱わないなど、事務所によって顧客も様々です。まずはどんな顧客がいるか知ることから、はじめてみましょう。


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